三流読書人

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ドングリ小屋住人 

ヘルマンヘッセ『庭仕事の楽しみ』

2006年08月29日 08時08分12秒 | 読書
ヘルマンヘッセという作家がいました。
1946年ノーベル文学賞
1962年没
『車輪の下』『郷愁』ぐらいは読んだと思う。内容はわからない。
晩年は執筆以外の時間は戸外で自分の庭で過ごすことを日課とした。
『庭仕事の楽しみ』(草思社1900円)という作品がある。珠玉のような言葉でつづられた、詩、文、添えられた絵も素晴らしいです。高くないです。
 ちょっとだけ紹介します。

 夏の夜の提灯
暗い涼しい庭に 暖かく
色とりどりの提灯が並んで漂う
葉群の中からやわらかな
謎めいた光を放っている

ひとつはやさしくレモン色に微笑み
赤や白の提灯は哄笑している
青い提灯は 梢にかかっている
月か幽霊のように光っている。

突然ひとつが炎につつまれ
燃え上がって すっと消える……
姉妹たちは 無言で見ぶるいし
微笑みながら死を待つ
青白い月色の ワイン色の ビロード赤の姉妹たち


この絵はこの詩に添えられたヘッセ自身の水彩画。


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