日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

宮部みゆき著「楽園」

2010-04-16 | 読書
今日は昨日より寒い!
春へ向かうはずが冬方向に舵を取ったみたいだ。
今月初めに読んだ本「楽園」の文春文庫版



ライターの所にやってきた小母さんの見本のような人
死んだ子供のことを調べて欲しいと依頼する。
他人の頭に浮かぶ事が見えて、知るはずの無い殺された現場を絵に描いていた子供。
本当におこった事なのだろうか・・

ライターの女性は宮部みゆきの傑作「模倣犯」を追いつめ自白させた時の人。
自身も深く傷つき、仕事もできずにいたのがようやく知人の事務所で働きだした。
事件性に興味津々なり、あちらこちらを調べ回る。

ついついイメージをしてしまう、オウム真理教当時のライター江川紹子さん
少し深刻で、すこし暗め(最近は明るくなったが)
進むにしたがって、前向きな明るいキャラクターになっていくが
最後まで江川さんのイメージがつきまとった。

当初、小母さんの具現化像もくずれて、
暖かい包容力のあるキャラクターに変わってゆく。

どうしようもなく犯してしまった殺人事件から
性悪な人物を突き止め、小母さまや、他の人の頭の上のもやをはらす事になる。
と同時に、ライターも模倣犯のトラウマから脱却できた

模倣犯 に比べると小骨が多い気のする作品だが
子供好きな宮部みゆきの人柄が現れて傑作です。
お薦めの本、ぜひご一読を・・・

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