鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

アリスが蜜を吸う象のところに行かないのは追い払う枝がないため(GLASS3-3)

2008-03-11 23:14:56 | Weblog
 アリスは蜜を吸う象のところに行こうと一瞬思う。しかしやめる。あまり突然やめたのでみっともない気がしてアリスは言い訳を自分にする。「象たちを追い払うのにちょうどよい大きさの枝なんて見つかりっこない。普通の蜜蜂を追い払う枝ならすぐ見つかるけど!」と。これは確かに当たっている。そんな大きな枝などない。それは枝ではなくてほとんど大木そのものである。象を追い払うには大木でなくては役立たないがそんなに大きくて重いものはアリスにそもそも持てない。だからアリスは蜜を吸う象のところに行くのをやめる。普段アリスは蜜蜂のところに行くとき蜜蜂を追い払う枝をもって行くのだが今回はそのように出来ないので彼女は蜜を吸う象のところに行かないのである。これがアリスが見出した言い訳である。論理的だが不思議な言い訳。