日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

森博嗣著「銀河不動産の超越」

2011-12-13 | 読書
朝日新聞の広告で見つけた本
森博嗣著「銀河不動産の超越」講談社文庫



別冊文芸春秋別冊に2007年1月から2008年3月号まで掲載されていた。

作者も初めてだし、内容も全く知らないまま
「不思議な建物に集まった不思議な面々」の文と
不動産屋の超越とは??で注文してしまった。
カバーは打ち放しコンクリートのシュールな感じ
「どうもみんなが凄まじすぎる。
 私を取り巻く人達は凄まじいのだ」白帯の文面だが

読み出して「面白い!!」
高校からずっとけだるく生きて来て、
大学生で就職する段になり「ここだけはやめておけ、
最後の最後までどうしようもなくなった時まで止めておけ」
と言う不動産屋に就職をしてしまった。

町の引違いのガラスにびっしりと貼ってある物件チラシ
社長に女性事務員だけの小さな不動産屋

それでもめげる事無く、勤勉に不動産の斡旋を学びつつ仕事をする。
町で名高いお金持ちの奥様に気に入られ
あっという間に打ち放しコンクリートの広大な住宅に一人で住まう事になり
あれよあれよと言う間に、斡旋顧客の面倒を見
打ち放しの住まいに入れ替わり立ち替わり「凄まじい人達」が逗留する。

ここまでは手放しで喜べる面白さ
不器用と真面目さと、世間からは浮きっぱなしの主人公
もっと・もっとと、読み進むと・・
浮きっぱなしにもっと上手な浮きっぱなしがくっ付き
最後はドンチャン騒ぎの、幸せな人たちになってしまう。

いわゆる、出世物語&シャンシャンシャンになり
相当ガックリ

作者を見れば国立大学の教授にして売れっ子作家だった。
熱烈なファンが沢山いるらしい。

頑張らずにお人好しで生きる真面目な青年
成功出世させずに、困難な人々と
もっともっと格闘して欲しかった。

ハッピーエンドの好きな方にお勧めの1冊です。

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