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山の四季
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歳時記がとらえた日本の山の四季
俳句で山が季語となる場合は
たとえば「春の山」とか「冬の山」といった
誰にでもわかる言い回しですが
歳時記の世界ではもっと擬人化された表現があります
新聞や小説などにも時々出てくる
「山笑う」がその一つです
「故郷やどちらを見ても山笑ふ」 正岡子規
「山笑う野はさざ波の光満ち」 手塚順
「山笑う」は春の季語なのです
木々の芽吹きはまだ始まったばかり
或いはまだ芽吹かない山でもどことなく潤いがあって
暖かな日差しを浴びて如何にも上機嫌にみえます
それが「山笑う」です
春以外の季節の山の表現はというと
夏は「山滴る」 秋は「山装う」 冬は「山眠る」です
一度や二度耳にした言葉ではないでしょうか
どの季節も実感が伴ってきますね
今年は遅くまで積雪がたくさん残っています
山が笑いすぎて雪崩にならないことを祈りながら
春を謳歌したいですね
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