◇先生の講話
1.文房四宝(3) 墨
○ 墨=黒+土:(油)煙(煤)+膠(字からみて昔は土も混ぜていた) 前漢時代に出来たといわれているが、証拠はない。
*大きく分けると以下の2種類。
・松煙墨 松脂入りの松を燃やした煙 青っぽい 和紙に合う
・油煙墨 胡麻、菜種、桐の実を燃やした煙 茶色系 中国紙に合う
*中国の墨は膠が少なく割れやすく、摺るのに時間がかかる。
*形は、棒状 例えば、紅花墨 安いのから高いのまである。
○ 墨液
*濃墨(瓶入り)、粉状あり 自分で水で薄めてよくかき混ぜて使う必要がある。
*作品展用には、開明または呉竹が良い。
2.作品展:色紙、1/2半切、1/4半切 の書き方
○ 色紙
*金粉がついているのは裏、和紙が貼ってあるのが表 (よく間違う)。
*表 滲むものと滲まないものがあるが、滲んでも構わない。
*スミ・カスレ・アンバランスを意識してほしい。
(例1) 学ぶに如かず 文章で書けば 不如学 だが 左から 学如不 と書いてみた 落款は 左側
(例2) 一期一会のように 同じ文字が出てきたら、敢えて書き方を変えたほうがよい
(例3) 不羈のようにもともと大きさに差がある文字では、不を小さめに右上 羈を大きめに右下に書くと面白い
○ 1/2半切
上下を開けて、少し縦長な文字にするとよい。
○ 1/4半切
4~5文字。 どこをカスレにするか どこを大きく どこを小さくを考える。
3.習字と書道について
○ 習字 文字通り“字を習う”
篆 隷 楷 行 草 かな の 6字体 すべてかけると三段から六段。
*篆 隷 草 などは いろいろなところで目にしているはず。
*自分の名前・住所は、6字体で書けるようにしておいて欲しい。
*“結構”をよく勉強してほしい 文字の成り立ち、バランスが大事。
○ 書道 六段から上
*自分の字を作る。間違ってなければよい。
*アンバランスも大事。
4.その他
谷田貝さん 今回の検定でその最高位である“師範” に合格内定。
*師範の上は教範、成家。検定はなく、展覧会に出して認められること。
(出席者10名 香村 記 )