その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

金環日食

2012年05月21日 | Weblog

 


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金環日食


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東海地方では932年(平安時代)ぶりの金環日食

五月に入ってからの盛り上がりはすさまじい勢い

これを商売に反映させようと

 日食メガネから食品スイーツまで

 関連付けて連日報道や広告が賑やかでした

 とうとう待ちに待った当時の朝

 6時の空はよく晴れてこのままなら確実に

 みられる雰囲気

 出勤を速めて仕事先の駐車場へと急ぐ

 しかし6時60分ごろから次第に雲がうっすらと広がり

 やがて太陽を覆いかぶせてきました


 


なんとか雲の切れ間から時々顔を見せる太陽に

どうかしっかり顔を見せてくださいと~

 周辺には空を見上げる人があちこちに

やがて午前7時20分になろうとする頃

 急に空から雲が一斉に消えた

 ギラギラした太陽が顔をすべてさらけ出してくれて

手製のサングラスで覗くと太陽が大きく欠けている

さっそくカメラ(コンデジ)で最初のシャッターを切る

 そしてついに午前7時29分過ぎて

 太陽の中にすっぽりと月が重なる

 実はもっと細いリングになるかと想像していたが

 意外と月からはみ出る太陽が大きく明るい 

用意していた手製の道具では思うように写せないので

 急遽車の窓に貼るフィルムを重ねて

なんとか写せました

 コンデジですので甘い写真でトリミングもしていますが

十分天体ショーを楽しみました

次回この地方では29年後にもう一度見られるそうです

 


 

 

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土曜トピックス 31

2012年05月19日 | Weblog

 

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土曜トピックス 31

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晩春、初夏の草花の中でも

ひときわさわやかなものにヤグルマギクがある

ヤグルマギク(矢車菊、学名 Centaurea cyanus)は

キク科ヤグルマギク属の1種

石川啄木がこんな歌を詠んでいます

 

「函館の青柳町こそかなしけれ友の恋歌矢ぐるまの花」

 

花の色は青紫色、桃色、白色など

別名「藍芙蓉」というように青紫が身上のようです

英名も「ブルーボトル」

つぼみの形のボトル(瓶)に見立てています

色はやはりブルーです

コーン・フラワーとも呼ばれていますが

これは小麦畑の雑草だったことを意味するようです

ドイツではウイルヘルム一世が特に好み

自分の標章と決めたことから

「皇帝の花(カイゼルブルーメ)」と呼びます

皇帝の母がナポレオンに追放されたとき

小麦畑に隠れて子供たちをこの花であやした逸話があり

ドイツの国花になっています

学名にcyanusの言葉を用いられていますが

これはヨーロッパの伝説に出てくる青に憧れて死んだ

若者の名で青素と訳されるシアンと語源が同根のようです

猛毒の青酸カリはシアン化カリウム

また気象学で青空の色の濃さを計る器具を

サイアノメーターと呼ぶのもシアンと関係があるようです

東海道五十三次に描かれている浮世絵の空の色も

この花の色だそうです

 「清貧の閑居矢車草ひらく」 日野草城

「矢車草教会で逢ふ恋いまも」 宮脇白夜

「住みのこす矢車草のみづあさぎ」 中村汀女

 

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金雀枝(えにしだ)

2012年05月18日 | Weblog

 

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金雀枝(えにしだ)

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マメ科の落葉低木 

日本には古く延宝年間(1673~80)に

オランダから渡来しました

庭園に植えられたり生け花にされたりしています

初夏の光に映えて明るい花ですが

賑やか過ぎて日本の花ではないことが一目でわかる気がします

緑色の細い枝にびっしりと蝶形の花が連なります

俳句の5月の季語にもなっています

「えにしだの夕べは白き別れかな」 臼田亜浪

「金雀枝に雨上りたる日射しあり」 高木晴子

 

 

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卯の花

2012年05月17日 | Weblog

 

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卯の花

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ユキノシタ科の花で別名「空木(うつぎ)の花」 

空木(うつぎ)は全国の山地に行けば見られます

遠目にも白く木々の緑と対照的に目につきます

幹の中心が空になっているの空木の名がついたとされます

一般的に卯の花と呼ばれるのは

空木の花の略あるいは陰暦の卯月に咲くことから

古くは庭木や生け垣に利用され

「万葉集」や「古今和歌集」にも詠まれています

また「卯の花の匂う垣根に~~」歌にも歌われています

やっといま思い出しました「夏は来ぬ」ですね

 

歳時記では「卯の花」「花卯木」など

 

「卯の花やくらき柳の及(および)ごし」 芭蕉

「卯の花は日をもちながら曇りけり」 千代女

「顔入れて馬も涼しや花卯木」 前田普羅

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二人静

2012年05月16日 | Weblog

 

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二人静

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センリョウ科の多年草

ヒトリシズカと同じように林の中で咲きます

ヒトリシズカよりも少し大柄です少し花も遅れて咲きます

花は全く似ていないけれど同じように

どこかさびしい雰囲気があります

丁度春の終わりと夏の始まる時期で

歳時記でも春の部に入れてあるものと

夏の部に入れてあるものがあります

厳密には晩春初夏の花ですね

 

「そよぎちち二人静の一つの穂」 井上萩女

「摘みてあはれ二人静の花こぼれ」 川瀬カヨ子

 

 

 

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松の花

2012年05月15日 | Weblog

 

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松の花

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 松はマツ科マツ属の樹木の総称

松の花はあまりご存じがないかもしれませんが

四月から六月に咲きます

雌花は枝の先端に2~3個、雄花は枝の下部に

穂のようにしてたくさんつきます

そして実はいわゆる「松かさ」です

ちなみに松の名の由来は

樹齢を長く保つので「保つ(もつ)」から「まつ」になったそうです

 

歳時記では「松の花」のほかに

「十返りの花」「松の花粉」などとして句に読みこまれます

「金色を夢見るごとし松の花」 原コウ子

「松の花きのふはここに遼(にはたづみ)」 山口誓子

(にはたづみ・・とは~雨が降って、地上にたまり流れる水の意)

 

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大根の花

2012年05月14日 | Weblog

 

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大根の花

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ありふれた野菜なのにめったに見られない花

大根の花のお話です

大根は冬の季語ですが、一年中食材として

広く日本では食べられています

その割にこの大根の花を見たことがある方は少ない

大根の花は白か淡い紫色でどこかさびしげな印象です

大根畑に行けば出会えるというものではないのです

なぜなら大根は花が咲く前に収穫されてしまうからです

種を採るために花が咲くまで植えている例は

めったにありません

それは種苗業者から買い入れて植えているからです

ところが大根畑でめったに見かけない素朴な花を

海岸端で見かけることがあります

それは浜ダイコンと呼ばれる花です

この花は普通の大根が野生化したものだそうです

大根だからと引き抜いて

キャンプの折りに食べてみたのですが固い!

とても固くて食用にしている大根とは別物でした

色々調べてみるとそもそもの花に栄養が回り

大根に栄養分が足りないから固くなるので

植えかえて肥料を与えれば食べられるようになるとか

花が咲く前に食べているから花を見ないわけが分かりました

 

「大根の花や青空色足りぬ」 波多野爽波

 「花大根黒猫鈴をもてあそぶ」 川端茅舎

「夕月は母のぬくもり花大根」 古賀まり子

 

 

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土曜トピックス 30

2012年05月12日 | Weblog

 

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土曜トピックス 30

 

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霧(きり) 靄(もや) 霞(かすみ) 朧(おぼろ)

これらを説明できますか?

霧は水蒸気が凝結して小さな水滴となり

地表近くの大気中に浮かんでいる現象です

これが昇華して氷の結晶になる場合を霧氷とよびます

霧の中には放射霧、移流霧、蒸気霧と呼ばれ

冷え方で呼び名が変わります

また発生する場所によっても表現のされ方が変わります

山霧、海霧、湖霧、川霧、盆地霧、都市霧

時刻によって朝霧、夕霧、夜霧

気象観測では見通せる距離が1000m未満を「霧」

それ以上を「靄」と呼んでいます

そして気象観測用語には「霞」というのはないそうです

俳句歳時記では

霧は秋の季語 春の霧は「霞」

 夜の霞は「朧」と区別しています

また中国の詩や諺に出てくる霞は朝焼け、夕焼けのことです

 

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はなずおう

2012年05月11日 | Weblog

 

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紫荊(はなずおう)

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江戸時代にやってきた中国原産の花

もっぱら庭木として栽培されていて葉に光沢あり

花よりも先に薄紫の小花が咲きます

別にアメリカハナズオウやセイヨウハナズオウがあります

セイヨウハナズオウはキリストを裏切ったユダが

首をくくった木とされ「ユダの木」とも言われます

 

遠目に見ても鮮やかな色合いの花ですが

晩春の季語にもなっています

季語では紫荊(はなずおう)と書きます

また「蘇枋(ずおう)の花」という使い方もします

 

「花よりも蘇枋に降りて濃ゆき雨」 後藤比奈夫

「風の日や煤ふりおとす花蘇枋」 瀧井孝作

 

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花水木

2012年05月10日 | Weblog

 

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花水木

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毎年この花が咲くと町の中は一気に夏模様

街路樹になっているこの木がアメリカ産だとは

大人になるまで知りませんでした

別名をアメリカヤマボウシといいます

この木が日本にやってきたのも大正時代ですから

ある種まだ日が浅いと言えるかもしれないですね

大きな木に咲く花は比較的下向きで咲くのが多いものですが

この花はアメリカ産だけあって?いつでも上見て咲きます

あまり大きな木だと葉の裏側から透かすようにしか見えません

広いアメリカの高い場所から見下ろせると

美しい花の形が分かります

 

歳時記では晩春の季語になっています

「一つづつ花の夜明けの花みづき」 加藤楸邨

「花みづきわすれたやうに空があり」 南部憲吉

 

 

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