その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

とんぼ

2011年08月07日 | Weblog

 

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とんぼ

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今年はトンボが夏になっても少ないと思ったころ

ブログのお友達も同じようなことを感じておられた

しかし次第にその数も増えて

今は例年並みにかなり飛んではいますが

通常の年の一カ月遅れの感じがします

池の淵の葦にもヤゴの脱皮した数が少ないから

全体的にはやはり少ないのかもしれない

そのせいで今年はこれと言った写真が写せなくて

とりあえず季節感のあるブログを続けているために

今年はこのトンボを代表にしました

赤とんぼは今年どれくらいいつごろとぶのだろう

 

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ヒオウギ

2011年08月06日 | Weblog

 

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射干(ヒオウギ)

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アヤメ科の多年草で 古名をヌバタマといい

葉がヒノキの薄板を重ねた桧扇(ひおうぎ)に似ることから

この名前がついたそうです

それを野羽(のば)とよんだので

種子を野羽玉という説もあるそうです

黒光りする丸い種子は

黒や髪などにかかる枕詞(まくらことば)「ぬばたま」として

万葉集に80首も載っていますが

平安文学でが影をひそめてしまいます

俳句の世界では晩夏の花

「桧扇のうしろ清少納言かな」 平井照敏

「射干や山の雨きて寺濡らす」 舘岡沙緻

 

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夏の月

2011年08月05日 | Weblog

 

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夏の月

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春を代表する季語は「花」ですが秋は「月」です

春が「花」というのは実感できますが

なぜ月は秋の季語なのでしょう

冬の冴え冴えとした月も 春のかすんだよな月も

それぞれ風情があります

春に詠んだ句も次のようなものがあります

「菜の花や月は東に日は西に」(蕪村)

それでもたんにつきと言えば秋の句になってしまいます

「月さして一間の家でありにけり」 村上鬼城

「ふるさとは川の上手に月上る」 京極杞陽

こういった作品は 月が秋の季語だという

前提であるから味わいが深くなります

月には新月から満月に至るまでのそれぞれの月が

季語になっています

「上り月(上弦の月)」「二日月」「三日月」

「夕月」「待宵月」とつづいて「名月」になり

さらに「十六夜」「立待月」「居待月」

「臥待月」「更待月」と延々と続きます

月の満ち欠けは年中あるのになぜ秋の月の満ち欠けを

季語としてるのだろう

なかでも「名月」は秋の代表する言葉となっています

「名月」は仲秋の満月のことですが

陰暦の八月の「十五夜」になりますが、「十五日」ではなく

「十五夜」です つまり新月から数えて十五日目の月です

今の暦で言うと・・大体9月17日前後ですね

中国では十五夜を中秋節と呼び

家ごとに祭壇を設けて枝豆や鶏頭の花をささげて

月餅やウリを供えたといいます

日本でも同じようにススキの穂や月見団子

里芋、枝豆などを供えます

「十五夜」は別名「芋名月」といい 

もともとはイモの収穫儀礼だったのです

稲作以前は日本でも里芋などイモ類を栽培していたようです

月見は古い農耕文化の名残なんですね

それに中国の中秋節が伝わったことで

いよいよ「月」は秋のものとなったようです

今年はまだ晴れた夜が少なくてよい写真が写せないので

昨年の写真です

 

↑これも昨年の写真

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カノコユリ

2011年08月04日 | Weblog

 

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カノコユリ

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ヤマユリが西の横綱なら

東の横綱がこのカノコユリだと勝手にランク付けしています

どちらかというと百合は物静かな風情

しかしこの二種類は派手さが美しい

「カノコユリ」は、ユリ科ユリ属の多年草で

花弁に鹿の子模様の斑点があることから「鹿の子百合」と呼ばれます

鹿児島の薩摩川内市甑島のカノコユリは自生ユリの密度が高く

島の道路端や平地だけでなく、海岸線の断崖でも見ることができる

特に中甑地区がある上甑島はカノコユリの原産地として知られる

 

「百合の蘂みなりんりんとふりけり」 川端茅舎

 

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百日紅

2011年08月03日 | Weblog

 

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百日紅(さるすべり)

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 中国南部原産の木です

日本には江戸初期には来ていたそうです

観賞用として庭木や盆栽にされた

日盛りに咲く百日紅は生命力に満ち溢れていて

その強さ華やかさが俳句でもたくさん詠まれています

「女来と帯纏き出づる百日紅」 石田波郷

この句は下宿窓から見える百日紅が暑苦しく咲いている

突然女性が訪ねてきた不意の訪問である

着物に帯を巻き付けてとにかく扉を開けなければならない

上十二音に緊迫感がある

若き波郷の恋愛関係のトラブルが背景にあるのだそうです

同じ波郷の句に

「百日紅ごくごく水を呑むばかり」という句にあるように

強い渇きが託されていて

波郷の青春を彩る花です

そろそろあちこちで花が見られるようになってきました

 

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浜木綿の花

2011年08月02日 | Weblog

 

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浜木綿の花

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ヒガンバナ科の多年草のこの花は

夏に海の家に行くと大抵は見ることができた

最近は町の中でも咲かせているところをよく見かけます

1mくらいの背でふとい円形の部分は

茎だと思っていたのは実は偽茎だそうです

白色の葉鞘(ようしょう)が互いに抱き合っています

花名は白い糸状の花が楮(こうぞ)の皮を裂いて

神事につかう「木綿(ゆう)」に似ていることからだそうです

又別名で浜万年青(はまおもと)とか文殊蘭の花があります

万葉集にも詠われていて

柿本人麻呂 が「み熊野の浦の浜木綿」と詠んだ花です

俳句では晩夏の花です

「漁火に向き浜木綿は海女の花」 神尾久美子

「浜木綿や濡れし艪櫂(ろがい)を軒に立て」 米澤吾亦紅

  

 

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八月

2011年08月01日 | Weblog

 

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八月

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今日から八月

 緑しっとりと爽やぐ朝草葉には露が~

露は夜の冷え込みのために空気中の水蒸気が凝結し

水滴となって地に下りてきます

空気中の水蒸気が多く 昼夜の気温差が大きい季節の

秋によく見かけます

露は季語では秋のもの

露の少し前の「露涼し」という夏の季語があります

私たちは涼しさに一番敏感なのは

やはり暑さに苦しめられる夏です

昔の人は風鈴の音を聞いたり 微風を顔に受けたり

回り灯篭や月を見て かすかな涼しさを感じて

ほっと一息ついていたのですから

エアコンの恩恵を受けている私たちは

ただ驚くばかりですね

早朝に草葉に触れた手が露に濡れるというのも

そのころの人たちには格別の涼感だったはず

「露涼し」はそのようなわずかな涼味がもたらす

大きな喜びを表現した言葉です

その涼しさも日が差すまでで

あとは秋が近づくのを待たねばなりません

 

「露涼し朝ひとときの畑仕事」 津田柿冷

「朝の間の露を涼しと芝歩く」 稲畑汀子 

 

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