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一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2024年九州旅行・3

2025-02-01 22:52:34 | 旅行記・九州編
私は昨年当てられなかったから、2年ぶりのご指名となる。
マスターはポータブル音楽プレイヤーを取り出した。これはカードを使った、いつもの「あれ」である。私はおのが視力の低下がバレなくてホッとしたわけだがマスターのこと、そのくらいはお見通しだったかもしれない。
それに、あらゆるネタを鑑賞している私にマジックを掛けても、面白くないという事情もあったと思う。
マスターはスコップを出すと、それを私にくれ、いつもの指示を出した。そして「あれ? 緊張してますね」と、例の金鳥のパッケージを取り出し、クシャクシャにした。「キンチョウをほぐす」。もう、当読者にはおなじみのギャグである。
ウルトラセブンのイントロが流れ、私はマスターの掛け声の合間に、「スコップ!」と叫ぶ。だが3回目に、「声が小さいですね」とやり直しを命じられた。これは、マスターに何かの手違いが起こったのだろう。そしてたぶんこの小ミスは、マスターと私しか気づいていない。
マスターは、やり直しの「スコップ」に合わせ、4枚のカードをカウンターに置いた。やがてウルトラセブンの歌が始まると、「セブン、セブン、セブン」に合わせ。めでたく4枚の「7」を出した。
私がほっとしたのは言うまでもない。
その後もいくつものマジックが披露され、マスターが再び、千円札を所望した。ところが誰も出さない。そこで私が遠慮がちに、旧千円札を出した。
マスターが「お札のナンバーは覚えてますか?」と問うたが、さすがに覚えなかった。そこでカウンターの女性が読み上げ、例の生卵のマジックとなった。
その生卵を割ると、私の千円札がワープしていて、みんなびっくりした。私はこうなることが分かっているのに、驚く。いったいどういう仕掛けになっているのかと思う。
おなじみ、ルービックキューブのマジックとなる。これも目を瞠るものばかりなのだが、一例を挙げると、2つのルービックキューブがあり、片方は色がバラバラである。マスターはそれを一瞥すると、もうひとつのルービックキューブを「見ないで」カチャカチャやり、そちらと同じ配色にしてしまうのだ。
マジックも終盤になり、再びコインマジックである。マスターが100円玉をボールペンで貫通させてしまう。さらにその100円玉を3つに割って、元に戻す。
私が出した5円玉には、輪ゴムを通す。これ、5円玉と輪ゴムが鎖状で繋がるということである。
さっきの私の千円札の代わりに、マスターが新たな千円札を出し、これにマスターが50円玉を通し、「1050円」とかやった。
さらにボールペンを千円札に貫通させ、それを上下する。しかし千円札に穴は開いていない。後方の男性は「げえぇっ……!!」と驚きを隠せない。まあ、そういう反応になるであろう。
さらにマスターは、千円札に指で穴を開けた。これは初めて見るパターンで、マスターが指を抜くと、お札は元に戻った。
楽しかったマジックも最終盤である。最後はみなにルービックキューブが配られ、例の24面の木箱に組み込むと、マリオの絵が出来上がっているのであった。
「ではみなさん、お名残り惜しいですが、ここまで。また会いたくなったらお呼びしますから」
マスターは言い、お開きとなった。あんでるせんは人気なので電話が繋がりにくく、予約も取りにくい。その難関をくぐりぬけて参加できたということは、マスターの意思による、ということらしい。それにしては、私は26年連続で参加できているのだが。
時に17時35分。実に3時間50分の長丁場で、マジックネタは優に100を越えただろう。これで1,000円は安すぎる。
カウンターにはぐにゃぐにゃに曲がったスプーンとフォークが出されている。1本300円で、みなそれを求めて列を作っている。このシステムができて、10年くらいになるだろうか。私は今年も1本求める。それと、前に出した千円札を返してもらう意味もあった。
マスターは千円札に何も書かず、そのまま返してくれた。前にいた男性には「あなたは社長業が合いますよ」と言ったが、私にはとくに言葉はなかった。25年前からここに来ていながら、その体たらくは何ですか、というところなのだろう。
確かにそうで、この堕落ぶりは我ながら情けない。マスターにはハグをしてもらったが、何となく虚しく、私はしんみりとあんでるせんを後にした。
川棚駅に入り、さてこのあとをどうするか。早岐方面の大村線には乗るとして、そのあとどこの快活Clubに行くか、だ。
佐世保店に行きたいのはヤマヤマだが、ナイトパックが設定されてないのが気に食わない。とすれば次の候補は、佐世保に近い大塔店か、福岡県の久留米店である。
きょうのうちに久留米まで行ければデカイが、最寄りの「久留米高校前駅」とは何ぞや。こんなJRの駅があったか? いやバス停なのか?
なんだかよく分からず、大塔店に行くことにした。
18時ちょうどの列車に乗る。最初は立って行ったが、そこであらためて車内の路線図を見ると、大塔は早岐の先、すなわち私の利用経路からは外れていた。つまり、下車するときにはみ出し料金を払わねばならないということだ。
大塔店は、早岐から1つ先の大塔と、2つ先の日宇の中間にある。はみ出し料金はそれぞれ170円と210円なので、大塔で降りるのが合理的だが、日宇の駅前には寿司屋があり、惹かれる。それで、日宇まで足を伸ばした。
ところが、肝心の寿司屋は休み。わざわざ訪ねたのに、こんなものである。
ここから大塔店に向かうが、高架の国道と一般道の下道がある。高架は怖いので下道を行ったが、これがマズかった。どうも道が逸れたみたいで、近所の新聞販売店に場所を聞いて軌道修正。再び国道に戻った。
ラーメン屋があったが、大塔店を確認しないと、落ち着いて食事もできない。
けっこう歩いたが、やっと大塔店があった。ビルの一角に入居していて、1階にはうどん屋があった。もう安心したので、そこのうどん屋に入った。
お店一押しの肉肉うどんを食す。つゆは甘めで、脂がギラギラしている。うどんは太目で美味い。肉は、肉肉という割にはちょっと少なかった。これで860円は、微妙なところだった。会計のときも、なぜレシートをくれなかったのか、疑問が残った。
大塔店に入店する。鍵なしのリーズナブルなブースが取れた。
一段落するとPCを点け、いかがわしいビデオに代えてみる。鑑賞するのはもちろん、愛弓りょうである。相変わらず新作を出しているが、私が見たいものはなかった。
もう、私の見ていないビデオはないのか?
そのとき、起死回生の妙手が閃いた。
(つづく)
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2024年九州旅行・2

2025-01-31 22:05:05 | 旅行記・九州編
あんでるせんに行く前に、まずは旅行貯金である。今回は平日の旅行だから、できるのだ。駅前に川棚郵便局があり、入る。ここは何回か貯金したことがあり、同じ郵便局には原則的に入らないのだが、ほかに郵便局がない場合は、その限りではない。
1,218円を貯金すると、窓口のおばちゃんがティッシュをくれつつ、「カレンダーは要りますか?」と問うた。もちろん「はい」と答えると、おばちゃんがけっこう立派な中綴じカレンダーを2部くれた。
しかし私は年賀ハガキや切手の類を買ったわけではない。貯金はしたが、それは私のおカネである。郵便局に儲けはないのに、ここまでサービスをしてくれるのか? 私は恐縮してしまった。
まだ30分以上あるので、「まゆみ」に入る。コロナ禍が終わってもあんでるせんは軽食を再開しなかったので、いまやここでの昼食が定跡になっている。
今年は「サバ揚げ煮定食」を注文した。安定の美味さで、850円はお値打ちだった。
川棚バスセンター待合室のトイレを拝借し、しばらく経つと入場の時間となった。きょうも客が表で列を作っており、満員御礼というところ。
私はいちばん最後に入ったが、2階の店舗は客がひしめいており、私は名前も言えなかった。
しばらくすると奥さん?から、「大沢君、こっち」と呼ばれた。あんでるせんに通って26年、さすがに顔と名前は憶えてもらったらしい。
私の番号は「11」でけっこう早いが、ここはカウンター席の6~7人が最良で、あとはどうでもよい。ただ、2列目までは紙幣や硬貨を出せる利点がある。もちろん私もポケットに紙幣や硬貨をしのばせている。ただ、積極的には出さないつもりだ。
とりあえず席に座り入場料1,000円を払い、お冷やを飲む。壁にはチェキ写真が大量に貼られており、その大半が芸能人だ。将棋関係者もひとりいるはずだが、いまも貼られているかどうかは確認しない。
感心するのは、これだけ芸能界にあんでるせんが浸透していながら、その話題がネット上にはほとんど上らないことだ。
むろん、その筋のサイトを開けば載っているのだろうが、ふつうに生活するぶんには、目に入らない。たぶん芸能人も積極的には発信していないはずで、この秘匿性が、あんでるせんを聖地にしているのだ。
ひと休みすると、もうマジックの時間である。私は2列目のいちばん左となった。ここが私の位位置で、何度もここになっている。
今回も女性が多く、具体的に書くと、

   マスター
――――――――――
女女女女女男男
私男男男女女女男
女女女女女女男男女
    男

だ。1列目はカウンターに座り、2列目は立つ。3列目は長椅子の上に立ち、最後尾はテーブルの上に立つ。以上、総勢25名。満員は33人だから、平日とはいえ、少ない。大むかしは1日3公演だったから、むしろ1日の客は少なくなっている計算だ。それでいてマジックの時間は、むかしよりはるかに多くなった。ただし食事は提供しないから、店の利益率は高くなっている。差し引きの損得勘定は、よく分からない。
13時45分、マスターが登場した。丹波義隆似のマスターは、コロナ禍後でも黒いマスクをしているが、いまだに若い。奥さん?もそうだが、初見から25年経っているのに、風貌が変わっていないのは驚異だ。
対して私は年々老い、この1年はとくに頭髪が抜け、大惨事になっている。加えて視力の衰えもひどく、私が当てられて「このカードを憶えてください」と聞かれても、見える自信がない。
マスターは指環を所望する。これがオープニングの定番だが、客も定跡を知っているので、多くの指環が出される。6つ出ただろうか。
マスターは金魚鉢からプラスチックの球体をばらまく。これらの中に指輪が入っているかを確認するのだが、それがちょっと長ったらしかった。
ただ、ここを終えてからはマジックがスムーズに進む。マスターがお札を所望した。私はすぐにでも出せるのだが、初めて来た人が出すべきだろう。千円札はどこからか出て、壱万円札は、私の後方の女性が出した。
硬貨も所望された。私も一通り持っていたが、2枚目の5円玉は誰も出さないので、遠慮気味に出した。
マスターは千円札を指の上で斜めに立てた。そしてそれを丸めると、中空に浮かせた。さらに「ハウス!」と叫ぶと、その千円札がマスターの肩に乗っかる。私は26回目の鑑賞だが、それでも驚く。初見の彼女らは、それ以上である。
壱万円札はマスターがサインをして、持ち主に返した。マスターのサインはたいへんな価値がある。いい記念になったと思うが、一万円はけっこうな出費である。
マスターは100円玉をぐにゃっと半分に曲げる。大変な歓声がわき、マスターはそれを持ち主に返した。
ちなみに私は、歪んだ500円玉2枚と折れ曲がった50円玉を1枚持っているが、500円玉のほうは、ヒトに見せているうちに、1枚紛失してしまった……。
「まだ入口ですよ」とマスター。今回が初参加のひとたちを羨ましく思う。これから驚きの連続を体験できるからだ。私はそうした新鮮な驚きが得られない。
今回も人数分のカードが用意され、それを3番の女性が引く。私は昨年、初めて引かれなかった。今年は引かれればよいが、前述の通り、私の位置からカウンター方向を見るマジックの場合は、よくない。
マジックがいくつか終わると、マスターが「カズキミさん」とフイに呼んだ。これもよくあるパターンである。
「はい」と返事をすると、ほかの客が驚く。なんでマスターがあなたの名前を知ってるんだ? マスターはあなたの心を読んだのか? ということだ。
「カズキミ顔してますもんね。東京から来ましたか?」
「はい」
来た場所も分かるのかと、客がさらに驚く。
当然マスターは、予約時に名前を名乗らなかった人も、ズバリ名前を当てられる。ただ私自身は、ここが26回目なので、そこまで驚かない。
マスターはESPカードでいろいろやったあと、トランプのマジックに代えた。カードマジックは、一般のマジシャンのそれと似ているので驚かないが、それでも客の反応はよい。
私はいつものことだが、客が驚く反応を見て笑う立場だ。そう、私が心からゲラゲラ笑うのは年に1回、このときだけなのだ。それだけ、ふだんの生活がつまらないということだ。
3番の女性がカードを引く。「11」が出て、私が当たった。私は何を指示されるのか?
(つづく)
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2024年九州旅行・1

2025-01-30 22:30:26 | 旅行記・九州編
2024年も、「あんでるせん」に行く季節がやってきた。今回は土日に行けそうもないので、記念日の12月18日(水)を第一候補とした。あんでるせんの予約開始日は2ヶ月前の1日からなので、10月1日となる。
当日は当然繋がらなかったが、幸運にも3日に繋がった。これはかなり異例である。
例の女性に、12月18日をお願いすると、取ることができた。平日でも断られる場合があるので、これは運がよかったというべきだろう。
現在の私は、土日はアレだが、平日は簡単に休める環境にある。せっかくの九州行きなので3日間は欲しい。あんでるせんを中日にした2023年は前後の行程に苦心したので、12月18日を初日にあて、20日(金)まで滞在することにした。
残るは飛行機である。現在私はANAのマイレージにいくらかマイルが残っているが、往復分は取れない。むろん片道でも行けることは知っていたが、半分のマイルにいくらか足すものと思っていた。
ところが2023年、往復の真半分のマイル数で行けることが分かり、私は7000マイル(閑散期換算)を使い、長崎までの片道券をゲットした。まったく……と思う。いままで3年の有効期間が切れそうになると、ANAコインに替えていたが、こんな面倒をせずとも、とっとと片道乗車券に換えてしまえばよかったのだ。先日の国民健康保険ではないが、無知は損をするのである。
残る問題は復路をどこにするかだが、これが難しい。例年なら福岡空港だが、博多駅や天神のクリスマスマーケットを見るのは、さすがに飽きた。
また、南九州は2023年に回ったので、鹿児島空港や宮崎空港も躊躇する。
そうこうするうち時が経ち、安い空路も数が少なくなってきた。
そういえば門司港駅は改修工事が終了し、もう公開されている。あれを鑑賞しようと思った。そこで11月28日、北九州空港発のスターフライヤーを予約し、完了(16,970円)。これで、26年連続26回目のあんでるせん訪問が決まった。

時が経ち12月18日である。午前6時過ぎに起き、身支度を整える。家を出て、最寄り駅を06時50分に出発し、浜松町には07時08分に着いた。そのままモノレールに乗り換え、07時37分、羽田空港第2ターミナルビルに着いた。
あんでるせんに臨むには、紙幣と硬貨の全種類の携帯が望ましい。が、今年はお札が新旧入り乱れている。旧五千円札がなかったので、チャージ所で壱万円札を使ったが、おつりの中に旧五千円札はなかった。まあ、これはこれで仕方ない。
ANAの手荷物検査場はまた進化していて、以前にトレーが大型になったが、現在はそのトレーを滑らせなくてもよくなった。
私はゲートをくぐり何事もなかったが、リュックサックが向こうのレーンを通ってくる。係氏が、リュックの中に、長い刃物状のものがあるという。
私にはまったく心当たりがないが、小ポケットから安全カミソリを出したら、違うという。そこでなおも調べると、リュックの底から、脂紙に包まれた、カッターの替え刃が出てきた。
「これを持っては入れませんよ。出発時間はいつです?」
保安検査員は、面倒くさそうな口調で聞いてくる。
「あ、じゃあいいです。置いていきます」
この替え刃は、2017年に工場を閉めたとき、何かの拍子で、リュックサックに入れたものであろう。それが長い年月を通じて、底に沈んだというわけだ。
ただ私はモノに執着があるほうで、たとえ替え刃でも、自分の意思では捨てられない。だけど今回突然の「別れ」になってしまったわけで、私のテンションはだだ下がりになった。
ANA661便に乗った。機内の機内オーディオは充実していたが、藤井隆とかが案内をしている音楽番組はなくなっていた。あれや落語があるのが機内らしかったので、味気なくなった感は否めない。
長崎空港10時20分着。あんでるせんへは13時に入ればいいので、楽勝である。外は曇天だったが、きょう午後から室内なので、天気はほとんど関係ない。
空港からは連絡バスが出ているが、券売機の料金表を見ると、川棚バスセンター行きは、1,300円となっていた。2023年は鹿児島空港から入ったからアレだが、以前は長崎空港―川棚が960円だった記憶がある。それがかなり前のことだったとしても、ずいぶんな値上げではないか。
なおも料金表を眺めていると、「新大村駅前」という停留所が目に入った。まったく記憶にないが、そこまでで310円。大村線の新大村から川棚まで、480円であった。これならバスで直行するより、510円も安くなる。むろん、時間は多少ロスするが、あんでるせんには十分間に合う。
連絡バスが来て乗車。新大村駅が近づくにつれ、景色が変わってきた。北九州新幹線の高架が現れ、10時55分、新装、の新大村駅前に止まった。なるほど、ここは大村線の小駅だったと思われる。そこが新幹線の接続駅になり、一躍脚光を浴びたというわけだ。
駅の観光案内所に行き、まずは郵便局のありかを聞く。今回の旅行は平日なので、旅行貯金ができるというわけだ。
ところが担当者曰く、郵便局はなし。これといった観光地もないとのことで、私は近辺で時間をつぶすしかなくなった。
近くのニトリに入ったが、なにも買えない。大型スーパー「youmeマート」があったので、入る。手ぶらで出られないので、「ジャンボヤキリンゴ」というカステラ状の菓子パンを買った。
まだ時間があるので、このあとの切符を買おうと思う。新幹線があるから、みどりの窓口もある。川棚からの行程が決まらなかったが、九大本線に乗りたかったので、佐世保線・長崎本線経由、久大本線・日豊本線経由の門司港行きを買った。これで7,370円。旅名人の九州満喫きっぷは11,000円、青春18きっぷ3日間用は10,000円なので、それらよりは安い。
11時54分の快速シーサイドライナーに乗った。車両は2021年から運用されているYC1形だが、これは座席がロングシートなので、景色が見えづらく、面白くない。JR九州は車両に工夫を凝らしているが、このYC1は失敗だったと思う。
列車は12時20分、川棚駅に到着した。
(つづく)
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2023年九州旅行・9

2024-02-04 19:39:57 | 旅行記・九州編
35分遅れということは、羽田空港着が22時45分から23時20分となる。モノレールの終電が何時だかは知らないが、まだ大丈夫だ。ただ、このあとももう少し飛行機は遅れるだろうから、思ったより余裕はない。
飛行機は21時50分に離陸した。飛行は極めて順調で、これなら新たな定刻に着陸すると思われた。
ところが飛行機がさらに微妙に遅れる。やがて羽田空港の灯が見えたが、我がスカイマーク026便はいつまでも着陸態勢に入らない。それどころか何度も旋回し、空港から遠ざかってしまった。
すると機長から、現在着陸の飛行機が渋滞していて、順番待ち、とのアナウンスが入った。
な、なんだよそれ!
時刻は刻々と過ぎていき、プラス20分も遅れている。これ、モノレールは大丈夫なのか?
イライラするのは、着陸したあとの公共交通機関の状況を、スッチーが案内してくれないことだ。まさか、飛行機を安全に着陸させることまでが仕事で、そこから先は知りません、ということなのだろうか。
飛行機がようやく着陸した。が、32分も遅れ、23時52分になった。
以前、スカイマークが大幅に遅れたことがあり、そのときは乗客に一律一万円が支給された。それで私(たち)はタクシーに乗れたのだが、今回そのアナウンスはなかった。
ちなみにこのときは御徒町までを所望したのに上野まで行かれ、9,600円を取られたのだった。
私は降機後、足早に出口に向かう。ところがそこは羽田空港の駐車場の前だった。いやいや、私は車なんか利用しないのだ。
モノレールの時刻表を見ると、23時44分が最終だった。しかし京急は0時10分の蒲田行きがある。時刻は23時59分である。だが空港はあっちこっちのシャッターが閉められはじめた。空港の営業終了ということである。
そういえば以前、方向別に大型バスを配車してくれたこともあった。でも、それもないようだ。
新宿行きの高速バスがあるようなのでチケットを買おうとすると、「もう満席ですよ」と誰かが言った。
これで万事休す。私のタクシー利用が決まった。
タクシー乗り場に行くと、長蛇の列ができていた。しかし私は、そこに並ぶよりない。これは東京や千葉方面だ。
私の前の女性2人組は千葉県在住のようで、タクシーで行くと25,000円くらいかかると話している。それなら都内のどこかのホテルで泊まったほうがいいかもしれないが、それは私も同じだ。ただ私は、楽天トラベルが使えないのがここでも響いている。カネに糸目をつけなければホテル利用でもいいが、数千円取られるくらいなら、帰宅して寝たほうがいい。
もう私の後ろには、長蛇の列ができていた。離れたところにJALの関係者がいたが、客がひけるのを見守っているだけだろう。
タクシーが2,3分ごとにゆるゆると来て、客を乗せていく。ひとり旅は何かと融通が利くことが多いが、天敵がタクシーである。仮に3人で乗れば料金は3分の1になるが、ひとりだと全額を負担しなければならない。
私の前の女性2人が乗る番になった。が、女性らは運転手と何やら話し込んで、全然出発しない。
……あのう、タクシーが来るまでさんざっぱら時間があったのに、あんたら何をしてたの? スマホでやるべきことはなかったの? ここで運転手と相談したって、結論は出ないだろう。
結局彼女らは、鹿児島中央駅みどりの窓口の女性と同類項だったというわけだ。
もう次のタクシーが来ていたが、私はこれに乗っていいのだろうか。すると、後方にいた老人が怒り出し、前のタクシーは少し先に移動した。
とりあえず私はタクシーに乗れた。運転手は白髪の細面のひとだった。私は上野駅までと言い、いやあ参りましたよ、と、おどけて言った。
だが運転手は返事なし。運転に集中したいのかもと思い、私もそれから言葉を挟まなかった。
タクシーが高速道路に乗る。これはやむを得ないが、その高速代を払うのは私なわけで、一言断りが欲しかった。日田彦山線BRTの運転手さんを見習ってもらいたい。
タクシーは快適に飛ばし、私は料金メーターを見たが、6,600円になっていた。もうこんな金額になっている!!
私は今回の旅で、JR、モノレール、飛行機、路線バス、新幹線、路面電車、フェリー、民間鉄道、BRT、第3セクター、地下鉄とさまざまな乗り物に乗ってきたが、最後の最後で、最悪の乗り物を利用することになってしまった。
タクシーは上野駅に近づいた。料金は9,800円を示している。ところが運転手は、これは配車だったので、一律料金が適用され、空港から台東区までは9,900円だと言った。
ああ、うん、それならそれでいい。ところが運転手がメーターのボタンを押すと、「10,440円」になった。何かが加算されたのだが、高速代だろうか。
ところが運転手は電卓を持ち出しごちゃごちゃやり、10,840円だか、10,860円だかと言った。最初は9,800円だったのに、どこまで上がるんだ?
怪訝に思いながらもカードを出すと、運転手はゴチャゴチャやったのち、「カードが使えませんで……。現金でいただけませんか」と言う。
そこで壱万円札1枚と五千円札1枚を出すと、4,200円のお釣りがきた。
……うん? この数十円は、おまけということ?
「レシートをください」
どうもこのタクシーが信用できず、私はそう言った。
運転手はレシートをくれたが、「10,440円」だった。しかも、クシャクシャにシワがあった。「……ねえ運転手さん、大丈夫? ホントはいくらなの? カードは使えねえし。私以前、この近くまでタクシーで来たことあるけど、9,600円でしたよ」
すると運転手は「分かりました、1000円面倒見ましょう」と、千円札を寄越した。
すると私は何を思ったか、さっきのお釣りの200円を運転手に返した。運転手はそれを固辞したが、私は渡す。つまり私は結局、1万円を払ったわけだった。
私は釈然としないまま降車し、そこから40分近くかけて、帰宅したのだった。
とにもかくにも私は、無駄な1万円を消費したのであった。

ところで、この運転手の言動はどういう意味があったのだろう。翌日、私はタクシー料金を調べてみた。
羽田空港から上野までは、深夜料金の2割増しと、特定料金で9,900円したのだろう。これはまあよい。
それに高速代が800円なのだが、深夜帯は2割引きになるので、640円である。なるほどこれなら、最初にメーターが示した9,800円に640円を足し、「10,440円」でよい。
ところが運転手は電卓をごちゃごちゃやった。これ、仮に運転手が高速料金も2割増しにしたとしよう。すると960円となり、特定料金の9,900円と足すと、10,860円となる。これは、最終的に請求された金額と同じである。
ところが運転手は、何かの拍子で10,440円のレシートを出力してしまった。これは使えないので、クシャクシャにした、ということではなかったか。
結果的に私は、540円を得した?わけだが、私が何も言わなかったら、320円前後を余計に取られていたかもしれないのだ。
まったく、最後の最後で、味の悪い結末となった。
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2023年九州旅行・8

2024-02-03 22:19:06 | 旅行記・九州編
香椎線は福北ゆたか線をクロスした高架にあった。ちょうど、南浦和駅の京浜東北線と武蔵野線の関係みたいである。ちょっとアレだが、何か儲けた気分になった。
16時17分の列車に乗り、タイム14分で香椎下車。香椎はいままで何回か訪れており、松本清張「点と線」の舞台になったところで有名である。JR香椎駅から西鉄香椎駅まで歩くのが私の聖地巡礼で、この同じ道を主要登場人物が歩いている。
私は数年前ここを訪れたとき、沿道にあった本屋で「点と線」を買ったのだが、その本屋はその後、廃業してしまった。
西鉄香椎駅に着くと、駅横に老木がそびえていた。これは昭和30年代当時からあったもので、歴史の生き証人である。
とにかく腹が減ったので食事処を探す。しかしどうにも、ない。東京にいて便利なことは多々あるが、食事処に困らない、というのは大きいと思う。どの駅に下りても、ひとつやふたつの食事処がある。
ところが地方都市に行くと、その限りではない。相当気合を入れて探さないと、見つからない。
もう食事処は諦めて、天神へ向かう。西鉄香椎から貝塚線に乗り、17時09分、貝塚着。ここで市営地下鉄箱崎線に乗り換える。地下鉄ももちろん、「旅名人」で乗れる。
17時22分、中洲川端着。天神へはもう1駅だからここで地上に出て歩けばよかったのだが、ここで空港線に乗り換えたのが失敗だった。なんと逆方向に乗ってしまい、祇園に着いてしまった。
私は逆の方向へ乗り直したが、今度は中洲川端で乗り換えのようだった。福岡市の地下鉄もなかなかに複雑で、乗り慣れないと往生する。
あと一息で天神である。天神方向の地下鉄に乗り、やっと着いた。
さてこの時期の目玉は福岡市役所広場で行われる「福岡クリスマスマーケット」である。この訪問が「あんでるせん」とともに、私のルーティーンになっているのだ。ことにここ何年かは、自業自得で博多どんたくを見に行けない身になっている。それだけに、この時期の博多・天神訪問は自分の存在意義を確認するためにも、必要なのだった。
ところが今年のクリスマスマーケットは、入口にある英語のオブジェが設置されていなかった。どうでもいいことだが、私はがっかりである。
しかも相変わらず小雨が降っており、さらに私のテンションも下がる。会場内に入ることもなく、私は再び地下鉄に乗り、博多駅に向かった。
博多駅前でも同様のイベントをやっていたが、やはり人出は少なかった。それと気のせいかもしればいが、駅前の電飾が、例年より数が少ない気がする。なんとなく寂しいのだ。
これは、私自身の心が満たされてないからだろうか。いずれにしても、この時期の博多・天神訪問も、今年あたりで打ち止めにしたほうがいいかもしれない。
これできょうの目的は完遂したが、この3日間、私は列車ばかり乗っていて、観光らしい観光をしていないのだった。これは前日にきょうの予定を計画したとき気付いていたのだが、修正はしなかった。所詮ひとり旅であり、誰に指図されるものではないからだ。とはいえ、ちょっと計画性がなかった。
さて、本当に食事である。博多駅2階にある「博多めん街道」に行く。だが、予想に反して人が多い。この雨だから、屋外にいる人が建物の中に集まってきたのだろうか。
1階のうどん屋に行ったが同様で、私は待ってまで入りたくないので、ここもパスとする。
たまらず、筑紫口の博多デイトスアネックスに向かう。すると建物全部が工事中で、一切営業していなかった。なるほど、ここの客がごっそり博多駅内に流れたとすれば、混雑の理由も分かる。
おかげで私は、またも難民になってしまった。以前だったら、天神から博多までは徒歩で来ていたから、その間に食事処はいくらでも探せた。しかし今回は地下鉄を使い、スムーズに来てしまった。その副作用とは皮肉である。
私は博多駅の周りを探したが、ない。居酒屋の類はあるが、そこは私の目指すものではない。それで、甚だバカバカしいが、天神まで引き返すことにした。
国体道路に出るとウエストがあったが、他県もそうだったように、ここも居酒屋風になってしまった。それでパスし、その先のすき家に入った。朝に続いて、またも牛丼である。
牛丼並をかっ食らう。やはり美味い! しかし今回の旅で、7食中5食がチェーン店である。私がもう少し食に頓着していれば、また違った旅になっているのだが。
さあ、そろそろ九州とオサラバである。来年の同じ時期、私はまた九州を、長崎を訪れることができるだろうか。
博多駅に戻り、地下鉄で福岡空港に行く。最後まで「旅名人」を使い尽くした。
飛行機はスカイマーク026便・福岡発21時15分である。余裕で間に合い、登録を行う。座席指定は、非常口横の16Aが空いていたので、ここにする。往路で確認したときは横に窓があったし、まさか非常口を使う事態にはなるまい。
お土産も買って、あとは飛行機に乗るのみ。だがこの悪天候で飛行機が遅れ、この1便前のスカイマークは、出発が50分遅れになった。
「次の便と(出発が)一緒になっちゃうじゃない」
と、これから乗る客が不満を漏らした。お気の毒様である。
が、その不幸は私たちにも訪れた。なんと私たちの便も、出発が35分遅れることになった。
思えばこれが、悪夢の始まりだった。
(つづく)
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