むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

シュウカイドウ:秋海棠(悲しむ女性の姿)

2017-09-10 11:41:31 | 植物観察記録

裏庭にシュウカイドウ:秋海棠(シュウカイドウ科シュウカイドウ属)咲いています。

シュウカイドウ:秋海棠は、江戸時代の初期に中国から渡来したといわれていますが、紅色の花を点在させて秋の訪れを告げる姿は、どこか日本人の心情にも訴えるものがあります。

シュウカイドウは雌雄異花で、雄花をつける枝は上に伸びて数も多く2個の大きい萼片と2個の小さい花弁を持ちます。雌花をつける枝は、垂れ下がっていていますが、雌花は上手に栽培しないと普通は開きません。その代わりか、葉腋にむかごが付き、それがこぼれて翌年発芽します。手入れ要らずで毎年花開く秋海棠はお徳用な花でもあります。

 花が垂れ下がって咲くことが、春に咲く海棠に似るということで秋海棠の名があり、同じことから瓔珞草ともいいます。

 中国の古い話に、ある女性が恋人に会えずに会えず毎日北窓で泣いていた所、その涙のこぼれたところに草が生え、その姿はいかにも女性が泣く痛ましい姿に似てなまめかしいので断腸草(断腸花)と名づけられました。これが今の秋海棠といいます。ほかにも、遠くへ商売に出かけた夫が病死したという噂を信じられず、帰りを待ち続けた妻の名がした涙がこの花になったとか、ある女性が恋焦がれるあまり、階段の下に血を吐いたその血から生えたのが思想草でこれが秋海棠だとか、秋海棠には多くの中国の説話が伝わりますが、いずれも女性が悲しむ風情がからんでいるのは、日陰を好んで咲く艶なこの花の姿に思いを重ねているのかもしれません。


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