気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

芥川香は伊勢物語から

2015-11-24 17:53:54 | お稽古
香道体験講習会は午前は、源氏香でしたが、
午後からは、芥川香になっており、
機会があれば是非、受けたくなりました。
この芥川香は伊勢物語より取り入れられたお香で、

伊勢物語六段の二条の后の
摂津の芥川近くの草の上に置いた白露を見て
「あれは白玉か」と問うような姫君を奪ってきたが、
とりかえされてしまう事を詠った証歌があります。
白玉か なにぞと人の 問ひしとき 
    つゆとこたへて 消へなましものを

(白玉ですか、何ですかとあの人が訪ねた時、
露ですと答え、そのまま私も消えてしまえばよかったのに)
この「業平の話」のこじつけから生まれた組香なのです。

奈良の大和文華館に伝)俵谷宗達筆の一枚の色紙があります。
”芥川にたどりつき、白玉かとの問いに、
 見つめあう二人の心持が表されております。”
伝俵谷宗達

組香ってどういうものなのでしょうか。
色と形で表せば絵画、
文字で表すと文学となり、
香りで表現する遊びが組香と言われております。
この組香の最も基本となる「古十組」は、
十炷香・花月香・宇治山香・小鳥香・郭公香・小草香・
系図香・源平香・烏合香・焚合十炷香とされ、
江戸時代に発達した『盤物』では、
『四種盤』は「競馬香」「矢数番」「源平香」「名所番」と
『十組盤』は「六義香」「吉野香」「龍田香」「角力香」
「鷹狩香」「闘鶏香」「舞楽香」「花軍香」「蹴鞠番」
「呉越香」があります。
(競技性が強く本質から離れており現在はあまり行われない)

このようにして現在は1000種類以上にも及ぶそうで、
季節感あふれる、歳時記としての遊びも考えられ、
変わったところでは、夏のモネの睡蓮香(谷川ちぐさ作)など、
この先もまだまだ増えそうですね。

初冬のこの季節、御家流では「時雨香」を11月にされます。
証歌;『木の葉散る 宿はききわくことぞなき
     時雨する夜も時雨せぬ夜も
』 源頼実

心が静まりますね。
知れば知るほど、何事も難しいものです。
 参考:香道を楽しむための組香入門(谷川ちぐさ、淡交社)