揺れるウクライナ:「右派セクター」急成長 謎の覆面自警団、過激化あおる/毎日新聞

2014-02-27 11:56:49 | 世界
http://mainichi.jp/shimen/news/20140227ddm007030150000c.html
【キエフ篠田航一】ヤヌコビッチ政権が崩壊したウクライナの首都キエフは、徐々に治安が回復し落ち着きを取り戻しつつある。だが、デモ隊が占拠する「独立広場」は覆面姿の自警団がたむろし、独特の雰囲気を醸し出している。自警団の中にはデモを過激化させた極右集団「右派セクター」メンバーも多いとされるが、その実態は謎に包まれている。

 右派セクターの事務所は広場付近のビルにあり、入り口で目出し帽姿の男2人が立っている。話を聞こうとすると「責任者に連絡を」と言われ「たらい回し」にされた。幹部クラスは多忙を理由に会おうとしない。

 ある20代の男性メンバーが打ち明けた。「上から何も話さないよう厳命されているが、実際はそれほど力はない。政変が起き、最近になって『勝ち馬に乗る』ために入ってきた者も多い。顔を隠すのは、安全のためさ」

 メンバーや地元記者の話を総合すると、設立は昨年11月で、他の野党の反政府デモを「手ぬるい」と感じる過激なメンバーが集結。民族主義組織「ウクライナの愛国者」や、若者組織「白いハンマー」など既存の複数集団の連合体だという。

 だが、実態はドイツの極右組織ネオナチに似た過激思想の持ち主、反ユダヤ主義者、暴力的なサッカーファン(フーリガン)まで含む「ならず者の集団」(地元記者)との見方も。取材記者への暴行事件も起きている。メンバーはキエフだけで3000人だという。

 結成わずか3カ月で急速に勢力を伸ばした。「オリガルヒ」と呼ばれる新興資本家が、親密だったヤヌコビッチ政権を見限り、右派セクターに資金援助したとの報道もある。だが、末端の若いメンバーは皆、資金源を「知らない」と話した。

 事務所付近で取材中、素顔の若い女性がやって来た。「記者なら帰って」。命令口調だ。「若い世代に右翼思想は浸透しているのか」と尋ねると「私は医療スタッフとして協力している。この国のためと思って働く女性も多い」とまくしたて「これ以上は話せない」と質問をさえぎった。

 右派セクターに対する評判は良くない。広場で1月からデモに参加する建設業の男性(53)は「当初は平和的デモだったが、右派セクターが石や火炎瓶の使用など過激化をあおった」と声を潜める。自警団には法的な治安権限はないが、「不気味だが、怖いので従うしかない」と不安視する市民も多い。

よろしければ、下のマークをクリックして!


よろしければ、もう一回!
人気<strong></strong>ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。