三流読書人

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ドングリ小屋住人 

選抜高校野球開幕 だけど

2008年03月23日 17時24分19秒 | スポーツ
選抜高校野球がはじまった。今年は第80回だそうである。
日本列島大騒動となる。
例によって、新聞ではさまざまなファンだとか、いわゆる識者といわれるような人々が思い入れを語る。
昨日の『毎日新聞』の一面には、
「特待生問題有識者会議」の座長を務めるという堀田力氏が語っている。
曰わく「…高校野球で印象深いのは、攻守交代の全力疾走ですね。プロ野球でダラダラ歩いている姿を見ると興趣をそがれる。勝敗はともかく、全力を挙げて挑戦する姿勢が高校野球の魅力でしょう。云々」。
あれはほんとに全力で走っているのだろうか。
昨日の新聞なのでまだ今年の試合を見てもいないのに堀田さんがこう書くのは作られたイメージをそのまま書いているんだろう。
9回まで戦うとして、外野選手などは約100㍍の距離を18回全力疾走することになる。きついでこれは。
あれは「全力で走っているように見える走り方」で走っている。わりと選手たちを近くで見ることができるところに長くいたのでそう思う。
勝敗はともかくというが、勝敗がすべてではないのか。だからこそ「特待生問題有識者会議」というような高校野球史上初めて、前代未聞、の組織まで作られる。

それと今日の新聞に載った選手宣誓の言葉が気になる。
ずいぶんと耳をこらして聞いていたつもりだが、何を言ってるんだか、ただ吼えているばかり、絶叫しているといってもいいが、なんなんだろうあれは。

「80回の記念すべき大会でプレーできることを誇りに思い、父母や仲間、監督や多くの人に感謝しています。感動を与え、溌剌とプレーすることを誓います」
と言ったそうだ。
感動を与え、なんて、笑わしちゃいけない。
日本中の高校スポーツに毎日命がけで取り組んでいる選手たち、一人として他の人間に感動を与えようなどと思ってプレーするものなどいるものか。
硬式野球をやる者だけだろう。こんなことを言うのは。
この思い上がり。それを許す世間の風潮。
そして「全力で走っているように見える走り方」。

野球という「ゲーム」は好きだけど、高校野球にはもう一つ乗れない所以である。