観劇ツアーも団扇も必要ない・比例区選挙制度へ軸足を

2015-01-03 10:03:50 | 日記

  観劇ツアーも団扇も必要ない・比例区選挙制度へ軸足を

 

  今年も明けて3日目となった。何とはなしに過ごしていた時ではあるが、メールに返信を下された中に、また頂いた年賀の中にも自民党圧勝に終わった先の総選挙の結果を危惧する言葉が多くあった。つまり「憲法改正問題」に触れている。さらに「先を読む」ものとして、来年の衆参ダブル選挙の敢行により「自民単独3分の2議席の実現」という「安倍サプライズ政治」を予測するものもあった。

  このことはあり得る。祖父岸信介氏も成し遂げられなかった偉業を、自分の手でと孫は受け止めているだろう。それが「孫」である安倍首相の「戦後レジームからの脱却」である。

  去る11月25日、社民党元党首の土井たか子さんのお別れ会に出席をした。そこで述べられた当時の自民党総裁河野洋平氏の「お別れの言葉」がある。彼は次のように述べている。「細川護煕さんと2人で最後に政治改革、選挙制度を右にするか、左にするか、決めようという会談の最中、議長公邸にあなたによばられた。直接的な言葉ではなかったけれども、『ここで変なことをしてはいけない。この問題はできるだけ慎重にやらなくてはいけませんよと言われた』。あなたが小選挙区に対して非常な警戒心を持たれていた。しかし、社会全体の動きはさまざまな議論をすべて飲み込んで、最終段階になだれ込んだ。私はその流れの中で小選挙区制を選択してしまった。今日の日本の政治、劣化が指摘される、あるいは信用ができるかできないかという議論まである。そうした一つの原因が小選挙区制にあるかもしれない。そう思った時に、私は議長公邸における土井さんのあの顔つき、あの言葉を忘れることができません」と。そしておわびしなくてはならない。謝らなければならない大きな間違いをしたと付け加えられていた。

  今国会での重要課題の一つに「選挙制度改定」がある。町田新議長は「審議会における内容を重くとらえ是非実現したい」と述べている。そして町田議長は実質的な安倍派の長老である。

  今までの審議の経過の中から、選挙区の違いによる倍率の計算とそこからくる「○増・○減」などの数合わせが軸になることが予測される。それでは「1票の重み」の矛盾は解決しない。問題は小選挙区制度を維持するのか、それとも「比例区制度」に軸足を置くのかの国民的論議が必要であることを、土井元議長の名を借りて河野氏は述べていたと考えた。

  1票に対する有権者数の比較を論じるなら「比例区選挙制度」にすれば良い。全国制にするか、ブロック制にするかはあっても政党政治の時代である。有権者は政党を選択する。候補者は自分「氏名投票」を求める必要はない。自分の所属政党の政策を訴えれば良い。そこで候補者に必要なものがあるとすれば、その候補者の人格、魅力、運動量に比例して訴える「党(政策)」の支持が広がるということである。

  そこには「観劇ツアー」も「写真入りワイン」も「団扇」も必要がない。個人を当選させようとするから後援会にも金がかかる。

  何としてでも、小選挙区制度の弊害をなくさなければならない。このことと「憲法改正」問題は一つになる。これが今年度の私たちの課題ではなかろうか。