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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ関東交流会2017(前編)

2017-06-01 00:07:25 | 将棋ペンクラブ
5月21日(日)は東京・将棋会館で「将棋ペンクラブ関東交流会」があった。今年は日曜日の開催で、これは珍しい。また夕方からは銀座でLPSAの設立10周年記念パーティーがあり、私はそれに出席することになっていた。ということで、私はスーツ着用であった。
千駄ヶ谷駅で下車し鳩森八幡神社を抜け、将棋会館に入る。現在10時37分。交流会は午前10時からだが、いつ入ってもいいし、いつ帰ってもいいのがペンクラブである。
4階の大広間に入室すると、客は十数人しかいなかった。昨年は100人余りの客であふれ大変なことになったが、今年はずいぶん出足が鈍い。
受付には幹事の面々がいて、昨年9月以来の対面である。
「今、大沢さんの話をしていたんですよ」
と犬塚氏。どうせロクな話じゃなかったんだろうが、話題に上るのはありがたいことである。
会員料金3,000円を払ってまずは自由対局だが、手スキの人がいない。現在は、幹事のM氏が対局中。大野教室メンバーからはOk氏が参戦していた。今年の指導棋士は上野裕和五段と井道千尋女流初段だが、いずれも埋まっていた。
「今年はずいぶん人が少ないですね」
とA氏に言ってみる。
「今年は日曜日だから、帰りの足が確保できない人は、来るのを控えたんじゃないですかね」
なるほどそれは一理ある。が、それにしても…である。
しばらく待っていたら、湯川恵子さんが対局を申し出てくれた。A氏「伝統の一戦ですね」。
恵子さんはアマ女流名人5期の強豪だが、恵子さんは「玉」を取ったうえに、先に指してしまった。
▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩。てっきり飛車を振るのかと思ったら、恵子さんは▲4八銀と居飛車の表示である。そこから雁木に組んで、右四間飛車。それで思い出したのだが、恵子さんは最近この作戦を得意にしていたのだ。
私はまんまと作戦にハマり、早くも劣勢に陥ってしまった。そこで恵子さんに早い寄せがあったのだが見送ってくれ、私は命からがら逃げ出し、小康を得る。
そこで私にも勝つ筋が生じたと思うのだが、見つけられなかった。

第1図から△4八飛▲5八金△7八金▲6七玉まで、私の投了。最後は正確に指されて、貫禄を見せつけられた。
恵子さんは現在も女流名人戦の観戦記で健筆をふるっている。そちらの方も楽しみにしたい。

2局目は「近代将棋」元編集長、中野隆義氏と。私の先手で相掛かり模様に進むが、△8六同飛に▲3四飛は相手の研究範囲と見て、私は▲2六飛と引く。以下、私のひねり飛車に進んだ。
中野氏は巧妙な手順で左美濃を構築し、私は▲7八金を▲6八金と寄せる。しかしこれがマズかった。

第1図以下の指し手。△7四歩▲5八金左△7五歩▲同角△7二飛▲2三歩△同玉▲4二角成△7六飛▲4三馬△同銀(第2図)

△7四歩に▲同歩は△9七角成▲同香△7九角で後手有利。よって私は▲5八金左と寄ったが、今度は△7五歩以下△7二飛と寄られ、私の飛車角が身動きできない。
▲2三歩以下は最善の粘りだが、やはり駒損は免れない。ただ、▲4三馬ではまだしも▲4一馬だった。

第2図以下の指し手。▲7八歩△3二金▲8二歩△7三桂▲8一歩成△5三銀(途中図)

▲9一と△4二銀▲3五歩(第3図)

▲7八歩と打つところでは半ば戦意を喪失していた。
が、△5三銀がチャンスボールで、私はここで▲6七金と飛車に当てる手があった。これにA△8六飛なら▲7五角。B△7四飛なら▲8三角△7五飛▲6六金だ。先手は飛車を持てば▲5一飛があり、手に困らない。
本譜はのんびり香を取ったので、△4二銀と引かれてチャンスは去った。
ところが…。

第3図以下の指し手。△7七飛成▲同歩△3六桂▲2七玉△2八飛▲3六玉△2五飛成▲3七玉△2六角▲2八玉△1七角成(第4図)

第3図で△8六飛ぐらいでも私が負けだったが、中野氏は△7七飛成! トン死か!?
▲同歩△3六桂からほぼ必然の手順を経て、△1七角成。まったく生きた心地がしなかった。

第4図以下の指し手。▲1七同玉△1六歩▲1八玉△1七歩成▲同桂△同香成▲同玉△1六歩▲1八玉△2六桂▲2七玉△3八桂成▲同玉△1七歩成▲2九香△2七銀▲4八玉△6五桂▲1一飛△1八歩▲1五桂(投了図)
まで、一公の勝ち。

第4図では▲1七同玉と取るよりないが、以下▲1七同桂まで進んでみると、どうも先手が残していそうだ。
中野氏はなおも△同香成以下迫ったが、私は▲4八玉まで逃げのびて、勝勢となった。
△2六桂ではまだしも△1五竜で、以下▲2八玉△1七歩成▲3七玉△2七と進めばまだ難しかったが、流れからしてこうはなるまい。
本譜は▲1五桂まで、中野氏が投了した。が、この局面でも△3三玉でまだ先は長い。ならば私の▲1五桂が疑問で、ここは▲2一飛成で明快な勝ちだった。本譜は中野氏が戦意を喪失されたようである。もっともその気持ちは、よく分かる。
中野氏には「交流試合では勝とうとしない」という都市伝説があり、私も何度か緩めてもらっている。今回もその伝説どおりになった。

先ほど、Kun氏が来た。スーツ姿なので、やはり夕方から銀座に向かうのだろう。
3局目はNi氏五段との対戦。昨年もこの場で当たり、この時は私の急戦矢倉が決まって快勝していた。だがあまりにもうまく行き過ぎたので、今年は却って作戦に困った。
私は「三段」で登録していたが、振り駒にしてもらい、私の先手になった。
▲7六歩△8四歩から、私は四間飛車に振る。Ni氏は△5三銀左から急戦の構えだ。
隣で対局していたOhh氏が、「大沢さん、(いつも)飛車を振りました?」と聞く。
私は「居飛車に疲れた時、たまに指します」と返した。
(つづく)
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