三流読書人

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ドングリ小屋住人 

瓶にさす藤の花房短ければ

2008年04月28日 17時50分17秒 | 読書


瓶にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上にとゞかざりけり

正岡子規

明治三十四年『日本』連載の随筆『墨汁一滴』のなかの第一首目の作品。子規は翌年九月十九日に亡くなっている。

それがどうしたのという歌である。
しかし、不治の病の床にあって臥したまま瓶にさした藤の花を見ている。
子規という歌人と、ものとの関係でこの歌をみなければならないという。
近ごろなんとなくわかるような気がする。
これも歳のせいだろう。間違いなく。
健康な若者にはわからないかもしれない。

これは野生の藤、樹に巻きついて樹を枯らす。目の敵にされる。
今、盛りである。

こんな俳句もある

  藤の花長うして雨降らんとす    子規

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