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春隣り
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暦の上ではもう春です
そしてタイミングが悪くて書きそびれてしまった季語
「春隣」とは、冬の終わり頃
春がもうすぐ近くまで来ていると感じることです
「春近し」ともいいます
「隣」には、手で触れらるほどの近さが感じられます
蕾が膨らみ始めた街路樹や梅の木に気づいて
春の日差しの暖かさを人よりもひと足早く受け止めている
草花に教えられているような思いがします
氷点下の冬を過ごす北国の人にとっては
待ちにまった春の到来です
雪の下には春を待つフキノトウ
川には清涼な雪解け水が流れ
生き物たちは目を覚まします
同じような意味を持つ季語に「春待つ」がありますが
こちらは主観的で「春隣」や「春近し」よりも
春を待ちわびる気持ちが強い言葉です
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「叱られて目をつぶる猫春隣」 久保田万太郎
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ぽつりぽつりと蕾もほころんできました
間もなく甘い香りとともに可愛い花が開きます
今年は少し遅れているようです
(画面隅のブックマークからも行けます)