その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

週末コラム 13

2013年01月19日 | Weblog

 

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週末コラム 13

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 今日は野鳥の話

今年は例年以上に沢山の冬鳥がこの地方にもやってきています

特に冬鳥は森の木々の葉が落ちていることで

割とたやすく見ることができます

そんな野鳥の習性を少し「野鳥は遅寝で早起き」

「朝早いほど帰りが遅い」

なんだか休みの日の誰かさんみたいだと横から影の声

一番身近な鳥といえば「スズメ」朝早くから活動する小鳥と思われがちですが

しかし、野鳥の世界では朝寝坊の方です

人里近くで断トツに早いのはカラス

東の空が白みかけるころにはもう鳴き始め

ねぐらからとびたちます

山にいる鳥では、ヒガラが早くカラスなみです

我々は早寝早起きが健康によく理想の生活だとしていますが

鳥の世界では、一般的に早起きの鳥ほど帰りが遅い

そしてオスのほうがメスより早起きで夕方まだ活動します

鳥たちは総じて、寝起きがよく朝の方が活動的です

早起きの鳥は朝薄暗いうちから活動を始め

夕方活動をやめるときは

朝の薄暗さよりも明るいうちにねぐらに入ります

朝曇っていたりいつもより目覚めの照度が低いときは

あまり遠くに出かけません

又メスはオスに比べて遠出はしない傾向があります

これは鳥の行動学を研究した学者の

「アショッフとウエーバーの法則」といわれます 

鳩やスズメなどを除くと最もポピュラーなそして身近にいる野鳥です

上から「モズ」「ジョウビタキ(オス)」

そしてキツツキの仲間で一番小柄な「コゲラ」

これらの鳥はいつでもお近くの里山周辺に足を運べば見ることができます

先ずこの鳥あたりから野鳥観察してみてはいかがですか

寒いからと家に閉じこもるよりも少し歩くことで体も温まり

思わぬ野鳥に出会えるかもしれませんよ

 

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蝋梅

2013年01月18日 | Weblog

 

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蝋梅

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江戸時代初期にやってきた

ロウバイ科の落葉低木 原産地は中国

名前の由来は諸説あります

ろう細工に似た花がウメと同じころ咲くからという説や

朧月(陰暦12月)に咲く梅のように香るからという説

色々ありますが、もっとも正しいといわれているのが

ろう細工に似て梅の咲く頃に咲くからという説です

しかし、梅という字を当てていますが

梅とは関係のない植物です

一般的に言われるロウバイは

花の内側に暗紫色を帯びています

花の内側もすべて黄色の花はソシンロウバといいます

ロウバイよりもソシンロウバイの方が香りがとても豊かです

 

「蝋梅につめたき鳥の貌はあり」 岸本尚毅

「顔近づけて蝋梅をくもらせぬ」 松本敏子

 

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冬銀河

2013年01月17日 | Weblog

 

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冬銀河

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星の美しさが詠われる季節は秋ですが

冬の冷え冷えとした夜空も見事な星が瞬いています

冷たい木枯らしの吹く夜はいよいよ冴えて

ひきしまった冬空にかかる天の川は趣深く

「冬銀河」と呼ばれます

最近は町の中ではなかなかタイミングが悪くて

冬の晴れた日でも意外と雲がかかって

星空が見にくくなっていますが

街の中で見上げた空に星が瞬くのを見ると

寒さを忘れて見とれるほど美しい星空です

冬の星空には、枕草子に「星はすばる」と詠まれた昴が

青白く光り、南東に並ぶオリオンの三ツ星も輝きを増します

昴は豊作の季節を告げる星として

三つ星は、田を鋤くからすきの形を思わせるので

「からすき星」とも呼ばれ昔から人々に愛されています

「ガラス切る音を短く冬銀河」 対馬康子

「凍星の加ふなにもなし」 岡田吉男

 

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水仙

2013年01月16日 | Weblog

 

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水仙

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水仙の花がぽつぽつと開きはじめました

 水仙が咲き始めると、冬もそろそろ峠を越すころ

でも今年は少し遅れそうな予感

細い茎の先に白い花が五つか六つ

どれも横向きについているのが面白い

暖かい地方の海岸に自生していて

辺りを偵察しているかのように咲き始めます

正確には日本水仙といって、ヨーロッパ原産と区別します

 庭で栽培されている、黄水仙や喇叭水仙などは

黄色の色合いや強い香り、大型の花などヨーロッパ産が多い

自生の水仙は仄かな匂いで、真っ白な花がよく似合う

日本人はこういう花が咲きなようで

詩歌によく詠まれています

 

「水仙や美人こうべをいたむらし」 蕪村

横向きの顔に花を見立て詠んだ句です

 

 

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三寒四温

2013年01月15日 | Weblog

 

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三寒四温

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冬、寒い日が3日続くと

その後には4日暖かい日が続くということ

これが繰り返される自然現象

シベリア高気圧は7日周期で変化します

中国や朝鮮半島の北部に特徴的に表れる天気のことで

その言葉が伝わったものです

冬の季語ですが、日本の冬の天気そのままではなく

厳しい冬の中にわずかに寒さが緩む日を

感じ取る心ややがて訪れる春を待つ心を表している言葉です

次第に暖かくなるこの時期を体感することで

春先の言葉として定着しています

 

「三寒の四温を待てる机かな」 石川桂郎

「二階バス大きく揺れて四温かな」 佐保田乃布

 

 

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成人の日

2013年01月14日 | Weblog

 

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成人の日

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あいにくの雨

丁度今日は寒の入りから9日目

寒九の雨です

今年は豊作になりそうです

 

 大人になる幸せ

 

沢山の人の力を借りて生きてきたあなた

 

あなたが大人の仲間入りできたこと

 

とてもうれしい

 

尊敬している人たちをお手本にして

 

素敵な大人になって

 

これからは、あなたが自分自身を

 

そして

 

あなたのたいせつなひとたちを守ることができますように

 

成人おめでとう

 

「成人の日の華やぎに今日居らむ」 竹腰八柏

「成人の日の一日を著疲れて」 山本蛍村

 

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週末コラム 12

2013年01月12日 | Weblog

 

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週末コラム 12

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 元旦を「大正月」というのに対して

1月15日を「小正月」とか「望正月」と呼びます

全国各地で見られる行事は、農村ほどその傾向が強く

つい最近までは大正月よりも小正月のほうが盛んな地域もありました

小正月は年が明けて最初の満月の日でもあります

望正月とは望月(もちづき)のことで

昔の暦は満月から満月までを一カ月としていましたから

小正月の方が本当の年の初めだったわけです

元旦に飾られた門松は、関東では7日に取り外されますが

関西では15日になります

その代わり、小正月には「餅花」や「繭玉」が飾られて

彩りを添えられます

大正月の間は何かと忙しかった女性たちも

小正月のころにはやっと静かな毎日が戻るので

俗に女正月とも呼ばれています

「松とりて世ごころ楽し小正月」 几董

かつては小正月を待ち焦がれたのは、奉公などで

生家を離れたいた子供たちでした

1月16日から「藪入(やぶいり)」といって

一晩か二晩旧家を貰って親のもとに帰ることが許されました

正月も奉公先で過ごした子供にとって、久しぶりの親です

親にしてみても、家族そろって顔を合わせるのですから

こんなうれしいことはありません

そういう習慣があったからこそ

小正月は家族水入らずで楽しむことができたのです

しかし、最近は全く忘れられた家族水入らずの正月

なくしたいことと残したいことが重なりますね

「藪入の母の焚く炉の煙たさよ」 高野素十

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鏡開き

2013年01月11日 | Weblog

 

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鏡開き

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年末、年神様にお供えした鏡餅を下げていただく正月行事

武家の男子は具足(甲冑)に、女子は鏡台に供えたものを食べました

古くは20日の小豆粥に入れたりもしましたが

現在では、おもに1月11日に行う、4日、6日の地方もあります

白くて丸い餅を刃物で切ることは、切腹を連想させるため

鏡餅を包丁で切りわけることを忌嫌い、手や槌で割ります

三種の神器をかたどったとされる鏡餅は

「割る」という言葉を避けて「開く」といい

開いた餅は汁粉や雑煮に入れます

昔ながらの鏡餅は、冬の乾燥でひびが入るので

それを頼りに開いたものです

「野の雲のまばゆき鏡開きかな」 友岡子郷

「これとても姑(はは)の役目ぞ鏡割」 佐保田乃布

 

 

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寒九の雨

2013年01月10日 | Weblog

 

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寒九(かんく)の雨

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寒入りは二十四節気、小寒の日から(小寒は1月5日か1月6日頃)ですから

寒九は1月13日か1月14日頃、つまり寒に入って9日目のことを言います

寒に入って4日目を寒四郎ともいいます

 寒は寒さがことのほか厳しい時期と云うことで辛い時期ですが

 この日に降る雨は、寒九の雨といって

豊作の吉兆とされてきました

最も厳しい冬の寒さの中にも、明るい展望を見出す

昔の人の自然観にはおどろくべきものがありますね 

寒九も歳時記冬の季語となっています

「誰々ぞ寒雨ついて来る人は」 高浜虚子

「のど飴を一つよばれて寒四郎」 相原宗作

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寒の内

2013年01月09日 | Weblog

 

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寒の内

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小寒から大寒を経て、立春の前日までの30日間を言います

一年で最も寒い期間です

寒の入りから九日目を「寒九」と呼び

「寒の雨」は豊作の予兆といわれます

この寒九に組んだ水は清らかで

風邪の予防やお腹の薬になるとされ

大切に汲み置いて飲み、寒仕込みの酒にも使われました 

「凍豆腐造る」「蒟蒻氷らす」「索麺干す」など

厳しい寒さの中で造る食べ物の情景も

暮らしの中から生まれた冬の季語です

 

「三星の南周りや寒の内」 石田波浪

「一切の行蔵寒にある思ひ」 高浜虚子

 

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