野外の観察対象も少ない冬枯れの時季は、やむなく植物園の温室を訪れることが多くなります。変わった形の珍しい外国の植物が目につきますが、なかなかなじめないものです。
その中で、いくつかの絶滅危惧種と掲示された植物が目を引きました。
ハリツルマサキ:針蔓柾(ニシキギ科ハリツツマサキ属)もその一つです。
この聞きなれない植物は、南西諸島、台湾、中国南部などの海岸の石灰石の上に生える常緑の低木で、枝は地上を這います。
赤く熟す直径約6㎜の果実はハート形をしているので「ハートの木」の名で、園芸品種として流通します。よく見立つ場所に何鉢も並べていたので、準絶滅危惧種としてよほど大事にしているのかなと思ったりしましたが、考えてみると今月はバレンタインの月、それで「ハートの木」なのだと思い当たり納得しました。