神戸市から大阪市方面を一望にする六甲ビューパレス展望台の真下に2本のヤマナシ:山梨の木があり小ぶりの実をつけていました。朝鮮半島南部、中国に分布し、日本のものは古い時代に中国から渡来したという説があり、果実は小さくて固く、食用に適すとはいえませんが、果樹としての梨は本種を改良したものと考えられており、今でも梨農園の傍らに植えられて、自家不和合性である改良梨の受粉に一役買っています。
6月ごろ、樹冠を覆うように咲く純白の花は(’10年6月25日記事)、直径約3cmで散房花序に5~10個つきます。果実こそナシにかないませんが、いつぞや信州八島湿原で見たヤマナシの花は、直径約3cm、純白で、樹冠を覆うように咲いていて、清楚さにおいては、長恨歌で、楊貴妃が悲しむ姿に例えられたナシの花を凌駕するものがあるなどと感じたことを思い出していました。
展望台に立つ大勢の観光客は、眼下に広がるパノラマに見とれてはいても、すぐ下のヤマナシの木に目をとどめる人は一人とていませんでした。
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