むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

フタバアオイ:双葉葵(三葉葵は双葉葵)

2015-04-03 17:12:08 | 植物観察記録

10年ほど前、庭にわずかな株を植えておいたフタバアオイ:双葉葵(ウマノスズクサ科カンアオイ属)が年々少しずつ広がって今では畳一畳ほどにも広がって、根元に赤い花をつけています。
フタバアオイは、もっぱら自動的な同花受粉で結実するといい、また集団を作って生育する性質があるので、我が家の庭でもまだまだ広がっていきそうです。
本州福島県以南、四国、九州の山中の樹陰に生える多年草で、芽の中から1本の茎が伸び先端に柄のある長さ4~8cmのハート型の葉を必ず2枚互生します。和名はこのことからきていますが、賀茂神社の祭に使われることからカモアオイの別名もあります。

花期は3~5月で、葉の付け根から花柄をのばし、紫褐色の花を下向きに1個つけます。花弁のように見えるのは3個の萼片で、直径約1.5cm、下半分は寄り添うだけで合着しない椀形になり、上半分の三角上の裂片は強く外側に反り返り浅い釣鐘状になります。
初夏の京都の風物詩、下・上二つの賀茂神社の葵祭は、もともと賀茂祭といわれていましたが、元禄7年(1694年)再興されたとき、内裏宸殿、勅使、供奉者の衣装から牛車にいたるまですべてフタバアオイ:双葉葵を飾るようになってから葵祭と呼ばれるようになったといわれます。
黄門様の印籠でおなじみの三つ葉葵はフタバアオイを巴形にデザイン化した徳川家一門の紋所です。桐の紋所を欲しがった秀吉と違い家康は朝廷からの菊の紋章の話を断って、徳川一門のみが使うことができる紋所として、賀茂神社にも所縁のある葵を使い続けたというはなしがあります。本当の話かどうかは別にして、秀吉と家康の出自と気位の違いがあらわれているような気もします。

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