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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2年振りの蕨(後編)

2019-12-16 00:20:29 | 蕨将棋教室

第5図以下の指し手。▲5三歩成△4六飛▲5二と△1七銀▲同桂△同歩成▲同香△同香成▲同玉(第6図)

Tod氏の将棋が終わり、時間の余ったTod氏がW氏と将棋を指し始めた。W氏が実戦を指すのは珍しく、今日はいいものが見られた。
私は▲5三歩成とした。△同金直なら、▲6六角△同角▲5三飛成△同金▲6二飛(参考A図)で技ありだ。しかし上手にも▲5三飛成の瞬間△1七銀があるなど、かなり際どい。

植山七段は△4六飛ときたが、私は目をつぶって▲5二と。自玉は詰めろでないと判断した。
植山七段は△1七銀から清算したが……。

第6図以下の指し手。△2五桂▲2八玉△7七角成▲4二と△同玉▲5一銀△3三玉▲1七歩(第7図)

このあたりで、Ok氏が顔を出した。Ok氏とは将棋ペンクラブや社団戦で何度か会っているが、将棋教室では珍しい。しかしOk氏がどこに住んでいるか知らないが、熱心なことだ。
だがよく聞くと、Tod氏が私へより先に、メールしたらしい。Tod氏はいったい何なのだ。
第6図で植山七段は長考した。出した答えが△2五桂▲2八玉を決めてからの△7七角成で、自玉を拡げるとともに詰めろだ。私は桂を補充される手はまったく見えていなかったので、飛び上がった。
とりあえず▲4二とと金を取り▲5一銀も決めるが、△3三玉に詰みはない。
しょうがないから▲1七歩と詰めろを防いだが、相手玉への詰めろになっていないのが残念だ。だがここでも、植山七段が考え込んでしまった。

第7図以下の指し手。△1六歩▲同歩△同飛(第8図)

W氏は盤を片付け始めた。もう21時は過ぎているが、まだロスタイムはあるだろう。この熱戦が打ち切りになることはないと思った。
私は△1六歩と合わせられるくらいでも負けだと思っていた。然るに植山七段は唸っている。ということは、私が気付かない攻防手があるのだろうか?
植山七段は△1六歩。まあそうであろう。▲同歩△同飛。次の詰めろがほどきにくい。

第8図以下の指し手。▲5七角△4六香(投了図)
まで、86手で植山七段の勝ち。

私は攻防手が見えず、▲5七角とした。だがこれは自分の飛車先を塞いだので、詰めろになっていない。
植山七段は△4六香。ここで私は投了した。W氏が終了してください、と発したのとほぼ同時だった。
だが植山七段は納得がいかない表情だ。

「ここで▲2九金と受けられていたら」
「エッ!?」
第8図から▲2九金(参考B図)と打つ。

なるほどこれは、まだ下手が粘れそうである。それで植山七段は唸っていたのだ。だが私にはまったく見えていなかったからしょうがない。前局は最後の受けばかりを考えていたが、今回は攻めのほうに目がいっていた。まあ、これが私の実力ということだ。
「こっちも△7四銀が働いてないからな……」
と植山七段がつぶやいた。植山七段は遊び駒にウルサイのだ。(追記:読者より、「参考B図から△1七飛成で詰みなのでは?」のコメントがあった。おっしゃる通りで、これで上手勝ち。植山七段ともあろう人が、エアポケットに入ってしまったようだ。私も気付かず、お恥ずかしい限り)
とにかくこれで、今日はオワリである。結局21時30分までいてしまった。
晩飯は、近くの「なか卯」に行った。最近はここがレギュラー食事処のひとつらしい。私は食事済だが、ここで帰るわけにも行くまい。
2階へ上がると誰もいない。「いつもほぼ貸し切り状態だよ」とW氏が言う。確かにこれなら、気兼ねなくおしゃべりできる。
私は牛丼、植山七段はカレーだ。テーブルは2つに分かれたが、植山七段、Tod氏、Ok氏、と私が同じテーブルになったので、4対2になってしまった。
植山七段はカレーのルーとライスを徹底的に混ぜ、食す。ちょっと珍しい食べ方だ。
食後は雑談になったが、私は状況が状況なので、心から楽しめない。
「このたびは中井先生、女流王位リーグ入りおめでとうございます」
「そうなの?」
「……」
植山七段は相方の成績にあまり関心がないようだ。
Yos氏が、明日が早いので、と帰る。それなら私たちも……となるところだが、ほかに客がいないのをいいことに、私たちはまだおしゃべりを続けてしまう。
植山七段は佐藤康光九段の才能を高く評価した。そういえばOg氏も佐藤九段を評価していた。きっと、プロ筋にしか見えないチカラがあるのだろう。
「最近私も強くなった気がしますよ。ワハハハ」
植山七段は上機嫌で、何よりである。
W氏がTod氏に「ここで将棋を指せば?」と言う。さっきW氏が、あとで将棋を指せると言っていたのは、ここなか卯でだったのか?
まあさすがに将棋は無理である。さすがに散会となった。
店の前で、やっと飯野愛女流初段の結婚の話になる。相手が一般人と聞いて植山七段は意外そうだった。まあ、男女の仲は分からないものだ。私が言うのも説得力はないが。
Tod氏、Ok氏と駅まで行く。Ok氏はここ蕨在住で、そのために教室に寄ったらしかった。
久しぶりに植山七段に将棋を教えていただき、楽しかった。また機会があったら参加したい。
コメント (2)
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