富士見のバルコニー

師走の好天で　新聞やテレビで富士山の話題が見られるようになりました。
私の設計したお宅でも「富士山を眺める場所」が重要な課題だったことがあります。
閑静な世田谷の更地、家が建込んで富士山どころの場所ではありません。
ご主人は関東地方の地図を広げて「こちらの方角に見える！」ときっぱり。

半信半疑ながら、２階を高い位置に作りバルコニーに富士見の梯子を作りました。
現場は順調に進みバルコニーも完成まじかな或る現場通いの朝、踏み切りで電車を待っていると、彼方に富士山がくっきり。
「富士山が見えますか？」と大工さんに声をかけると「ああ見えるよ！」
急いでバルコニーに上がると、梯子が無くとも近所の家のすき間から見えました。
感激！！

野良猫を可愛がり、げた履きに着流しの好きなご主人でした。
もう十年も前の話し、今でも見えているかしら？？