日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

山本兼一著「利休にたずねよ」

2010-10-15 | 読書
2009年 直木賞受賞作品
2008年PHP出版 山本兼一著「利休にたずねよ」

夏に子供の付き合いでブックオフで買ってしまった単行本
定価1800円が表紙がすり切れつつも950円
全く新品同様の志水辰夫の「暗夜」が105円
出版年と奇麗さを掛けてガラガラポンで価格を決めているようだ。

それはともかく、年に数日の茶人としては
雲上人の利休宗匠をここまで解体してしまうのに反感を覚える。



だけど日日の読書家としては文句なしに「面白い!」
葛藤しつつ読んだ。

利休切腹の日から始まり、時代をさかのぼりながら切腹の始末で終える。
利休と秀吉、似た者同士お互いに軽蔑しつつ、支配しつつ、
がんじがらめで抜け出せなくなり切腹を命じ
逆らう事なく死んでしまう。

その間、利休の胸の奥に隠し持つ「お人」を巡り
賢い婦人や茶人仲間に通り過ぎる影を感じさせつつ
秘密の香合の密かな争奪戦?

利休が関わった歴史に刻まれている人たちの口調で話しが進む(さかのぼる?)
どんな人も老いればそれなりに成熟し、若者のうちは失敗もあるが
利休宗匠は若さを想像しがたい所があった。

そんな人物を歴史は変えずに人間性の根っこの部分を作り込んだ
作家としては面白い題材に違いない。
当然の事ながら若者の無頼な面を引きずらせて物語りは出来ている。

いつも読書感想はページをめくりつつ書いているが
この本は見返す事なく書いた。
どっか間違っているかもしれないが、失礼します。



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