古事記国生み神話の故郷といわれる淡路島の沼島を訪ねたのはもちろん歴史探訪が主目的ですが、あわよくば海辺の植物観察もと思っておことです。しかし1億年前の岩石が海上に露出したといわれる沼島は、海岸線が険しい岸壁が続き、海辺へのアプローチが容易ではなくて、期待ほどの海浜植物に出会うことができませんでした。
そんな中でも出会った数少ない植物をここ数日紹介してきました。海辺通りの高い石垣に生えていた今回のツルナ蔓菜(ツルナ科ツルナ属)もその一つです。
茎が蔓のように這って広がり、葉が食べられることからこの名があり、別名もハマジシャで、よく食べられていることがわかります。
北海道西部から九州、中国、東南アジア、オーストラリア、南アメリカに分布し、海岸の砂地に生え、時には食用に栽培もされる多年草です。
高さは40~60cmほどになり、互生する葉は三角状卵形で長さ4~6cm、厚くて柔らかく、細かい突起があってさわるとざらつきます。
花は黄色で葉の付け根に1~2個ずつつき、4月から11月ごろまで次々に咲き続けます。花弁はなく萼片が花弁状になっています。以前紀州天神岬で6月に見たツルナは黄色い花をつけていましたが、11月の沼島のツルナはつぼみをつけていて、花期の長さを示していました
キャプテンクックがニュージーランドから持ち帰りイギリスで栽培されたことからNew Zealand Spinach(ホウレンソウ)の名があるといい、日本でも古くから食用にされている国際的な食用草です。
漢名は番杏です。
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