12月5日、国連総会で「ウラン兵器決議」採択 投票結果/ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)

2007-12-09 09:10:35 | 世界
すでにお知らせしておりますように、12月5日午後(現地時間)、国連総会で
「劣化ウランを含む兵器・砲弾の使用の影響に関する決議」が、賛成多数で採択さ
れました。投票の内容は、賛成136、反対5(米国、英国、イスラエル、チェコ、
オランダ)、棄権36、欠席(無投票)15でした。(下記のリストをご参照下さ
い。)
 日本も、第一委員会に引き続き、賛成票を投じました。

 この決議を受けて、国連憲章と国際人道法に基づき、「DU兵器使用が人体や環境
に及ぼす潜在的に有害な影響を考慮」し、(1)国連事務総長の名において、国連
加盟国と国連関連機関に対し、DU兵器の影響に関する意見の提出を求め、来年の国
連総会でその報告を提出すること、そして、(2)来年の国連総会の正式な議題に
DU兵器問題を含めることが要請されます。私たち「ウラン兵器禁止を求める国際連
合」(ICBUW)としても、この決議を歓迎し、「対人地雷」「クラスター爆弾」に
引続き、国際的にウラン兵器禁止の議論を前進させるための大きなステップにして
ゆきたいと考えています。

 11月の第一委員会での投票の際には反対票を投じたフランスが、今回の総会で
の投票では「無投票」に転じました。(詳細な背景はまだわかりませんが、フラン
スの代表は、この決議の投票の場にはおり、この日の午後に行われた他の決議の投
票には、全て参加していたとのことです。)前回、棄権したいくつかのNATO加盟国
のいくつかは、国内でのICBUW賛同団体の働きかけにもかかわらず、残念ながら今
回も棄権のままでした。

 第一委員会での投票には欠席していた非同盟運動(NAM)加盟国のうち9カ国と、
NAM加盟国ではない2カ国が、今回は投票に参加し、賛成票を投じました。特に、
セルビア(第一委員会では棄権)とボスニア・ヘルツェゴヴィナ(前回は欠席)は、
いずれもNAM加盟国ではありませんが、今回賛成票を投じました。ウラン兵器の被
害国として、この問題への関心を改めて示したものとして注目されます。

 他に、前回は欠席で今回は棄権した国(いずれもNAM以外の国で3カ国)、また、
今回の投票には事情があって参加できなかったNAMの国(2カ国)がありました。
なお、記録上は、前回、棄権票を投じたカンボジア(NAM)は、第一委員会での投
票後、「賛成票を投じるつもりだったが、誤って棄権票を投じてしまった」ことを
正式に表明し、今回は、賛成票を投じています。

 投票の数日前に、オランダ国会では「賛成票を投じるように」との決議が出され
ていたのですが、オランダ政府は、前文の「潜在的に有害な影響(potential harmful
effects)を考慮に入れつつ」という文言に難色を示し、結果的には反対の態度を
変えませんでした。しかし、総会での決議採択の後、次のように発言しています―
ウラン兵器の問題についての調査の必要性を認識しており、国連がこの問題に関心
を示したことに感謝する。また、WHOなどの国際機関による科学的調査では、決議
で言及されている「潜在的に有害な影響」を支持するような確定的結論は出されて
いないが、オランダ政府としては、この問題についての現在進行中及び今後の調査
を注視し、採択された同決議に従って報告される他の国連加盟国や国際機関の見解
を注意深く検討したい、と。

 いずれにしましても、国連総会において劣化ウラン決議に関する決議が採択されt
たのは今回が初めてです。しかも圧倒的賛成による採択です。劣化ウラン問題への、
より積極的な取り組みの実現のため、今後も皆さんとともに、国際社会や日本政府
への働きかけを、さらに強めてゆきたいと思いますので、ご支援とご協力をよろし
くお願い致します。

     ICBUW(ウラン兵器禁止を求める国際連合)運営委員:
                         嘉指信雄
                         森瀧春子
                         振津かつみ

「ICBUWサポーター拡大キャンペーン」実施中
 劣化ウラン兵器は、無差別的被害をもたらす非人道的兵器です。一日も早く全面
的禁止を実現するため、ぜひあなたもICBUWサポーターになって、国際キャンペー
ンを支えてください!言うまでもありませんが、国際キャンペーンのさらなる展開
には、チラシの作成、通信費、スタッフ経費など、かなりの資金が必要となります。
何卒宜しくお願いいたします!
      カンパ振込先:
      郵便振替口座名: 「ICBUW・国際キャンペーン」       
      口座番号: 01310-0-83069
     [一口2,000円。多数口、大歓迎]

ICBUW国際キャンペーンの詳細については、「NO DUヒロシマ・プロジェクト」ホー
ムページをご参照ください―― http://www.nodu-hiroshima.org/


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