4日は竜王戦の本戦トーナメントをネットでチラチラ見たが、読売オンラインの盤面に角が3枚あり、困惑した。こんなバグってある? 読売関係者は猛省してほしい。
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3日は第73期王座戦挑戦者決定戦があった。ひとりは伊藤匠叡王で、藤井聡太竜王・名人の31回のタイトル戦の中で、唯一土を付けた殊勲者である。
いっぽうの羽生善治九段は、2期連続の挑戦者決定戦進出。王座24期の、王座戦の申し子でもある。内訳は19連覇、5連覇で、すでに名誉王座(5期連続など)を4回獲っている計算になる。
名誉王座は60歳から名乗れるが、その際、ただの「名誉王座」では合わない感じである。「名誉永世王座」でもいいと思う。
当日、10時過ぎにABEMAを見たら、すでに中盤戦になっているのに驚いた。どうも9時から対局開始されていたようだ。
そこからしばらくして局面を見たら、先手の羽生玉が、中段に泳ぎ出しているので驚いた。何か別の将棋を解説しているのかと思った。だがこれは当然、さっきの将棋だ。
もうひとつ驚くべきは伊藤叡王の消費時間で、ここまで24分しか使っていない。いや羽生九段も55分で、この局面までその消費時間で進められるということは、これが研究範囲ということだ。
だが、角換わりの将棋は変化が膨大である。こんな入玉模様の将棋まで、両者は研究しているというのか? だとしたら、底知れぬ研究量である。
ただ、言っちゃあなんだが、それはAIのお墨付きがあるからだろう。いわば「AI発」ともいえるわけで、それをこんな終盤まで並べられても、こちらは困惑してしまうのである。私はAIの指し手を見たいのではない。
形勢はわずかに羽生九段がリードしているが、互角の範囲。駒割は飛と桂香の交換で先手がややいいが、後手の駒の配置も効果的なうえ、先手玉の稼働範囲が狭く、一手間違えたら即終了だ。実戦的には、後手が勝ちやすいと思う。
羽生九段は長考が目立つようになってきたが、伊藤叡王はまだ短考で指す。それがなんとも嫌らしい手の連続で、図ったように手が繋がっているのだ。これは後手が勝つ流れだと思った。
以降、伊藤叡王の攻め、羽生九段の受けの展開が続いたが、やはり羽生九段が受けを誤ったようだ。
受けに窮した羽生九段は反撃の攻めに一縷の望みを託したが、一手足りなかったようだ。伊藤叡王が3三に逃げた形が広く、ここで羽生九段が投了した。羽生九段は持ち時間をすべて使い切り、伊藤叡王の消費時間は、たった2時間21分だった。
いや、羽生九段は残念だった。前年に続いての、「あと1勝」での敗退が痛い。羽生九段がタイトルを獲りまくっていたころは、こういう勝負は逃さなかったはずだ。これは加齢によるものなのか、それてもたんに、相手が強かっただけのことなのか。
また次のチャンスを……と言っても、それがいつになるか。仮にタイトル戦に出ても、相手は恐らく、藤井竜王・名人であり、奪取は容易ではない。タイトル100期がこんなに遠いとは……。大変だ。
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3日は第73期王座戦挑戦者決定戦があった。ひとりは伊藤匠叡王で、藤井聡太竜王・名人の31回のタイトル戦の中で、唯一土を付けた殊勲者である。
いっぽうの羽生善治九段は、2期連続の挑戦者決定戦進出。王座24期の、王座戦の申し子でもある。内訳は19連覇、5連覇で、すでに名誉王座(5期連続など)を4回獲っている計算になる。
名誉王座は60歳から名乗れるが、その際、ただの「名誉王座」では合わない感じである。「名誉永世王座」でもいいと思う。
当日、10時過ぎにABEMAを見たら、すでに中盤戦になっているのに驚いた。どうも9時から対局開始されていたようだ。
そこからしばらくして局面を見たら、先手の羽生玉が、中段に泳ぎ出しているので驚いた。何か別の将棋を解説しているのかと思った。だがこれは当然、さっきの将棋だ。
もうひとつ驚くべきは伊藤叡王の消費時間で、ここまで24分しか使っていない。いや羽生九段も55分で、この局面までその消費時間で進められるということは、これが研究範囲ということだ。
だが、角換わりの将棋は変化が膨大である。こんな入玉模様の将棋まで、両者は研究しているというのか? だとしたら、底知れぬ研究量である。
ただ、言っちゃあなんだが、それはAIのお墨付きがあるからだろう。いわば「AI発」ともいえるわけで、それをこんな終盤まで並べられても、こちらは困惑してしまうのである。私はAIの指し手を見たいのではない。
形勢はわずかに羽生九段がリードしているが、互角の範囲。駒割は飛と桂香の交換で先手がややいいが、後手の駒の配置も効果的なうえ、先手玉の稼働範囲が狭く、一手間違えたら即終了だ。実戦的には、後手が勝ちやすいと思う。
羽生九段は長考が目立つようになってきたが、伊藤叡王はまだ短考で指す。それがなんとも嫌らしい手の連続で、図ったように手が繋がっているのだ。これは後手が勝つ流れだと思った。
以降、伊藤叡王の攻め、羽生九段の受けの展開が続いたが、やはり羽生九段が受けを誤ったようだ。
受けに窮した羽生九段は反撃の攻めに一縷の望みを託したが、一手足りなかったようだ。伊藤叡王が3三に逃げた形が広く、ここで羽生九段が投了した。羽生九段は持ち時間をすべて使い切り、伊藤叡王の消費時間は、たった2時間21分だった。
いや、羽生九段は残念だった。前年に続いての、「あと1勝」での敗退が痛い。羽生九段がタイトルを獲りまくっていたころは、こういう勝負は逃さなかったはずだ。これは加齢によるものなのか、それてもたんに、相手が強かっただけのことなのか。
また次のチャンスを……と言っても、それがいつになるか。仮にタイトル戦に出ても、相手は恐らく、藤井竜王・名人であり、奪取は容易ではない。タイトル100期がこんなに遠いとは……。大変だ。