「五輪中止」 フェイク情報拡散
BUZZAP 2019年1月29日
DPA通信の報道を受けて、情報サイト「BUZZAP」(https://buzzap.jp/news/)は、「東京オリンピック中止か 新型肺炎対策でIOCとWHOが協議」という投稿を1月29日夜に掲載した。
投稿の内容は以下である。
「東京オリンピックにまたしても暗雲が立ちこめ始めました。詳細は以下から。
ドイツメディアの報道によると、国際オリンピック委員会(IOC)が世界保健機関(WHO)と連絡を取り合っていることをDPA通信が報じたそうです。
これは新型コロナウイルスによる新型肺炎対策の一環で、あと半年に迫った東京オリンピックについて『感染症対策は、安全に大会を開催するための重要な要素』としています。
なお、新型肺炎の発生を受け、サッカーやバスケットボールのオリンピック予選トーナメントが中国から移転済み。
2002年11月に発生したSARSの終息が2003年7月までかかったこと、新型肺炎がSARSを上回る勢いで感染拡大していることを踏まえると、東京オリンピックに重大な影響が及ぶ可能性はあります。
その場合、急ピッチで設立した新国立競技場や3兆円にも及ぶ莫大な投資は、無駄になってしまうのでしょうか……。」
DPA通信が報じた内容は上記の通りで、あくまで「国際オリンピック委員会(IOC)が、東京五輪での新型コロナウイルスによる肺炎対策をめぐり、世界保健機関(WHO)と連絡を取って協議した」ということだが、「BUZZAP」の記事に掲載された「東京オリンピック中止か」という見出しがインパクトあった。
この情報はまたたく間に拡散し、ツイッターでは5万件以上の関連投稿があり、「東京オリンピック中止」のキーワードはツイッターのランキング上で一時、トップ10入りをするなど注目を集めた。
これに対し、大会組織委員会は、1月30日、「東京オリンピック中止」の情報を完全に否定した。
国際オリンピック委員会(IOC)のマーク・アダムス広報担当は、「東京大会は引き続き関係機関と協力し、必要なあらゆる対策を検討する」との談話を発表した。
2020年3月1日
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廣谷 徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
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