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池袋の地域通貨「アイポイント」は、社会貢献活動を頑張った方々の活動の証!

地域通貨を活用した「安全、安心の街池袋」を実現するための社会貢献活動!アイポイント活動日誌のブログです!

●池袋ふくろう物語 第10話

2011年06月24日 00時03分01秒 | 池袋フクロウ物語

ふくろう物語について

熱烈な出演希望をいただいたので、今回のふくろう物語にはある方をモデルにしたふくろうさんが登場しています。

えんちゃんをいじめて最後には仲良しになる役で、とのご希望でしたが、けんかの仲裁をするお兄さん役での登場となりました。

仕草や口癖がわからず、面影が名前にしか出ていませんが、誰がモデルか当てていただけると嬉しいです。

 

ふくろう物語 #10

ある日、えんちゃんはふくろ森公園に出かけることにしました。

ふくろ森公園はえんちゃんのお家の近くにある大きな公園で、大きなすべり台やきれいな色のブランコがある、楽しい公園です。

えんちゃんは公園に集まってくる他のフクロウの子たちとおにごっこをしたり、かくれんぼをするのが大好きです。

今日は誰がいるのかな、今日は何して遊ぼうかな、と考えながらえんちゃんは公園までわくわくしながら飛んでいきました。

公園の近くまで来ると、えんちゃんよりも小さいフクロウの子たちが困った顔をしています。

「みんなどうしたの?」えんちゃんはみんなに聞きました。

「あのお兄ちゃんたちが、ここはおれたちが遊ぶ場所だからどけっていったの。」

その中のひとりの子がさすほうを見ると、えんちゃんよりも少し年上の3羽のふくろうが、滑り台の上にいました。

公園はみんなであそぶところなのに3羽だけで使おうとしているのはずるいし、自分たちより小さい子のことを追い出すなんて、えんちゃんは許せませんでした。

「よし、ちょっとまっててね。ぼくがみんなで使うところだよって言ってきてあげるからね。」

えんちゃんはすべり台の上に飛んでいき、すぐに3羽に向かって言いました。

「公園はみんなで遊ぶところなのに小さい子を追い出すなんてひどいよ!」

3羽ともえんちゃんよりも体が大きいので、」目の前に立つと恐い感じがします。



すると、そのなかの1羽がえんちゃんを怖い顔でにらみながらこう言いました「うるさいな、おれたちが使ってるんだからおれたちの公園なんだよ!」

もう1羽もつづけて言います。

「そうだそうだ、おれたちの公園だからほかのやつは入っちゃだめなんだぞ!」

えんちゃんは怖いと思いましたが、それでもがんばって、さっきよりも大きな声で3羽に言いました。

「公園はみんなの公園だよ!なんで自分たちだけで遊んだりするの?みんなでなかよく使わなきゃだめなんだよ!」

すると、3羽のなかでもいちばんこわそうなふくろうが、えんちゃんを怖い顔でにらみながらこう言いました。

「うるさいな!ちびのくせになまいきだぞ!早く出ていけ!出てかないとぶつぞ!」

3羽がじりじりと円ちゃんに近寄ってきますが、えんちゃんは一歩も引きません。

向こうのほうが悪いんだからやっつけてやろうと思いました。

そのとき、どこからか話を聞きつけたふくちゃんと、さっきの小さい子たちがやってきました。

「えんちゃん、大丈夫?」ふくちゃんが心配そうに聞きます。

「けんかしたらだめだよ、えんちゃんがけがしちゃうもん。」

「お兄ちゃん、あぶないからけんかしないで。僕たち向こうで遊ぶよ」

「でもみんなだって遊びたいだろう?」   (10話つづく)

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●池袋ふくろう物語 第8話

2011年05月28日 16時21分50秒 | 池袋フクロウ物語

池袋ふくろう物語(5月分)

 

よく晴れた5月のこと、えんちゃんはふくちゃんとふたりで池袋の探検に出かけました。

 

ここ何日か、池袋やふくろ森では8月ぐらいの夏のように暑い日が続いていて、

 

特にお花や木の元気がありませんでした。

 

「えんちゃん、森のお花、元気がないねえ」ふくちゃんが森のお花を見て心配そうに言います。

 

「ほんとだね、池袋の方のお花も大丈夫かなぁ森とは違って木が少ないからもっと元気がないかもしれないよ。」

 

「ちょっと見に行こうよ、わたし、お花が気になるな。」

 

ということで、今日のえんちゃんたちは池袋の、しかも西の方へ向かうことになりました。

 

池袋の西には駅やその周りにきれいなお花が植わっている花壇がたくさんあって、そこのお花を見てまわるのが好きだったからです。

 

 

 

池袋に着いて花壇のあるところまで行くと、やっぱりお花は元気がなく、ぐったりとしていました。

 

「たいへんだ!早くお水をあげないと枯れちゃうよ!」えんちゃんがビックリしてふくちゃんに言いました。

 

「水があるところを探さなききゃね」

 

えんちゃんとふくちゃんが水を探しに行こうとすると、通りすがりの人間が花壇に缶を投げ捨てていきました。

 

缶の下敷きになってしまったお花は、とても痛そうです。

 

「どうしよう、早くどかしてあげないと!」

 

「でも、わたし達のくちばしじゃ大きすぎて運べないよ。」

 

ふたりがおろおろしていると、下から人間の声が聞こえてきました。

 

 

「空き缶が捨ててあるぞ!ひどいことをするやつがいるな!」

 

そう言って人間は缶をひょいっと持ち上げて、ごみ袋の中へ入れました。

 

「ああ、かわいそうに。土が乾いてしまっているよ。ごめんね、すぐにお水をあげるからね。」

 

「こっちも最近植えたばかりの花の元気がないわ。やっぱり暑いとだめねぇ。」

 

いろんな人間の声が聞こえてきたので下を見てみると、ぐったりしているお花に水をやったり、

 

花壇の中をきれいにしている人間たちがいました。

 

 

 

人間たちはあっという間に花壇をきれいにし、かわいた土にたっぷりと水をあげました。

 

「さあ、まだまだ花壇がたくさんあるぞ!みんなで花壇を守ろう!」

 

その中の一人がそう言うと、人間たちはいっせいに動き出しました。

 

「ふくちゃん、ちょっと追いかけてみようよ!」

 

「そうだねえんちゃん!」

 

えんちゃんとふくちゃんはその後を追いかけることにしました。

 

人間たちは駅やその周りにある花壇に行って水をやったり掃除をしたりしていました。

 

えんちゃんとふくちゃんが好きな花壇は、人間が守っていたのです!

 

 

 

 

「人間は木を切ってわたしたちの住むところをなくしていく悪いものだって思ってたんだけど、いい人間もいるみたいだね!」

 

人間たちのやることをふたりでずーっと見ていた時に、ふくちゃんが言いました。

 

 

「僕たちみたいにお花が好きな人間だっているんだね!ぼく、びっくりしちゃったよ!」

 

「そういえばわたしたち、森のお花にお水をあげてなかったよね?」

 

「そうだね、すっかり忘れてた!ようし、僕たちも人間に負けないくらいお花を助けるぞ!」

 

ふたりは勢いよく飛び立ち、ふくろ森に帰っていきました。(N.ISHIGU)

 

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●4/16  池袋ふくろう物語 第8話

2011年04月16日 15時05分29秒 | 池袋フクロウ物語

池袋ふくろう物語 #8

 

 

ある日のこと、昼ごはんの時間が近づいたので台所に行くと、ママが困った顔をしていました。

 

「ママ、どうしたの?」

 

「えんちゃん、パパがお昼のお弁当を忘れて仕事に行っちゃったのよ。」

 

テーブルの上にはパパのお弁当箱がぽつんと残っています。

 

今日の朝、パパは慌てて仕事に行ったので、お弁当のことをすっかり忘れていたのでしょう。

 

「大変だ!パパのお腹がすいちゃうから早く届けてあげなきゃ!」

 

「えんちゃん、パパにお弁当を届けてくれるかしら?ふくろ森の中だし、大きなところだからすぐにわかると思うんだけど。」

 

「だいじょうぶだよ!できるよ!」

 

「じゃあお願いね。えんちゃんの分もお弁当を作ってあげるからパパと一緒に食べてきなさい。」

 

「うん、わかった!いってきます」

 

 

 

ママに教わった通りに飛んでいくと、大人のふくろうたちがたくさんいる場所がすぐに見つかりました。えんちゃんのパパの仕事場です。

 

パパはどこだろうと探していると、えんちゃんの方に向かって飛んでくる大人のふくろうがいました。

 

仕事で使うヘルメットをかぶっていたので遠くからだとよくわかりませんでしたが、近くに来てパパだと分かりました

 

「パパ!ぼくだよ!お弁当を届けに来たんだよ!」

 

 

「えんちゃん!ママからえんちゃんがお弁当を届けに行ったよって電話があって、待ってたんだ。ここまで一人で来たのかい?えらいなぁ!」

 

パパはとっても嬉しそうです。お昼休憩の時間なのでパパと一緒にご飯を食べることにしました。

 

「パパのお仕事の場所、初めてきたよ!パパはどんなお仕事をしているの?」

 

「えんちゃん、あれを見てごらん。」

 

パパが指す方を見ると、大人のふくろうたちが細い木を植えたり、水をあげたりしていました。

 

「あれはなぁに?」

 

「木の赤ちゃんだよ。パパ達はああやって木の赤ちゃんを植えて育てる仕事をしているんだ。」

 

「なんで木の赤ちゃんを育ててるの?」

 

「木の赤ちゃんはね、育てて立派な木にすると嬉しいことがたくさん起こるんだ。」

 

パパは、立派な木が空気をきれいにしてくれることや立派な木にはたくさんの動物さんが集まってくるから友達がたくさんできることを教えてくれました。             

     

      

 

「ただね、立派な木にするには何十年もかかっちゃうんだ。だから、みんなで力を合わせて育てなきゃいけない。

 

えんちゃんが大人になったら、パパと一緒に木を育てるようになるかもしれないね。」

 

丁度その時、ピーッという笛の音が鳴りました。休憩時間が終わる合図です。

 

パパは気をつけて帰るんだよ、と言って仕事の場所に戻って行きました。

 

仕事場からの帰り道、えんちゃんはパパたちが植えた木が立派な木になって周りにたくさんの動物さんが集まっているところを思い浮かべました。

 

みんなでたくさん遊ぶんだろうなと考えると、とてもわくわくしてきました。

 

えんちゃんは、大人のふくろうになったらパパと木の赤ちゃんを育てるお仕事がしたいなぁと思いながらお家を目指したのでした。

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●えんちゃん池袋ふくろう物語 第7話

2011年03月26日 12時25分06秒 | 池袋フクロウ物語

池袋ふくろう物語 #7
 
ある日のこと、えんちゃんは朝ごはんを食べるといつものように外に出かけました。

今日はとてもいいお天気で、風もふんわりと温かいような気がします。

いい気持ちで太陽の近くや木のてっぺんを飛んでいると、一番高い木のてっぺんにふくちゃんがいました。

ふくちゃんは近くに住む仲良しのお友達です。

ふくちゃんはまるで何かを待っているように右を向いたり左を向いたりしていて、とてもいそがしそうです。

「ふくちゃんおはよう、何しているの?」

「おはようえんちゃん。今はね、はるいちばんを待っているの。」 

ふくちゃんは嬉しそうに答えます。でも、えんちゃんには「はるいちばん」が何のことだかさっぱりわかりません。

「はるいちばん、ってなぁに?」

「よくわからないんだけど、大切なお客さんなんだってパパとママが言ってたの。だからこうして待っているの」

そんなに大切なお客さんがくるなら

「でも、大切なお客さんなのに間違えちゃったらどうしよう。どのくらい来るか分からないし・・・」

ふくちゃんは

えんちゃんとふくちゃんが悩んでいるところに、ホー先生が通りかかりました。

ホー先生はえんちゃんたちが住むところでは一番長生きのおじいちゃんで、とてもものしりな学者さんです。

「どうしたんだい?」ホー先生は言いました。

「先生、はるいちばんさんってどんな動物さんなの?」

「大事なお客さんだってパパとママが言うからえんちゃんといっしょに待ってるんだけど、どういう動物さんなのか分からなくて困っているの。」

えんちゃんとふくちゃんは次々にホー先生に向かって言いました。

「君たちが待っている春一番というお客だが、姿は見えないんじゃよ」

ホー先生は笑ってこう答えました。

「え!じゃあ僕たちは会えないの?」

「そうではない。君たちはちゃんと春一番がわかるよ」

ホー先生は「はるいちばん」は外に出ていればすぐにわかると言いました。

見えないのに分かるなんてよくわからないなぁと思っていると、

ホー先生が「はるいちばん」について教えてくれることになりました。

「はるいちばん」は春になってから一番最初に吹く強く暖かい南風のことで、春がきますよというお知らせ役の風さんのことでした。あたたかい日に吹く時が多いそうです。

「じゃあ今日はあったかいから春一番がくるってこと?」ふくちゃんが聞きます

「そうじゃ。外に出てまっていればもうすぐ来るよ」

「ねぇホー先生、他の動物さん達は春一番さんのこと知っているかな?」こんどはえんちゃんが聞きます。

「知らないものもいるし、知っているものもいるだろう。教えてあげると喜ばれるかもしれないな。」

それから、えんちゃんとふくちゃんはいろんな動物さん達に春一番を教えてあげようと思い、まちの中を飛び回ることにしました。

おとなはみんな教えてくれてありがとうと言ってくれました。

えんちゃんたちよりも小さい子は春一番のことを知らなかったので、分かりやすく教えてあげました。

 

街のみんなに教え終わると、さっきまでいた一番高い木のてっぺんに戻ってきました。

えんちゃんもふくちゃんも、春一番が来るのを静かに待っています。

しばらくすると、かすかにふいていた風がピタッと止まりました。

どうしたんだろうね?とえんちゃんがふくちゃんに言おうとした時、暖かくて大きな風がぶわっと吹いてきました。

「わぁ!大きくてあったかい風だね」

「きっとこれが春一番さんなんだよね!」

えんちゃんとふくちゃんが喜んでいると、もう一回暖かい風が吹きました。

風を受けた木は、ゆさゆさと揺れています。

きっとようこそって言ってるんだね

ふくちゃんがそう言うと、えんちゃんはなるほどと思いました。たしかに木は嬉しそうにゆさゆさ揺れています。遠くから鳥さんが「春一番だぞー!」と言っている鳴き声も聞こえます。

「まちにいるみんなが喜んでいるね。」

「土の中で冬眠している動物さん達には伝わったかな?もう少ししたらみんな外に出てきて賑やかになるね!早く春にならないかな!」

その日、えんちゃんとふくちゃんは暖かい風に乗って、暗くなるまで楽しく遊んだのでした。

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●池袋ふくろう物語 第6話

2011年02月19日 12時00分02秒 | 池袋フクロウ物語

(FRP製の高さ1メートルのえんちゃんです。↑)

池袋ふくろうう物語 #6

流星群を見に行った日からしばらく経ったある日のこと、
えんちゃんが外遊びから帰るとママが出かける用意をしていました。

「ただいま、ママ。どこかに行くの?」

「そうよ。夕ごはんの材料を買いに行くのよ。」

ママが忙しそうに部屋の中を行ったり来たりしながら答えます。

「今日はどこに行くの?いつものお店?」

「今日はフクロードーに行くわよ」

それを聞いたとたん、えんちゃんは大喜びでした。
フクロードーはとても大きなスーパーで、いつも行くスーパーよりもたくさんの種類のお菓子や飲み物あるからです。
それに、他のスーパーとは違っておもちゃ売り場もあるので、いい子にしていれば何か買ってもらえるかもしれないぞと考えていると、えんちゃんはウキウキしてきました。

「なんでフクロードーに行くの?」

「今日は夜から大雪になって、それが3日間まで続くんですって。雪だと飛びづらいし、お店もお休みするかもしれないから、なるべくたくさんお買い物をしておくためよ。」

「そうなんだ。ねぇママ、僕も行っていいでしょう?」

「いいわよ。そのかわり、いい子にしていないとダメですからね。」

こうして、えんちゃんはママと一緒に買い物に行くことになりました。



(本物のふくろうです。目が大きくて可愛い。2/5社会貢献団体見本市にて)

              ☆

家を出てからしばらくすると、フクロードーの大きな建物が見えてきました。
大きな広告がぶら下がっていたり、買い物に来るふくろうたちで、フクロードーはとても賑やかです。
えんちゃん達はお店の中に入って、食べ物の売り場を目指しますが、えんちゃんはおもちゃ売り場が気になって仕方がありません。

「ねえママ、おもちゃ見ててもいいでしょう?」

「いけません。今日はおもちゃは買わないの。お手伝いをしてくれたら帰るときにちょっとだけ寄ってあげる」                                   ☆

ママはがっくりと肩を落としてダラダラと歩くえんちゃんを引っ張って、食品売り場に連れてきました。
いろんな食べ物をかごにほうりこんでいくと、ママはあっと声をあげました。

「どうしたのママ?」

「石鹸を買わなきゃいけないのをすっかり忘れてたの。でもまだ買わなきゃいけない食べ物がたくさんあるし、売り場まで遠いから戻るのも大変だわ。」

ママはどうしたらいいか少しの間悩んでいましたが、急に笑顔になりました。
何か良いことを思いついたようです。

「えんちゃん、いつもお家で使ってる石鹸は分かるわよね?」

「わかるよ!」

「それじゃあえんちゃんにおつかいを頼もうかしら。ママはここにいるから、石鹸を売り場から取ってきてくれる?」

「うん、わかった!」

「取りに行く時は他のお客さんの迷惑になるから走ったりしちゃだめよ。」

「分かったよママ!」

えんちゃんはトコトコと石鹸売り場のほうへ歩いて行きました。

石鹸売り場でママに言われた石鹸を選ぶと、えんちゃんは辺りをぐるりと見回しました。
売り場の高い棚に囲まれているので、高い木に囲まれたジャングルのように見えました。ただママのところに帰るのはつまらないと思ったえんちゃんは探検ごっこをすることにしました。

探検ごっこでは、探検隊のように早足になったり急に止まったりを繰り返しながら進み、棚の終わりの所では探検隊が危険な動物に追われながら進む時のように一旦しゃがんで、素早く次の通路に移動してまた進む、ということを繰り返しました。
ママのいる売り場まであと少しになったとき、えんちゃんは誰かに翼を掴まれました。
振り返ると、ママがとても怖い顔で立っています。
ママは何も言わずにえんちゃんの手から石鹸をとると、そのまますたすたとレジのほうに行きました。

                                      ☆

お会計を済ませてお店を出ると、ママがえんちゃんにこう言いました

「えんちゃん、ママがなんで怒っているか分かるかしら?」

「石鹸をとってくるのが遅かったから?」

えんちゃんが恐る恐る答えます。

「それは違うわ。ねぇえんちゃん、石鹸を取りに行くときにママとのお約束は何だったか覚えてる?」

「取りに行く時は走らないこと」

「そう。えんちゃんは約束を守れたかしら?」

えんちゃんははっとしました。石鹸を取りに行く時は歩いて行きましたが、帰り道では走ったり止まったりを繰り返しながらだったからです。
でもママは食品売り場にずっといると言っていたし、帰りのことは見ていないだろうと思ったえんちゃんはこう言いました。

「ちゃんと守ったよ!」

「ママはちゃんと見ていましたよ。本当のことを言いなさい。」

ママの声が厳しくなりました。
えんちゃんは探検ごっこをしていたことを正直に話して謝りました。

「えんちゃんは道を歩いているときに急に飛び出されたら、どんな気持ちになる?」

「危ないなって思うし、嫌だなって思う。」

「そうよね、自分が嫌がることはみんなも嫌なんだからしちゃだめよ。あと、棚のそばで遊ぶのはだめ。バランスを崩して転んだら棚に積んであるものが落ちてきて大変なことになるし、棚にあるものを選びたいお客さんが困っちゃうでしょう。これからは絶対にお店の中で探検ごっこなんてしちゃダメよ。」


(3月27日(日)、池袋西口駅前広場にお披露目です。↑)

一度にたくさんのことを怒られたのと、怒ったママが怖かったのとで
えんちゃんはしゅんとなりました。それから、とママは続けます。

「嘘をついたのもいけないわ。ちゃんと正直なことを話さないとダメよ。今日のことはパパに言っておくからね。」

えんちゃんは慌てます。パパも怒るとママと同じくらい怖いからです。

「ええっ、嫌だよママ、パパには言わないでよ!」

「ダメです。ちゃんとパパに言いますからね。ほら、お家が見えてきたわ。今日はバツとして、ごはんができるまでおかたづけとお掃除をしてもらいます!」

探検ごっこがお掃除とおかたづけに化けてしまい、フクロードーで楽しみにしていたおもちゃも見れず、えんちゃんはがっかりしました。
もう絶対にお店の中で探検ごっこなんてするものか、嘘なんて付くもんかと思いながらお家へ入って行くと、空からゆっくりと雪が降ってきたのでした。  (N,I)

 

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●池袋フクロウ物語第5話

2011年01月22日 12時08分37秒 | 池袋フクロウ物語

 池袋フクロウ物語#5
 
お兄さんのおうちに1週間泊まった後、えんちゃんは池袋のおうちに帰ってきました。
お泊りの途中でパパやママに会いたいなと思い、
なぜか泣きそうになる日がたくさんありましたが、
泣くのはカッコ悪いなぁと思って我慢していたのです。

パパとママに会うと今度はもっと長くお泊りできるよ!
と言ってかっこよく見せましたが、もう当分の間お泊りはしなくていいなと心の中で思ったのでした。

                                  ★ ☆ ★

  お泊りから帰ってきて何日か経ったある日のこと、部屋で遊んでいるときにえんちゃんはパパに呼ばれました。
  「どうしたの?」
  えんちゃんが聞きます。
  「えんちゃん、今日は夜のお散歩をしに行こう!」
  えんちゃんのお家では時々、夜にお出かけをします。
 
  本当ならえんちゃんたちフクロウは夜の方が元気に動けるのですが、
  えんちゃんはまだ小さく、夜に遊びに行くのは危ないので
  夜は寝るように言われています。
  えんちゃんは街の明かりが宝石みたいにキラキラしていて、昼間よりも元気に早く飛べる夜が大好きなので大喜びです。
  「パパ本当に?」

  「ああ、今日は夜に流れ星が見えるらしいからね。」
  「本当?僕も見れるかなぁ?」
  えんちゃんは昨日の夜、星の本を読んでもらってから眠りました。
  本には流れ星がとてもきれいだということと、願い事をすると叶うかもしれないということが書かれていて、見てみたいなぁと思いながら眠ったのです。

  「流れ星は早く流れてしまうから、わからないなぁ。夜に元気に動くために、お昼を食べたら夜まで寝てようね。」
  「わかったよパパ!早く夜になってほしいなあ!」
  「向こうでお昼ができたってママが呼んでるよ。さぁ、お散歩に備えてたくさん食べよう!」
 
                                  ★ ☆ ★
 
  このあとえんちゃんはたくさんたくさんお昼を食べました。
  ごはんの後におなかがいっぱいになってぼんやりしていると、いつの間にか眠ってしまったようです。
  えんちゃんが目を覚ますと外はもう真っ暗。夜になっていました。
 
  「パパ、ママ、見て!もう夜になってるよ!早く行こうよ!」
  飛び起きてえんちゃんが言うと、パパとママがお出かけの支度をしながらやってきました。
「おまたせえんちゃん、お散歩に出かけましょうね。」
ママがにっこりと笑います。

「さあ、出発するぞ!」                  
お父さんがドアをあけ、みんな外に出ました。
これから夜のお散歩の始まりです。

                                  ★ ☆ ★

ビューン、ビューンと風を切って、パパとママとえんちゃんは池袋の街へと向かいました。建物や看板にはいろいろな色の明かりがついていて、いつもとは違う感じがします。
「きれいだね!いつも飛んでいるところじゃないみたいだ!」
えんちゃんははしゃぎます。

「そうだろう?昼間は明かりがつかないもんなぁ。」
「流れ星は夜遅くから出るんですって。まだ時間があるからいろいろな建物を見てみましょう。」
それからえんちゃんとパパとママの3羽はいろいろなビルを見て回りました。
そうしているうちに夜はだんだんと更けていき、流れ星が見えやすい時間になりました。
3羽は高い木の上にとまり、空を見上げます。

「ねえパパ、まだかなあ?」
「ちょうどいい時間だと思ったんだけどな・・・どうしたんだろう?予報が外れちゃったのかな?」
「まだ少し早いのかもしれないわ。待ってみましょう。」
3羽はしばらくの間空を見上げていましたが、なにも起こりません。
待つのに疲れてしまったえんちゃんがもう帰ろうよと言おうとしたとき、木の近くにあるマンションの窓があき、ベランダに人間の女の子が二人でできました。

「ニュースでは流れ星が見えるってやってたけど、ここだと見えないね」
「仕方ないよ、池袋で見えるわけないよ。だって、空が明るすぎるもん。」
「私が今まで住んでいた所では見えたんだけどな。やっぱり星の明かりは街の明かりに負けちゃうんだね。」
「残念だけどもう見えやすい時間は過ぎたし、寝ようか。」
  二人は部屋へと戻っていきました。
  それを見たパパとママも何も言わずに木から離れたので、えんちゃんもそれに続きました。
                                       
                                  ★ ☆ ★
 
  家に帰ってすぐ、えんちゃんはパパとママに聞きました。
  「ねえ、どうして流れ星が見れなかったの?」
  「それはね、街のキラキラした明りが星の光を消してしまったからだよ。」
  「えんちゃん、お兄ちゃんのお家の夜はどんな感じだった?」

  「電気がなくて真っ暗だったよ。でも月と星がとっても明るかった。」
    えんちゃんは、お兄さんが月や星がライトになってくれるんだよと言っていたのを思い出しました。
  「町の電気が星を見えにくくすることを難しい言葉で“光害”と言うんだ。」

  「光害は星を見えにくくするだけじゃなくて植物の寿命を縮めたり、私たちのような鳥の行動をおかしくさせたりもするのよ。」
  きれいな街の明かりが実は恐ろしいものだったことに、えんちゃんは驚きました。
  「そんなぁ!どうしたらいいのかな?」

  「街から明かりを消すことができれば一番だけど、人が多くて大きな街だからそれはできないだろうなぁ」
  パパが残念そうに答えます。するとママがにっこりと笑ってこんなことを教えてくれました。
  「実は電球の種類を変えたりして、光害を抑えようとがんばっている街も出てきたのよ。池袋もそうなってくれたらいいわね。」
 
                                  ★ ☆ ★    

話の後、もう遅いから寝なさいと言われてお部屋に入ったえんちゃんですが、なかなか眠れません。
つまらないのでミニカーを出して気づかれないようにそうっと遊んでいると、
窓の隙間から月が見えました。
周りに星はありません。

お兄さんのお家ではあんなにたくさんの星を引き連れて輝いていた月が、なんだか寂しそうに見えました。
今日は残念だったなあ、もしも今度流れ星が見えたら、何をお願いしようかな。
そう思いながらしばらくミニカーを動かしていると、だんだんまぶたが重くなって目の前がぼやけ、すやすやと寝息を立て始めました。(N.I)

 

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●池袋フクロウ物語 第4話

2010年12月17日 15時34分17秒 | 池袋フクロウ物語

(モザイカルチャーフクロウ製作募集時のイメージイラストの一枚↑)


池袋フクロウ物語#4

次の日の朝、えんちゃんはコノハズクお兄さんに起こされました。

「えんちゃん、起きて、ちょっと出かけよう。」

お兄さんが布団をゆさゆさと揺らして起こそうとしますが、えんちゃんはまだ眠いらしく、布団をかぶってしまいます。

お兄さんが布団を引き離してカーテンを開けるとやっとえんちゃんが目を覚ましました。

「おはよう、おにいちゃん。まだ眠いよ」                   

えんちゃんは目をこすりながらそれだけ言うと、また横になろうとします

「眠いって言ってももう8時だよ。ちゃんと8時には起きるってパパとママと約束したんだろう?」

横になろうとするえんちゃんを止めてお兄さんが言います。

「今日は朝のお散歩に行ってみないかい?いつもの場所とは違って楽しいと思うよ」

  えんちゃんはお兄さんに手をひかれて外に出ました。

  飛び始めたときに冬の朝の風が体に当たって、えんちゃんははっきりと目を覚ましました。

  「寒い!ここの朝はこんなに寒いの?」

  「えんちゃんが住んでいるところがあったかいからそう思うんだよ。」

  お兄さんは笑いながら答えます。二人は川の水を飲みながら山をぐるっとまわっていきました。

  途中で、昨日であった新しい道路に出会いました。

  朝も車が通っています。昨日のお兄さんの話を思い出したえんちゃんは、  お兄さんに自分の考えを相談することにしました。

  「お兄ちゃん、ここを通る車を僕たちでやっつけて元の森に戻させようよ!」

  えんちゃんは目を輝かせえ答えますが、お兄さんは首を横に振りました。

  「だめだよ、あの車はね、病気の人間を病院まで連れていく車なんだ。ここに道路が作られる前は、この先にある村の人間が病院に行くにはとても長い距離を歩いて隣の村のバス停まで行ったんだよ。」

  お兄さんがえんちゃんに、村の人間はお兄さんたちが食べ物に困っているとごはんをそっと置いておいてくれる優しい人ばかりだと教えてくれました。

  「その人たちに病院が必要だって僕たちは知っていたから、怒ったりできないんだ」
 
  えんちゃんとお兄さんは道路が見える木に止まりました。

  お兄さんはいつもよりも大事なことを  話すようです。

  「人間が何をしゃべっているのか僕たちに分からないように、僕たちの言葉も人間には分からないんだ。」

  えんちゃんはこくんとうなずきました。

  えんちゃんたちは人間の動きで何をしているのか、何を言っているのか考えているのです。

  「もしかしたら木を切るときにごめんなさいと謝ってくれたかもしれないし、今のバスのために本当に必要だったから作るしかなかったのかもしれない。」
 
  お兄さんの話はまだまだ続きます。

  「変えられてしまったものは元に戻れない。僕たちは新しい場所でも生きていけるように頑張らないといけないし、人間には僕たちが生きられるように頑張ってもらわないといけない。」

  お兄さんの話はえんちゃんには難しいものでしたが、えんちゃんの心の中にどんどんと響いてきました。

  「僕たち動物のことや木のことを心配して、もう木を切ったりしないように頑張っている人間だってたくさんいるんだ。」

  「ほんとう?」

  えんちゃんは首をかしげました。そんな人間がいるなんて初耳です。

  「そうだよ、えんちゃんの住む池袋にもいるし、世界中にいるよ。今度パパやママに聞いてごらん。」

  えんちゃんは、人間は不思議だなぁと思いました。えんちゃんたちには木を切って道を作るなんて考えもつかないからです。でも木を切らないように頑張っている人間もいるとわかると、同じ人間なのにどうして考えが違うのかとても不思議になりました。

  ちょうどそのとき、どこからか声がしました。人間の子供の声です。

  「木の下だよ。僕らに向かって手を振っている。あのおばあさんは僕たちに食べるものをくれる、いい人間なんだよ」

  お兄さんに言われて木の下を見ると、人間のおばあさんとえんちゃんと同じくらいの歳の男の子がいました。

「なんて言ってるんだろう?」

「わからない、でもおばあさんも男の子もうれしそうな顔をしているから、僕たちにおはようと言っているのかもね。」

  えんちゃんとお兄さんはホーと鳴きました。

フクロウの言葉で「おはよう」という意味です。

  えんちゃんたちがホーと鳴く少し前、木の下では人間のおばあちゃんと男の子がこんなおしゃべりをしていました。

「おばあちゃん、あんなところにフクロウがいるよ!」

男の子が木の上を指さしました。

「ほんとうだ。この道路ができてから姿が見えなくなったから怒ってどこかに行ってしまったんだと思っていたけど、まだ近くにいたんだね。よかった。」

おばあさんが安心したように木を見上げます。

「おーい!フクロウさん!おはよう!」

男の子が手を振りながらこう言ったとき、えんちゃんとお兄さんはホーと鳴きました。

#4おしまい

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●池袋フクロウ物語 第3話

2010年12月16日 22時13分08秒 | 池袋フクロウ物語

池袋フクロウ物語#3


コノハズクお兄さんのお家に、えんちゃんがお泊りに行く日がやってきました。
えんちゃんは朝からそわそわしっぱなしで、えんちゃんは朝からママとパパに「お兄ちゃんはまだ?」と事あるごとに聞いていました。
そうしているうちにお昼になって三人でお昼ご飯を食べていた時、
玄関のチャイムの音が鳴りました。
                                                                                                

「きっとお兄ちゃんだよ。えんちゃんが行って開けてあげなさい。」

えんちゃんはパパに言われるとすぐに玄関へと向かい、ドアを開けました。

「こんにちは、えんちゃん。見ないうちに大きくなったね。」

お兄さんがえんちゃんの頭をくしゃくしゃとなでて、にっこり笑いました。

お兄さんも一緒にお昼を食べて少し休憩した後、えんちゃんとお兄さんは出発しました。

「えんちゃん、一人でお泊りはさびしくないかい?」

「全然さびしくないよ!平気だよ!」

えんちゃんは答えます。近所の動物さんたちに一人でお泊りに行くことを言うと、
みんなにほめられてとてもうれしかったからです。

「それは頼もしいね!お手伝いもしてもらうけど大丈夫かな?」

「できるよ!へっちゃらさ!」

  えんちゃんは自信たっぷりに答え、さらに元気よく飛びます。
途中で何回か大きな木に止まって休みながら、お兄さんの住む山に来ました。

お兄さんのお家は山の高いところに移動したようです。

「さぁ、ここが僕の新しいうちだよ。」

お兄さんがドアを開けて中に入ったので、えんちゃんはそれに続いて部屋に入りました。
部屋の中は新しくてとても立派ですが、前のおうちよりも少し狭い気がします。
荷物を置いてお兄さんとお菓子を食べていた時に、えんちゃんはお兄さんに聞きました。

「ねえお兄ちゃん、どうしてここに引っ越したの?」

「そうだね、きょうはえんちゃんに僕が引っ越した理由を知ってほしくて来てもらったんだ。いまから行くところについてきてくれるかな?」
えんちゃんとお兄さんは、前のお兄さんのおうちの近くまで来ました。
すると、前のお家があった場所には道路が通っていて、車がビュンビュン走っています。

「とつぜん家が傾いてね、なんだろうって思って外に出たら目の前で木が切り倒されてしまったんだ。」

お兄さんが悲しそうに言います。えんちゃんはお兄さんの家の近所にはたくさんのフクロウさんがいたのを思い出しました。

「ご近所さんたちはどこにいったの?」                                          


「みんなこの山の上で暮らしているけど、山の上は木が生えている場所が少ないからばらばらに住むようになってしまったよ。それに家にできるような大きな木が少ないんだ。だから今のお家は狭くなったんだよ。」

お兄さんはほかにも、お家にできる木が少ないからフクロウの数が増えなくなったことや、木の実を食べる動物さんたちが、木の実が取れなくなっておなかをすかせていることを教えてくれました。
話を聞くうちに、えんちゃんは悲しくなって下を向きました。
なにも悪いことをしていないのに、なんでお家を取られたり、食べ物を取られたりしなくてはいけないのでしょうか?
えんちゃんが悲しそうにしているのを心配したお兄さんが話をやめにしました。
そのあとはお兄さんが森の中を案内してくれたり、おいしいご飯をつくってくれたりしました。
                                                                                                              

お兄さんと遊んだりご飯を食べたりするのはとても楽しかったのですが、家のあった場所に立っていた道路のことや、困っているみんなの姿を思い浮かべると、悲しくなったり何か自分にできることはないかなと思ったりするのです。
何かがモヤモヤしている気もしました。
次の日にお兄さんとモヤモヤ原因を見つけてやっつけてやろうと思いながら、えんちゃんのお泊り1日目が終わりました。 

#3おし
まい

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●池袋フクロウ物語 第2話

2010年10月28日 00時08分56秒 | 池袋フクロウ物語

 

池袋フクロウ物語 #2

 
夏が終わり、くだものややさいがたくさんとれる秋がやってきました。
夏のあつさが少し苦手なえんちゃん達フクロウにとっては、だんだんとすごしやすい季節になっていきます。  


今日は、えんちゃんのお家に、いとこのコノハズク兄さんからひっこしをして新しいお家を建てたので、遊びにいらっしゃいというお手紙がきました。
ものしりでいっしょに探検をしてくれるお兄さんが大好きなので、夜ごはんを食べおわってお手紙があったことを知ったえんちゃんは大よろこび。


「パパ、ママ、行こうよ!」
えんちゃんが言います。


「行きたいけどパパはお仕事がいそがしいからなぁ。」


「ママもお仕事があるしねぇ。」

パパとママのお仕事がいそがしいので、行くことがむずかしそうです。
えんちゃんががっかりしていると、パパがそうだ!と言いました。何かいいことを思いついたようです。


               

「どうしたの、パパ?」


「えんちゃんはもうひとりで飛べるし、パパやママがねるお部屋にいなくても、ひとりでねられるようになっただろう?」


「そうだよ?」


「だから、えんちゃんはひとりでおとまりに行っても平気だとパパは思うな。ママはどう思うかい?」


「そうね、お兄さんにそうだんして、いいよって言ってくれたらそうするのもいいかもしれないわね。」

パパとママが話しているのを聞いたえんちゃんは、とてもびっくりしました。ひとりでおとまりに行くなんて、考えたことがなかったからです。


「ええっ、ぼくひとりでお泊りなんてできるかなぁ・・・。」


えんちゃんはこまってしまいました。そのようすを見たパパはやさしく笑って
言いました。


「そんなに困らなくてもいいんだよ。それよりも、今日はもうねる時間だからねなくちゃな。」


「そうよ、えんちゃん。まずはお兄さんに聞いてみなきゃいけないわ。ママがお手紙を出しておくから、そのおへんじがきたら考えましょう。」


えんちゃんはパパとママに連れられてねる部屋に行き、おやすみなさいのあいさつをして、ふとんの中に入りました。
おふとんの中で、お兄さんと遊ぶことは楽しいだろうなぁ。
でも、ひとりでおとまりはちょっとこわいなぁと考えているうちに、ぐっすりとねむってしまいました。

 

 
次の日になりました。
今日はパパもママもお仕事がお休みなので、お家にいる日です。
こういう日のえんちゃんのお家では、朝からおそうじをして、お昼ごはんを食べた後にみんなでお買いものに行きます。
ちょうどお昼ごはんがおわってかたづけをしていたときに、ゆうびん屋さんがお手紙をとどけに来ました。
お兄さんからの手紙のようです。


「へんだわ、これからお手紙を出しに行こうと思っていたのに」


ママがふしぎそうに首をかしげました。お手紙を読んでみると、えんちゃんにどうしても家を見せたいということと、パパとママがお仕事で行けないけれど、えんちゃんが行きたいと思っている時にはおむかえに行くので、いっしょにお兄さんのお家でおとまりをしようということが書いてありました。


「ねぇ、なんでお兄さんはぼくにどうしてもお家を見せたいって書いているの?」


パパとママに聞いてみると、ふたりはとても真剣な顔をしています。
なにか大事なりゆうがあるようです。
                        

 


「このまえ、えんちゃんは、なんでいろいろなものを作れる人間が空気の変なかんじを直せないのかって聞いたよね。それはおぼえているかな?」


そのことをえんちゃんはとてもよくおぼえています。
その次の日からお友達と遊ぶ時やまちを探検するときに、そのことをずっと考えていましたが、むずかしくて答えが出ないままでした。


「じつは、お兄さんがひっこしをしたわけとそのことは、少しかんけいがあるんだ。」
それを聞いたえんちゃんは、どういうかんけいがあるのかと聞きましたが、パパもママも自分の目でお兄さんの新しいお家を見て、お兄さんの話を聞いたほうがよくわかるよと言いました。
それを聞いたえんちゃんは、お兄さんのお家に今すぐにでも行きたくなりました。


「パパ、ママ、ぼくはお兄さんのお家に泊まりに行くよ!ひとりでもへっちゃ

らだよ!」


その日のえんちゃんのお家のお買いものは、ごはんのざいりょうを買うだけでなく、えんちゃんのおとまりの道具も買いに行くことになりました。
えんちゃんは早くお兄さんのお家に行きたいな、という気持ちとおとまりの道具をもてるうれしさでいっぱいになりました。自分のおとまり道具をもてるなんて、おとなみたいだなぁと思いながら、えんちゃんはパパとママの間をいつもより元気に飛んでお店をめざすのでした。  #2おしまい

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●池袋フクロウ物語 ♯1

2010年10月07日 14時28分36秒 | 池袋フクロウ物語

池袋フクロウ物語 #1


    えんちゃんの家族(かぞく)は、いつものように北の国にいるおじいちゃんのお家(うち)で夏(なつ)を過()ごしました。

フクロウは暑(あつ)いところが苦手なので涼(すず)しい場所(ばしょ)に移動(いどう)して夏を過ごすのです。

9月になって涼しくなり、パパのお仕事(しごと)が始(はじ)まるので池(いけ)袋(ぶくろ)に帰(かえ)ってきました。去年(きょねん)まではママの背中(せなか)に乗()っておじいちゃんのお家から帰っていたえんちゃんですが、今年(ことし)はパパとママの間(あいだ)に入って自分(じぶん)の力(ちから)で飛()んで帰ってくることができました。今日(きょう)は久しぶりに池袋の空(そら)を飛ぶ日です。朝(あさ)ご飯(はん)と身()じたくをすませたらママにいってきますのあいさつをして勢(いきお)いよくお家から飛び立()ちました。


 お家から飛び立ってしばらくすると池(いけ)袋駅(ぶくろえき)が見えてきました。えんちゃんは電車(でんしゃ)が大好きなので駅の上を飛びます。前を向くとサンシャインのビルが見え、池袋に帰ってきたぞという気持(きも)ちになったのですが何かがおかしい感(かん)じがします。

『なんだか前がよく見えない気がする…。なんだか息も苦しいなぁ。それに風(かぜ)が強(つよ)すぎる気()がする…なんでだろう?』

えんちゃんはひと夏ぶりの池袋がなんだかちがうまちのように思えてこわくなったのでお家に帰ることにしました。

その夜、パパとママとご飯を食()べている時(とき)に今日あった事(こと)を話(はな)しました。

二人は顔(かお)を見合(みあ)わせています。パパとママにはえんちゃんがなんでそう感じたのか原因(げんいん)が分()かっているようでした。

「えんちゃん、今のお家の周(まわ)りにはおじいちゃんのお家の周りにはないものがあるのよ。それが何(なに)かわかるかしら?」

ママが聞きます。

「たくさんの木があったよ。」  

えんちゃんが答(こた)えます。木や葉()っぱのみどり色(いろ)がおじいちゃんのお家にくらべて少(すく)ないなぁと朝から思っていたのです。

大正解(だいせいかい)だよ、えんちゃん。木はね、とってもえらいんだ。汚(きたな)い空気(くうき)をきれいな空気に変()えたり、お水をきれいにしてくれたり、強(つよ)い風(かぜ)をちょうどいいものにしてくれたり、わたしたちの家にもなるんだ。」

ものしりなパパが答えます。

「きっとえんちゃんは夏の間をおじいちゃんの家で過ごしたし、一人で飛べるようになって池袋を探検(たんけん)しに行くようになったから違いに気づくようになったのね。」

にっこりとママが笑(わら)いました。えんちゃんはなるほどと思いましたが、また次の分からないことが出てきました。

変(へん)な感(かん)じって思うのはぼくたちだけなのかな?」

「そんなことはないぞ、他の鳥(とり)さんたちもみんな思ってるぞ。」

「鳥さんだけじゃないわ、人間(にんげん)も思っているのよ。」

ママが付()け加えます。えんちゃんはびっくりしました。この前パパとお散歩(さんぽ)に出()たときに周りにある自然(しぜん)のもの以外(いがい)ぜんぶ人間が作(つく)ったのだと教(おし)えてもらったばかりだったからです。そんなにすごい人(ひと)たちがなんでこの変な感じを直(なお)せていないのかパパに聞きました。

「それはむずかしい質問(しつもん)だな。でもそれはとても大切(たいせつ)な質問だから自分で答えを出さないといけないんだよ。えんちゃんはひとりで飛べるようになって、いろんなところに飛んで行って、いろんなものを見たり聞いたりするようになるから自分で分かるようになる日が来るさ。」

 そう言ってパパは笑いました。ママのほうを見ると、ママも笑っています。えんちゃんは答えを見つけてやるぞと思いながら晩(ばん)ご飯を食べるのでした。

 

その日の夜中、えんちゃんは目をさましました。トイレに行きたいのかなと思ったのですがそうではないようです。いつもならとなりでねているパパとママがいないので部屋(へや)を見回(みまわ)すと、ドアの向()こうにはあかりが見えます。きっとパパは明日のお仕事の用意(ようい)が、ママは朝ごはんの準備(じゅんび)があるのでまだ起きているのでしょう。閉()めたカーテンの下からもあかりがさしているようなので何だろうと思ってカーテンを開()けてみると、人間の住()んでいる家の一(ひと)つひとつにあかりがついているのが見えました。この明かりの下には人間がいて、自分たちと同じように暮()らしているのだとパパに教(おそ)わったのを思い出しました。えんちゃんはこの明かりの数だけ人間が木を植()えたらどんなに素敵(すてき)なことだろう、ビルや電車を作(つく)れちゃう人間には木を植えることはとっても簡単(かんたん)だと思うのになぁと思うと、カーテンを閉めお布団(ふとん)に入って目を閉()じたのでした。

#1おしまい

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