むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ハナスベリヒユ:花滑り莧(地味な野生から大変身) 

2014-07-20 13:32:54 | 植物観察過去ログについて

夏の日差しを浴びて庭先の小花壇に植えたハナスベリヒユ:花滑り莧(スベリヒユ科スベリヒユ属)が真っ盛りです。
雑草としてどこにでも見られるスベリヒユ(’05年9月14日記事)を1982年にアメリカで改良してつくられたものとされており、暖かい地方の花壇や庭に草花として広く普及しています。
園芸店では属名であるPortulacaそのままにポーチュラカで売られているほか、ヘラバマツバボタン(箆葉松葉牡丹)の別名もあります。
スベリヒユの仲間は、葉は厚ぼったく、光沢がり、茎も多肉質であり、日中は気孔を閉じて水分の蒸散を防ぎ、夜間に気孔を開いて二酸化炭素を吸収して炭素固定を行うというベンケイソウ型代謝をするCAM植物に属し、暑さや乾燥に強い対応能力を持っています。このため茎を噛むと中間物質であるリンゴ酸由来の酸味があります。
そんなことで、水やりを気遣う必要もなく、茎をちぎって土に挿すだけで根付いて殖えるなど、世話いらずでお徳用な草花です。
ハナスベリヒユの花は陽があたると開き、径2cmから3cmくらい、色は多彩で白や黄、桃色、薄紅色などの種類があります。
ハナスベリヒユの雌蕊は雄蕊より長くて、花芯の縁に傾いてつき、同種交配を避けているように見えます。面白いことに雄蕊に軽く触れると刺戟した方向に曲がります(傾震運動)。小さいスベリヒユの花ではよく見ることができないこの現象も、大きいハナスベリヒユの花でははっきり見ることができます。

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