三流読書人

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ドングリ小屋住人 

「敵に似てきた米国」『毎日新聞』社説から

2006年01月06日 09時35分10秒 | 教育 
『毎日新聞』1月6日 社説から
《米国はいわば9・11テロの被害者である。だが、イラク戦争以降の米国が孤立感を深め、特にイスラム諸国からは、被害者というより加害者のイメージで見られるようになったのは、なぜだろう。イラクは9・11テロと関係がなく大量破壊兵器も保有していなかった。なのに米国は何万人もの市民を戦争で死なせた、という怒りがあるのは言うまでもない。だが、より本質的な問題は、米国が言う「文明社会を守る戦い」という図式が揺らいだことだ。文明社会の代表であるべき米国の、あまりに非文明的な側面が目立つようになったのだ。イラクの刑務所やキューバの基地における収容者虐待問題、欧州などを舞台とした秘密収容所での拷問疑惑。これらの問題にまゆをひそめるのは、イスラム世界だけではない。米国社会には「政治的公正」を求めるベクトルが強い。テロから4年余り、米国社会は揺り返しの時期にある。かつては「国難」に愛国心を高揚させた市民たちも、今は米国のありように深く考え込まずにはいられない。》

『毎日新聞』の社説のごく一部の引用では、書かれた人の真意が伝わらないとも思うが、米国が重要な転機を迎えていることは良く分かるのではないか。ひいては日本の進むべき道についても。