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日脚伸ぶ
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「短日」といって冬の暮は早い
一年で最も昼間が短いのは冬至
冬至を過ぎると 今度は昼間の時間が少なくなり
一日一日と日が伸びてゆきます
これを俳句の世界では「日脚伸ぶ」といいます
「伸ぶ」は「伸びる」の文語です
その伸び方はほんのわずかずつなので
先人たちはそれを「畳の目ひとつずつ」と
表現しました・・もしかすると「畳の目」も
分からない言葉になっているのかもしれませんね
話がそれましたが~~それほどゆっくりとしたことを
「日脚伸ぶ」と表現したのです
しかしふとある日それを実感することがあります
冬も終わりに近づいた1月中旬から2月にかけて
まだまだ寒さが残るものの
少しずつ気温も上がり 小鳥たちのさえずりも
周囲によく聞こえるようになります
ゆっくりと春が近づいている気配がして
気がつけばわくわくと心躍る情景です
「日脚伸ぶ母を躓かせぬやうに」 広瀬直人
(画面隅のブックマークからも行けます)