その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

りんどう

2011年10月19日 | Weblog

 

***

りんどう

***

 

 山で見るりんどうは背が低く地面に張り付いています

ときには草に埋もれて偶然見つけることが多い

秋だけではなく春に咲く春リンドウも愛らしい

秋の七草でもあるし 薄紫の楚々とした姿から

勝手に日本の花だと思っていました

例えばスイスなどにはゲンチアンと呼ばれています

ただ外国で見る花はどこか外国の顔してる気がします(笑)

花も大柄で色も目の覚める青です

リンドウは古くから薬草として利用されています

根っこに薬効があってマラリア(解毒)や胃腸薬として

広く愛用されています

世界には400種類もの花があります

花ことば 「悲しみにくれるあなた」 だそうです

これは花ではなくて根を病に苦しむ人に与え

相手への愛情を表しているのだそうです

 

りんどう (竜胆) Gentiana(学名・英名)

和名 エヤミグサ 

原産地 中国 インド北西部 南ヨーロッパ 日本など

・・・

俳句では春のリンドウと秋のリンドウを使い分けています

春に開花する「コケリンドウ」「フデリンドウ」「ハルリンドウ」

秋に開花する日本原産の「エゾリンドウ」とその変種群を言います

 

「竜胆は若き日のわが挫折の色」 田川飛旅子

「稀という山日和なり濃竜胆」 松本たかし

 

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)


吾亦紅(われもこう)

2011年10月18日 | Weblog

 

***

吾亦紅(われもこう)

***

 

各地の山野で秋に咲くのが見られますが

子供のころは花には申し訳ないですが

これでも花?・・と言ってしまったことを思い出します

かなり花に対しての差別発言だったことを今も恥じてます(笑)

この花は中国最古の薬物書「神農本草経」にも

載っている薬草だったのは大人になってから知りました

漢方では「地楡(ちゆ)」と呼ばれ

吐血、鼻出血、血痢、やけどなどの治療に用います

日本の「出雲風土記」においても

「地楡(えびすね)」として

薬用につかわれたことが書かれています

この花も歳時記秋の花です

どことなくさびしげな趣で秋の野の風情を

表すのに欠かせない名わき役です

「吾亦紅うらわかければまだ青し」 飴山實

「一病に仕ふ余生や吾亦紅」 角川源義

「一、二を生し二、三を生す吾亦紅」 正岡子規

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)


浜菊

2011年10月17日 | Weblog

 

***

浜菊

***

 

いま植物園では一番目立つ花です

山沿いの崖に植えられていて花の育った環境を

イメージさせているのでしょう~

花がとても元気に崖の石の間から咲いてます

・・・

関東北部から青森県にかけての太平洋岸の

海辺の日当たりの良い崖などの自生するそうですが

私の見る花は園芸栽培用に育てられているものです

どこを見ても海辺の菊とは

名前や由来を知らないときがつきませんね

似たような菊にコハマギクというのがありますが

名前の通り少し小ぶりの菊でそっくりです

浜菊も歳時記の秋の花です

 

「浜菊に海嘯(つなみ)は古き語り草」 富安風生

(昭和初期までは地震津波も海嘯と呼ばれていました)

「浜菊の咲くや遅々たる裏の秋」 小杉余子

「浜菊や見えて径なき野間岬」 桂樟蹊子

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)


週末トピックス 3

2011年10月15日 | Weblog

 

***

週末トピックス 3

***

 

 アサギマダラの旅

小さな蝶が日本列島を縦断して、さらに南の沖縄や台湾まで

延べ2000キロ㍍以上を飛んでいきます

そして、翌年春、その逆のコースを日本に渡ってきます

渡りの途中の平地などではほんのいっときという場所も多いのですが

東山植物園もその確実に見ることのできる場所です

アサギマダラに夏の滞在地として大変気に入られていて、

旅立ちの時期には確認のための

年号場所などを羽にマーキングする行事が

毎年10月にこの植物園でも行われます

今年は10月9日に行われました

そしてマークに付いた蝶を見かけたら連絡しあって

蝶の行動記録として残されます

アサギマダラの主な食草はヒヨドリバナというの花です

この花の蜜目当てに他の蝶と一緒にアサギマダラがつぎつぎとやってきます

それに合わせてカメラマンの大勢やってきます

この小さな蝶が海を越えて長い長い旅をする

自力だけで旅する行動距離の長いこと

どこにそんなエネルギーや行動力があるのか

不思議がいっぱいの蝶です

行動記録にあなたも参加しませんか

http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/asagi-news-index.htm 

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)


杜鵑草(ほととぎすそう)

2011年10月14日 | Weblog

 

***

杜鵑草(ほととぎすそう)

***

なかなか咲かなくて今年はダメかなと思った

翌日蕾らしきものができて

二日もしない間に一気に咲きだしました

慌てて植物園を覗いてみれば

やはり気配もなかった花が一気に咲いていました

毎年やや遅れ気味の白花も揃って今年は咲いています

花も濃い紫から青に近い色もあって美しい

 

 関東より西に自生し観賞用にも栽培される花

白地に紫の斑点のある花を咲かせます

この斑点が鳥のホトトギスの胸の模様に

似ていることからホトトギスの名がつきました

漢名では油点草といいます

英名はトード・リリー(ヒキガエルの百合)

という名がついています

庭で植えられているものには

花の色が黄色や白そして釣鐘状に咲く

ジョウロウホトトギスなど種類も豊富です

俳句の世界では秋の季語としてこの花が使われますが

杜鵑草と書きますが間違いやすいのに

「杜鵑花」というのがありますが

これは「さつき」のことなので混同しそうですが

秋の草花ということで「杜鵑草」としています

「掌に乗る反橋や油点草」 富安風生

「はなびらに血の斑(ふ)ちらしてほととぎす」 後藤夜半

「紫の斑の賑しや杜鵑草」 轡田進

 

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)


秋うらら

2011年10月13日 | Weblog

 

***

秋うらら

***

 

「麗らか(うららか)」は春の季語ですが

穏やかで気持ちの良い日を言います

「秋麗(あきうらら)」はさわやかで穏やかな秋晴れの日に

春のうららかさを思い描き感じているという季語で

「しゅうれい」とも読みます

秋の澄んだ大気や太陽の眩しさを一身に受け取って

春のような麗らかを喜びながら

秋の次に来る冬に思いを巡らします

秋を賛美するたくさんの言葉の中でも

穏やかな太陽と心の安らぎを感じさせる季語の一つです

秋の季語の中には

「秋晴れ」「秋日和」「天高く」はよく使われ

俳句以外でも目にする機会もありますが

飽きの晴天の日の新聞などによく使われます

しかし「秋麗」の方がさらに情緒が深く細やかな言葉ですね

冬を忘れてしまうような暖かさに気持ちを和ませていますが

心の句では寒い冬への準備をしています

そんな思いで俳句を鑑賞すると

俳句の季節への機微が実感できます

 

「ひと駅を歩きませんか秋うらら」 木崎多津子

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)


金木犀

2011年10月12日 | Weblog

 

***

金木犀

***

 

金木犀が咲くとスタッフのだれかが必ず

「きんもくせいの香りがしたね」といいます

殆どの人がその言葉の数日前後に同じような気持ちで

「あっ金木犀だ」って気付いたからです

そして金木犀は合言葉のように

花の話題をした人とは心が通じたような気がしてしまう

町の中でもこれだけよい香りの花は少ない

そのぶん貴重な存在ですが花の香りは短い

秋の長雨にあったりすると翌日は木の根元に

小さな花が沢山無残に散っています

ついついもったいないあなって思ってしまいます

この花が咲くころはまだ雨も多くて

一度雨にあった花は急に匂いを落として

同時に寒さがやってきます

金木犀ほど気高く上品に季節の訪れを

感じさせてくれる花はないだろう

そしてこの花にまつわる思い出の人も多いと思う

だからこの時期に「咲いたね」って言える

友が多いことがうれしい

でも無粋な人はトイレの匂いだって嫌う人もいるけど論外

花の香りを楽しむ心を分けてあげたい

・・・

きんもくせい fragrant olive

学名 Osmanthus fragrans var.aurantiacus

和名 タンケイ  原産地 中国 江戸時代に渡来

中国で 桂とはモクセイのことです

桂林は有名ですが文字通りモクセイがあり

月に咲く花の伝説などもあります

 

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)


花芒(はなすすき)

2011年10月11日 | Weblog

 

***

花芒(はなすすき)

***

 

さわやかな秋風に揺れるススキは

野山を黄褐色に染めながら陽の光に輝き美しい

しかし日が陰り冷たい風が吹き抜ければ

さびしい風情へと一変します

花の集まりである穂は獣の尻尾に似ていることから

「尾花」と呼ばれ黄褐色から紫褐色になり

花穂が開くと真っ白になって「花芒」と呼ばれます

ススキといえば仲秋の名月のお供えとしても

風情ある光景を楽しませてくれます

太陽と月どちらの輝きにも似合い

秋の美しさと もの寂しさを醸し出します

日本人の美意識の中に深く浸透している植物です

そしてたくさんの俳句が詠まれています

 

「何ごともまねき果てたるすすき哉」 芭蕉

「芒の穂ばかりに夕日のこりけり」 久保田万太郎

「そこにあるすすきが遠し檻の中」 角川春樹

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)


週末トピックス 2

2011年10月08日 | Weblog

 

***

週末トピックス 2

***

 

秋は何をするにもさわやかで心地よい季節ですね

家にじっとしていられなくて

外に出かけることも増えますね

今日の写真は

先日植物園で見かけたスナップです

女の子は男の違って

よちよち歩きのころからすでに

無意識でしょうがポーズをとります

親のセンスもありましょうけど・・

このかわいい衣装に

女の子がますます可愛く見える

「わたしって~右側から写してね」

「だって右側の方がより美しいんだもん~」

そういってるかのようなポーズのかわいらしいこと

思わず百貨店での買い物のように

「包んでちょうだいっ・・お持ち帰りします」

そう叫びたくなります

(あぶないあぶない~誘拐は犯罪です・爆)

 テレビは今や子供と女の子ばかり

どのチャンネルも元気いっぱい

あの震災も災害も嘘のように元気

やがて今の子供たちにはどんな未来が来るのか

いまのような華やかな時代を夢見ていたいですね

写真は保護のためぼかしてあります 

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)

 


秋の声

2011年10月07日 | Weblog

 

***

秋の声

***

 

秋は自然が大きく変化する季節です

気温や天候 紅葉等の色彩 植物の実り 虫の音色など

五感で受け止めて心で感じる秋の気配が

「秋の声」です

例えば木々の葉ずれ 鳥の鳴き声 風の音など

具体的な言葉を指すこともあれば

空気のすがすがしさや秋の味覚など

あらゆる秋という季節に起きることがらから

生まれた感情の動きに「秋の声」を感じるんです

「秋の音」という場合も秋の物音に

秋らしさを感じることもできますね

「秋の声」を聞いて

美しい季節を喜びながら 暑い夏を惜しみ

厳しい冬にまで思いをはせるなど

さまざまな心象が交差した表現が俳句の世界です

 

「目をひらけば星目をつむれば秋の声」 牛田修嗣 

 

写真だけの別ブログ

FocusTime5

(画面隅のブックマークから行けます)