生体肝移植が選択できた幸福

B型慢性肝炎から肝硬変・肝臓癌となり生体肝移植を受けることとなった医師によるブログ

移植前の治療効果と移植費用 パート1

2008-12-18 15:50:15 | 移植までの検査・治療

肝臓癌に対する、抗がん剤の動脈注入と動脈塞栓の治療後の評価は、手術前1ヶ月でのCTで行われました。

写真は、治療時のCTで腫瘍に詰めたリピオドール(白い部分)が腫瘍の範囲で、2ヵ月後のCTでミラノ基準の移植適応内まで縮小しています

採血でも腫瘍マーカーが、AFP 33.9(0-8.5)・PIVKA 1021(0-40)と高かったものが、両方とも正常範囲内に下がりました

ミラノ基準は、保健適応内まで満たすようになったのですが、保健適応となるのは腫瘍の大きさだけでなく、肝硬変の状態がchild-Pugh分類でC(重度の肝硬変)でないといけないのです

したがって、今回の移植に関しては保健適応外(完全自費)で受けることとなったのです。

状況にもよりますが、一般的に800万~1500万円までの間のお金がかかる見込みでした。

家の借金もあり、移植後にどの程度復職できるのかもわからない状態でしたが、こののまま癌で死んでしまえば、家の借金は保険でチャラ、家族には保険金が入るのでお金に関しては安心・・・

移植を受けると、家の借金+手術の借金・・・

お金で命の方向性が決まるという問題に直面してしまいました。

つづく・・