リッダ闘争の5月に/重信房子

2010-06-08 17:40:42 | 世界
★★★ リッダ闘争の5月に★★★
再びリッダ闘争を闘つた5月を迎えています。
5月はまたイスラエルがパレスチナ人を虐殺追放し、「イスラエル建国宣言」をしたナクバ(民族の大破局)の5月でもあります。
あのナクバからすでに62年目の5月。
リッダ闘争から38年目の5月。
パレスチナには公正な平和が訪れるどころか、今も土地収奪占領、パレスチナからパレスチナ人の追放が広がっています。
あの63年前の国連決議同様に、今日までユダヤ資本やシオニズムと結託した米欧政府がイスラエルの犯罪を許しているからです。
5月のNPT会議(国連核不拡散条約再検討会議)一つとっても、こうした世界の歪みは明らか
です。
イスラエルの核兵器保有は誰もが知っていながら、不問に付されています。
その一方で、イランの核を騒ぎ立てて、北朝鮮の核を封じ込めようとしています。
日本政府もまたアメリカの利害に日本の「国益」を重ねて、不公正な歪んだ「世界秩序」に加担しつづけています。
米軍占領下の戦後の呪縛のままに。
こうした世界に自ら民族の生存をかけて、パレスチナは63年も闘いつづけることを強いられてきました。
今もそうです。
リッダ闘争は、他の当時の戦闘と同様に、正義と公正を求めたパレスチナ解放の闘いでした。
戦士たちは、やむにやまれぬ時代の良心を引き受けて闘いました。
リッダ闘争は、時代の要請と共に限界も負った戦術ではありましたが、パレスチナ人民と日本人民ばかりか世界の闘う人民の友情と連帯の70年代を育ててきた、国際主義の新しい力でもあったのです。
あの闘いから38年。
今もパレスチナアラブでの友情は、ベイルートに亡命中の岡本さんと繋がり、また、日本とパレスチナの新しい連帯を育てています。
リッダ戦士たちの時代の良心は、闘いの形、方法は変わっても、世界の各地で今も深く引き継がれています。
こうした人民同士の連帯は、歪んだ「世界秩序」をこれまでも告発し、正してきた力です。こうした国際連帯は、各国政府の不公正な政策を押し留める力を今も育てています。
今、ネタニヤフ政権はかつてない残虐な民族浄化政策をつづけています。
パレスチナの土地、伝統の強奪と、パレスチナ人追放と暗殺をくり返しています。
今、闘いつづけること、闘いによって統一したパレスチナ解放闘争を復権させること、ここにこそ、NGOや国際連帯と呼応した解放の新しい力が育っています。
パレスチナの統一した闘いの復権は、また翻って、日本の変化、変革を求める力と結びつくでしょう。
日本の辺境にあつても、闘いつづける限り希望は育つことを私は知っています。
リッダの戦士たちがそうであったように。
リッダ闘争38年目のこの5月、パレスチナの多くの戦士たちの一人として闘い抜いたリッダ戦士たちの志を深く刻みます。
そして、その志を現実の変革と連帯へと、これからも命ある限り育てたいと思います。

                              重信房子


5・30リッダ闘争38周年アピール/ムープメント連帯2010年5月30日
5.30リッダ闘争38周年記念メッセージ

連合赤軍による銃撃戦と同志粛清の驚愕が冷めやらぬ1972年5月30日、彼方の地から
「目覚め」を告げるかのような銃声が響いた。
日本人三戦士によつてシオニスト軍占領下にあつたパレスチナ領内「リッダ空港」に
決死攻撃が敢行された。
作戦コードは「デイル・ヤシン」。
アラブ住民追放のため、シオニストテロ組織が無差別虐殺を行つた村の名だ。
イスラエル「国内」への特攻作戦が国際連帯で闘われた報に、アラブ世界は歓喜の声で
湧き返った、と言われる。
5月30日を「創立記念日」にした日本赤軍は、残念ながら30年を待たずに解体した。
日本赤軍の「正負の遺産を継承」した「ムーブメント連帯」も04年に息切れから停止した
ままにいる。
二番底も抜けた状態が6年間続いた。今年になり、二番底を少しずつ固める作業がわずか
な「有志」によって始まった。
「日本赤軍解散」から9年、リッダ闘争からは38年の長き時が流れていた。
その間に、1人の同志が獄中で殺害され、何人かが病死、事故死した。
何人もの共闘同志が爆殺された。
その一人は少年時代からの友人で、青年となり組織の責任を負い始めた時に自動車爆弾で
暗殺された。
ある共闘同志は岡本同志とともに「釈放・奪還」されたが、獄中での拷間の深手が
癒えずに亡くなった。
また、同志だけでなく、友人たち、それぞれの家族が亡くなっている。
われわれはこの「5.30」記念日をリッダ戦士の追悼だけでなく、先に逝つたすべての
同志、友人、家族を想い起こし、残つた友人たちとの「再会」と新たな友人たちとの
「出会い」の場としてきた。
この38年は、実に多くの友人たちに支えられてきた歳月でもあつた。
そのため昨年の「5・30」は、「友人たちへの感謝」をテーマにした。獄中同志たちを
支え続けている「救援」の友人たち。
かつては党派の袂を分かちながらも、2001年以降の困難な時期に物心両面で支えてくれた
友人たち。
自らの驕りを「感謝」の気持ちで洗い流す日としてきた。
今年のテーマは、「日本赤軍のここが悪い」。
支えてきてくれた友人たちの日から見た38年はどのようなものだつたのか。
われわれは自らの客観的な姿をもつと知らなければならない。
率直な批判を聞きとめるだけの力量の有無が、今こそ、われわれに問われている。
*以下省略


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