きのう27日(水)は、東京都千代田区・パレスサイドビルで行われた、「第6期マイナビ女子オープン・予選一斉対局公開抽選会」に行った。
…と書くと簡単だが、そこに至るまではさまざまな葛藤があった。
その前に、この公開抽選会が始まったのは3年前の第3期から。第1回は千駄ヶ谷の将棋会館内で行われた。このときは先着順だった。当時私は植山悦行七段、W氏と会館近くで昼食を摂り、余裕で抽選会場に入った。
ところがこれがギリギリで、私のもらった整理番号は48番、つまり最後だったと記憶する。私の後ろには、10人ほどあぶれた人がいた。
抽選会が始まり、整理番号をもらった客がその順番に、クジにあたる色紙を引いた。そしてそれを揮毫していた女流棋士が、そのままトーナメントの枠に入った。現在は先着順ではないが、その抽選方法は現在まで変わっていない。
私はといえば、残った1枚を引き、野田澤彩乃女流1級の色紙をいただいた。
翌第4期は土曜日の開催だったこともあり、抽選参加者は140人前後。色紙ゲットの確率は3分の1にまで小さくなった。
このとき私は終盤で抽選に当たり、中倉彰子女流初段、中村桃子女流1級、室谷由紀女流3級(当時)の中から色紙を引くという幸運に恵まれた。
私は中村女流1級の色紙を引き、当時はこれが当たりと満足していたのだが、中村女流1級が翌年結婚、室谷女流3級が歴代女流棋士最高の人気棋士になってみると、この色紙は「次善手」だったと言わざるを得ない。
その後、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」で、室谷女流初段が上位に定着したのは、このブログの読者ならご存知であろう。
その翌年の第5期、つまり昨年は、抽選日がゴールデンウィーク中ならび「将棋ペンクラブ大賞第一次選考会」と重なり、私は選考会の出席を優先した。これは当然の選択だったので、悔いはない。
ところがその後、私のブログ内容が女流棋士の品位を貶める、との抗議が某所から届き、私はこの会社と縁を切った。
しかし今回の抽選会では、女流棋士会から室谷女流初段が出席するという。
関東の将棋ファンが、室谷女流初段に会う機会は限られている。しかし先月末、室谷女流初段が登板した「女流棋士スーパーサロン」は予約が取れず、今月10日(日)に行われた駒桜イベントは、私が「中井広恵と行く稚内ツアー」に同行したため、これも不参加にせざるを得なかった。
しかし困った。男がいったん決めたことだから、意地でも竹橋には行きたくないが、「ナマ室谷」も堪能したいところである。
27日、午後からも仕事を始めた私だったが、どうにも手につかない。抽選会は4時半からだが、女流棋士会「駒桜」も、LPSA「Minerva」も、1時から同所でイベントを行っている。こちらも一見の価値ありだ。
もう我慢できない。私は意地とプライドを捨てて、パレスサイドビルに向かったのだった。
東京メトロ東西線・竹橋駅で下車して、パレスサイドビルの9階に昇る。
しかしそれらのイベントは、どこもやっていない。
私はスマホで確認すると、それは2階だった。大慌てで2階に降り、抽選会場に入ったのは2時55分だった。
ドアを開けた左には、渡部愛アマがいた。LPSAでは「ツアー女子プロ」の肩書だが、この場ではアマチュアの括りである。
向かって左側がLPSAの持ち場らしい。辺りを見渡すと、石橋幸緒女流四段、藤森奈津子女流四段、中井広恵女流六段、中倉彰子女流初段、中倉宏美女流二段、島井咲緒里女流二段がいた。
皆さんに会うのは久しぶりだ。中井女流六段、愛ちゃん以外は、昨年の夏~秋以来だ。
彰子女流初段、島井ちゃんらは特に、「あらあ…」という感じで、にっこりと会釈してくれた。もっともこれは、営業スマイルである。
ジョナ研メンバーでは、Fuj氏が島井ちゃんに指導対局を受けていた。将棋バカのFuj氏、当然の出席であった。
「Minerva」では、ここで次期の更新をすると、本イベントでの指導対局が一局無料となる。私のそれは8月までだから、絶好の更新の機会だが、会費の5,000円も安くはない。さらに書けば、最近私はLPSAから縁遠くなっていて、Minervaに入っているメリットもないのだ。
更新を迷っていると、藤森女流四段が、「詰将棋トライアル」に誘ってくれた。問題は1手詰から7手詰まで10題。「▲△」の符号は付けなくてよい、駒の略字可、「まで○手詰」は省略可、のルールだ。
島井ちゃんが振り向いて、改めて私に会釈する。かわいい…!! 島井スマイルは、結婚してからさらに磨きがかかったようである。最近芝浦サロンにご無沙汰しているが、「チョコレート勝負」の続きを指しに行かなければならないと思う。
さて、詰将棋スタート!!
「略字」はしなかったが、その他はルールに則って全問を解いた。タイム3分23秒! しかし愛ちゃんが3分15秒だから優勝はならず。次点は中井女流六段で3分33秒だったから私が2位だが、答え合わせで符号の書き間違いが発覚し、減点となった。仮に10秒加算のペナルティなら中井女流六段と仲良く同タイムだが、まあ、これは遊びである。順位に関係なく、石橋女流四段から記念品をいただいた。
彰子女流初段が私を見て、ニッコリ笑う。ブラウンのポーチを手にしている。先日発売された「将棋ショコラ」で、指導対局の盤と駒にも、それが使われていた。彰子先生…!! と、ふらふらと買いそうになるが、すんでのところで思い留まる。彰子女流初段は人妻である。ここで散財しても、私にメリットはない。
隣の宏美女流二段は指導対局に専念している。いま宏美女流二段は私のブログを読んでいないが、もし読んでいるとすると、先日の「相横歩取り」のエントリは、宏美女流二段にとって不愉快なものだったに違いない。
しかし当事者の反応を気にして書いていたら、ブログに何も書けない。
3時3分を過ぎた。前方のステージには、矢内理絵子女流四段、千葉涼子女流四段、山田久美女流三段が登壇していた。「女流棋士への質問コーナー」が始まったらしい。
最前列に座ったTさんが、地方から東京へ出てくるときの交通費はどうなのか、聞く。
Tさん来てたのか、とうれしくなり、私は客席に座った。LPSA女流棋士の視線が冷たい気がするが、気にしない。
さらに対局中の食事や、NHK杯将棋トーナメントのウラ話、女流棋戦の記録係は誰が務めるか、そして加藤一二三伝説と、話題は多岐にわたった。お3人は、NHK杯の司会経験者である。よく弁も立ち、質問コーナーというより、トークショーの趣だった。
ここからは、手すきの女流棋士がリレーで呼ばれる。前に立った女流棋士に、観客が質問をする。
藤田綾女流初段には、先日のNHK杯での、佐藤紳哉六段のアタマについて。
高群佐知子女流三段には、結婚しても名字を変えなかった理由。
中村真梨花女流二段には、どうやってそこまで痩せたのか。
お3人は、真摯でありながら、面白おかしく答えてくれた。まったく女流棋士会は、人材が豊富だ。
そして3時33分、ついに室谷女流初段が呼ばれた。
考えてみたら、私はこの場に入ってから、室谷女流初段はもちろん、「駒桜」ブースを、一度も目にしていなかった。
室谷女流初段は、どんないでたちなのだろう。私は平静を装って、彼女の登場を待った。
(30日につづく)
…と書くと簡単だが、そこに至るまではさまざまな葛藤があった。
その前に、この公開抽選会が始まったのは3年前の第3期から。第1回は千駄ヶ谷の将棋会館内で行われた。このときは先着順だった。当時私は植山悦行七段、W氏と会館近くで昼食を摂り、余裕で抽選会場に入った。
ところがこれがギリギリで、私のもらった整理番号は48番、つまり最後だったと記憶する。私の後ろには、10人ほどあぶれた人がいた。
抽選会が始まり、整理番号をもらった客がその順番に、クジにあたる色紙を引いた。そしてそれを揮毫していた女流棋士が、そのままトーナメントの枠に入った。現在は先着順ではないが、その抽選方法は現在まで変わっていない。
私はといえば、残った1枚を引き、野田澤彩乃女流1級の色紙をいただいた。
翌第4期は土曜日の開催だったこともあり、抽選参加者は140人前後。色紙ゲットの確率は3分の1にまで小さくなった。
このとき私は終盤で抽選に当たり、中倉彰子女流初段、中村桃子女流1級、室谷由紀女流3級(当時)の中から色紙を引くという幸運に恵まれた。
私は中村女流1級の色紙を引き、当時はこれが当たりと満足していたのだが、中村女流1級が翌年結婚、室谷女流3級が歴代女流棋士最高の人気棋士になってみると、この色紙は「次善手」だったと言わざるを得ない。
その後、「私が勝手に選ぶ女流棋士ファンランキング」で、室谷女流初段が上位に定着したのは、このブログの読者ならご存知であろう。
その翌年の第5期、つまり昨年は、抽選日がゴールデンウィーク中ならび「将棋ペンクラブ大賞第一次選考会」と重なり、私は選考会の出席を優先した。これは当然の選択だったので、悔いはない。
ところがその後、私のブログ内容が女流棋士の品位を貶める、との抗議が某所から届き、私はこの会社と縁を切った。
しかし今回の抽選会では、女流棋士会から室谷女流初段が出席するという。
関東の将棋ファンが、室谷女流初段に会う機会は限られている。しかし先月末、室谷女流初段が登板した「女流棋士スーパーサロン」は予約が取れず、今月10日(日)に行われた駒桜イベントは、私が「中井広恵と行く稚内ツアー」に同行したため、これも不参加にせざるを得なかった。
しかし困った。男がいったん決めたことだから、意地でも竹橋には行きたくないが、「ナマ室谷」も堪能したいところである。
27日、午後からも仕事を始めた私だったが、どうにも手につかない。抽選会は4時半からだが、女流棋士会「駒桜」も、LPSA「Minerva」も、1時から同所でイベントを行っている。こちらも一見の価値ありだ。
もう我慢できない。私は意地とプライドを捨てて、パレスサイドビルに向かったのだった。
東京メトロ東西線・竹橋駅で下車して、パレスサイドビルの9階に昇る。
しかしそれらのイベントは、どこもやっていない。
私はスマホで確認すると、それは2階だった。大慌てで2階に降り、抽選会場に入ったのは2時55分だった。
ドアを開けた左には、渡部愛アマがいた。LPSAでは「ツアー女子プロ」の肩書だが、この場ではアマチュアの括りである。
向かって左側がLPSAの持ち場らしい。辺りを見渡すと、石橋幸緒女流四段、藤森奈津子女流四段、中井広恵女流六段、中倉彰子女流初段、中倉宏美女流二段、島井咲緒里女流二段がいた。
皆さんに会うのは久しぶりだ。中井女流六段、愛ちゃん以外は、昨年の夏~秋以来だ。
彰子女流初段、島井ちゃんらは特に、「あらあ…」という感じで、にっこりと会釈してくれた。もっともこれは、営業スマイルである。
ジョナ研メンバーでは、Fuj氏が島井ちゃんに指導対局を受けていた。将棋バカのFuj氏、当然の出席であった。
「Minerva」では、ここで次期の更新をすると、本イベントでの指導対局が一局無料となる。私のそれは8月までだから、絶好の更新の機会だが、会費の5,000円も安くはない。さらに書けば、最近私はLPSAから縁遠くなっていて、Minervaに入っているメリットもないのだ。
更新を迷っていると、藤森女流四段が、「詰将棋トライアル」に誘ってくれた。問題は1手詰から7手詰まで10題。「▲△」の符号は付けなくてよい、駒の略字可、「まで○手詰」は省略可、のルールだ。
島井ちゃんが振り向いて、改めて私に会釈する。かわいい…!! 島井スマイルは、結婚してからさらに磨きがかかったようである。最近芝浦サロンにご無沙汰しているが、「チョコレート勝負」の続きを指しに行かなければならないと思う。
さて、詰将棋スタート!!
「略字」はしなかったが、その他はルールに則って全問を解いた。タイム3分23秒! しかし愛ちゃんが3分15秒だから優勝はならず。次点は中井女流六段で3分33秒だったから私が2位だが、答え合わせで符号の書き間違いが発覚し、減点となった。仮に10秒加算のペナルティなら中井女流六段と仲良く同タイムだが、まあ、これは遊びである。順位に関係なく、石橋女流四段から記念品をいただいた。
彰子女流初段が私を見て、ニッコリ笑う。ブラウンのポーチを手にしている。先日発売された「将棋ショコラ」で、指導対局の盤と駒にも、それが使われていた。彰子先生…!! と、ふらふらと買いそうになるが、すんでのところで思い留まる。彰子女流初段は人妻である。ここで散財しても、私にメリットはない。
隣の宏美女流二段は指導対局に専念している。いま宏美女流二段は私のブログを読んでいないが、もし読んでいるとすると、先日の「相横歩取り」のエントリは、宏美女流二段にとって不愉快なものだったに違いない。
しかし当事者の反応を気にして書いていたら、ブログに何も書けない。
3時3分を過ぎた。前方のステージには、矢内理絵子女流四段、千葉涼子女流四段、山田久美女流三段が登壇していた。「女流棋士への質問コーナー」が始まったらしい。
最前列に座ったTさんが、地方から東京へ出てくるときの交通費はどうなのか、聞く。
Tさん来てたのか、とうれしくなり、私は客席に座った。LPSA女流棋士の視線が冷たい気がするが、気にしない。
さらに対局中の食事や、NHK杯将棋トーナメントのウラ話、女流棋戦の記録係は誰が務めるか、そして加藤一二三伝説と、話題は多岐にわたった。お3人は、NHK杯の司会経験者である。よく弁も立ち、質問コーナーというより、トークショーの趣だった。
ここからは、手すきの女流棋士がリレーで呼ばれる。前に立った女流棋士に、観客が質問をする。
藤田綾女流初段には、先日のNHK杯での、佐藤紳哉六段のアタマについて。
高群佐知子女流三段には、結婚しても名字を変えなかった理由。
中村真梨花女流二段には、どうやってそこまで痩せたのか。
お3人は、真摯でありながら、面白おかしく答えてくれた。まったく女流棋士会は、人材が豊富だ。
そして3時33分、ついに室谷女流初段が呼ばれた。
考えてみたら、私はこの場に入ってから、室谷女流初段はもちろん、「駒桜」ブースを、一度も目にしていなかった。
室谷女流初段は、どんないでたちなのだろう。私は平静を装って、彼女の登場を待った。
(30日につづく)