一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第35期竜王戦第4局

2022-11-10 00:07:10 | 男性棋戦
第35期竜王戦(主催:読売新聞社、日本将棋連盟)第4局は7日・8日に行われた。ここまで藤井聡太竜王の2勝、広瀬章人八段の1勝。藤井竜王相手だから、広瀬八段はほぼカド番である。
将棋は藤井竜王の先手で、角換わりとなった。相方腰掛け銀とし、広瀬八段が先に仕掛ける。
ところが藤井竜王がたんに桂を跳ね、藤井竜王が攻める形になった。
藤井竜王はその桂を取らせる間に、角で香を取る。この形は馬が働かない、が私の見解だがどうなるか。
藤井竜王はその香を2筋に据える。飛車と相まったこの二段ロケットがいままでありそうでなかった攻めで、存外破壊力があった。
その数手後広瀬八段が封じたが、飛車先を押さえた歩がよくなかったらしい。
藤井竜王は自然な攻めで駒得を実現する。さらに隅の馬を引き付けて、相手の馬と交換した。私の目論見は外れ、綺麗に捌けたのである。
局面は藤井竜王勝勢。藤井竜王の玉は相変わらず寒いが、妙に懐が広いのである。最後は交換した角を王手に打ち、フィニッシュとなった。
さて、これで藤井竜王の3勝1敗。勝率8割を越える棋士が残り3局を全敗するとは思えず、藤井竜王の防衛濃厚となった。
広瀬八段は第3局の負けをひきずっていたらしい。藤井竜王相手に心身ともに万全の態勢で臨んでもどうかというところ、そんな精神状態では勝てない。
広瀬八段は序盤で右金を旧形にしたが、「前例の少ない形に誘導した」との感想があった。しかしどうであろう、研究熱心な藤井竜王のこと、その形も十分研究しているのではないだろうか。
そこで、だ。もう破れかぶれで、広瀬八段は振り飛車穴熊をやったらどうか。「前例のない形」なら、この戦法のほうが広瀬八段にはいろいろ隠し玉があるだろう。振り飛車党の久保利明九段や菅井竜也八段が藤井竜王に善戦している現実もあるし、相居飛車戦に限界を感じているなら、試してみる価値はあるのではなかろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第3期白玲戦・女流順位戦A級・B級1回戦の結果

2022-11-09 15:31:51 | 女流棋戦
本日、第3期白玲戦・女流順位戦A級1回戦の最後の一局が行われた。では、すでに終わっているA級と、B級の結果を記してみよう。

◆A級1回戦◆
【1勝】
①西山朋佳女流二冠(○中村→上田)
②伊藤沙恵女流名人(○山根→渡部)
⑥甲斐智美女流五段(○加藤圭→山根)
⑧渡部愛女流三段※(○中井→伊藤)
⑩上田初美女流四段(○加藤桃→西山)
【1敗】
③加藤桃子女流三段(●上田→加藤圭)
④中井広恵女流六段*(●渡部→中村)
⑤加藤圭女流二段(●甲斐→加藤桃)
⑦山根ことみ女流二段(●伊藤→甲斐)
⑨中村真梨花女流三段(●西山→中井)

◆B級1回戦◆
【1勝】
②鈴木環那女流三段(○山田→岩根)
③塚田恵梨花女流初段(○岩根→千葉)
⑤千葉涼子女流四段(○北村→塚田)
⑥香川愛生女流四段(○石本→室田)
⑧室田伊緒女流二段(○野原→香川)
【1敗】
①石本さくら女流二段(●香川→山田)
④北村桂香女流初段(●千葉→野原)
⑦岩根忍女流三段(●塚田→鈴木)
⑨山田久美女流四段(●鈴木→石本)
⑩野原未蘭女流初段(●室田→北村)

A級は、順位1位、2位の西山女流二冠、伊藤女流名人が貫禄の勝利。
渡部女流三段も難敵中井女流六段に勝利し、好スタートを切った。
2回戦は、1勝者同士が当たるカードが2つある。早くも序盤戦の山となる。
女流順位戦は、各クラスでまずは残留確定が第一。参加女流棋士は早く足元を固めたいところだろう。

B級は、(どのクラスもそうだが)力が拮抗していて、誰が勝っても負けても、時の運という感じ。
とにかくA級に昇級しなければ白玲に挑戦できないわけで、勝つしかない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第3期女流順位戦D級1回戦・2回戦

2022-11-08 22:09:32 | 女流棋戦
5日の女流順位戦の記事で、「今期は必ずしも一斉対局ではない」と書いた。しかし調べてみると今期もすべての対局日が決められており、対局が延期になるのは対象女流棋士がタイトル戦などで多忙の場合によったようだ。
しかし女流順位戦D級1回戦は高浜愛子女流1級VS木村朱里女流2級、斎田晴子女流五段VS井道千尋女流二段が不戦で、この意味が分からなかった。
きのう2回戦が行われたが、井道女流二段、高浜女流1級はやはり不戦。それでハッとしたのだが、おふたりとも休場していたのだった。すなわち井道女流二段は今月30日まで、高浜女流1級は今月23日までである。
ともに出産、育児のため。私が感心したのは、主催者のヒューリックが、2回戦までを不戦敗にせず、待機の措置を取ったこと。出産、育児は一大仕事。ヒューリック、さすがのバックアップであった。
というわけで、女流順位戦D級2回戦の結果を記してみよう。

◆D級1、2回戦◆
【2勝】
⑦渡辺弥生女流初段(○石高・○山口仁→木村)
⑩内山あや女流1級(○矢内・○飯野→梅津)
⑪山口稀良莉女流1級(○北尾・○岩佐→飯野)
⑫大島綾華女流初段(○山口仁・○佐々木→上川)
⑯中倉宏美女流二段※(○和田・○長谷川→村田)
㉔▲脇田菜々子女流初段(○長沢・○川又→中村)
㉙鎌田美礼女流2級(○飯野・○矢内→井道)
㉛梅津美琴女流2級(○中村・○和田→内山)
【1勝】
⑲斎田晴子女流五段(井道・○堀→和田)
㉚木村朱里女流2級(高浜・○長沢→渡辺)
【1勝1敗】
⑤中村桃子女流二段(●梅津・○松下→脇田)
⑧長谷川優貴女流二段(○榊・●中倉→佐々木)
⑭上川香織女流二段※(●堀・○島井→大島)
⑮相川春香女流初段(○川又・●北尾→山口仁)
⑰堀彩乃女流1級※(○上川・●斎田→石高)
㉒▲北尾まどか女流二段(●山口稀・○相川→松下)
㉓▲石高澄恵女流二段(●渡辺・○榊→堀)
㉖佐々木海法女流1級(○島井・●大島→長谷川)
㉗岩佐美帆子女流2級(○村田・●山口稀→高浜)
㉜松下舞琳女流1級(○水町・●中村→北尾)
【1敗】
④村田智穂女流二段(●岩佐・高浜→中倉)
⑨水町みゆ女流初段(●松下・井道→矢内)
【2敗】
①矢内理絵子女流五段(●内山・●鎌田→水町)
②川又咲紀女流初段(●相川・●脇田→島井)
③和田はな女流1級(●中倉・●梅津→斎田)
⑬島井咲緒里女流二段※(●佐々木・●上川→川又)
⑱長沢千和子女流四段(●脇田・●木村→榊)
⑳山口仁子梨女流2級(●大島・●渡辺→相川)
㉑飯野愛女流初段(●鎌田・●内山→山口稀)
㉘榊菜吟女流2級(●長谷川・●石高→長沢)
【―】
⑥高浜愛子女流1級(木村・村田→岩佐)
㉕井道千尋女流二段(斎田・水町→鎌田)

前期惜しくも昇級を逃した渡辺女流初段が、うれしい2勝。
LPSAの宏美女流二段もいいスタートダッシュを見せた。
中学生アイドルの鎌田女流2級も、2勝。鎌田女流2級はこれからマスコミに登場すると思うが、そのとき好成績を収めていないと形にならない。とにかく精進あるのみだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛車を切る(第35期竜王戦第3局)

2022-11-07 22:44:43 | 男性棋戦
10月28日・29日に第35期竜王戦第3局が行われた。ここまで藤井聡太竜王、広瀬章人八段とも1勝。藤井竜王には余裕があるが、広瀬八段は大天才相手に負けを先行させるわけにはいかず、本局はカド番に近かった。
第3局は相掛かりになった。ただ、角換わりが相掛かりに変わっただけの話で、私にとっては難解なことに変わりはない。
将棋は広瀬八段がうまく指し、封じ手の時点では有利だったらしい。ただこれもAI上の話であって、私には形勢の良し悪しはまったく分からなかった。
しかしそこから広瀬八段が優位を拡げ、相当に有望な局面もあったようだ。
91手目、広瀬八段は飛車取りに角を打つ。それに藤井竜王がその飛車を、銀のほうで取ってくれ! と、銀にぶつけたのが好手だったらしい。
あれは久保利明九段だったか、飛車を切るときのタイミングは、飛車取りと当てられたときがベスト、と語っていた。その心は、飛車取りと打った駒が一瞬スカタンになるからで、半手得をしたイメージになる。
そして振り飛車党は飛車を切るのが好きだ。久保九段はもちろんだが、中田功八段も、「飛車は切るためにある」と語っている。鈴木大介九段もそうである。
そして藤井竜王にもその癖がある。本局のこの手は飛車を切るというより押し売りだが、藤井竜王にには飛車を捨てるイメージがあるのだ。
ちなみに「飛車を切る」は、第61期王位戦第4局・木村一基王位戦の「△8七同飛成」、「飛車を捨てる」は、第31期竜王戦5組決勝・石田直裕五段戦の「△7七同飛成」が浮かぶ。藤井竜王は純粋な居飛車党だが、振り飛車の魂も持ち合わせているのでは、とも思うのだ。
実戦はこの手を境に藤井竜王が有利になり、以降は藤井竜王が快調に攻め、結果的には快勝となった。
あー、これで広瀬八段の1勝2敗である。藤井竜王相手になかなか有利な局面は築けないから、そうなった将棋は絶対に取らないといけない。それを1勝2敗ではあべこべである。
実はこの感覚、私も大野教室の指導対局などでさんざん経験してきた。弱者が強者に優位に立っても、「勝ち切れない」のとよく似ている。広瀬八段もさぞもどかしかったに違いない(広瀬八段が弱者というわけではもちろんない。念のため)。
いっぽうの藤井竜王としては、3連敗してもおかしくなかったところ(と本人は本気で思っているはず)を、2勝1敗は望外の成績である。そして今後は藤井竜王も体勢を立て直してくるだろうから、相当に勝利が期待できる。すなわち、防衛濃厚である。
かつての大山康晴名人、中原誠名人、羽生善治四冠がそうだったが、苦戦のシリーズがあっても、最終的に防衛してしまうのが時の第一人者だ。
広瀬八段には意地を見せてほしいが、どうなるか。第4局はあす8日から。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一日に2回あった臨時収入

2022-11-06 23:51:20 | プライベート
きのうは某所で、ある方の喜寿のお祝いに参加した。
そこでは将棋会があったのだが、途中から賞金つきの大会になった。
そこで私は入賞となり、めでたく賞金をゲットすることができた。
賞金獲得、は久し振りである。大昔、将棋関連で一回ゲットしたことがあるような気もするが、はっきりしない。いずれにしても、めでたいことだった。
そしてきょう、きのう放送の某ラジオ番組をRadikoで聴いたところ、前々週のクイズの正解者に私のラジオネームが呼ばれ、びっくりした。何と賞金1万円である。
同局では、1983年か1984年ごろに「ミスDJリクエストパレード」で1万円が当たったことがある。
今回、抽選に当たったこともありがたいが、永遠のアイドルに私のラジオネームを呼んでもらえた栄誉も大きかった。
私はこの番組を一生聴き続けます。
ということで今回、同日に臨時収入が2件あったわけで、これは我が人生初の「快挙」だった。人生捨てたものではないと、もう少し頑張ってみる気になった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする