3月メール通信「議員定数削減とは どういう問題か」/池住義憲さんから

2016-03-01 16:25:02 | 社会
『議員定数削減とは どういう問題か』
~~名古屋市の場合~~


     2016年3月1日
池住義憲
    (末尾に今後の講演案内あり)

 名古屋市の自民・民主・公明3会派は、2月19日に開会した2月定例議会の最終日(3月22日)近くに、議員報酬増額と抱き合わせて、議員定数を削減する議員提出条例案を提出する予定です。
名古屋市の人口(2,298,358人、2016年2月1日現在)からすると議員定数の法定上限数は88ですが、現在は75に止まっています。
それを次期一般選挙から7減らして68にしょう、というのです。

 議員定数問題は、議会制民主主義の根幹に関わります。
市民の声を聴かず、十分に審議することなく即決するようなことがあれば、名古屋市の民主主義はさらに形骸化します。
議員の活動原則は、①市民の代表として市民の意見を的確に把握する、②議会で十分な審議と討論を尽くす、③多様な市民の意思を反映させて市民生活向上に必要な意思決定を行うこと、です。

 議員が市民への透明性・公開性並びに説明責任を果たすことによってはじめて、市民が議会への活動に参加する機会が確保されます。
そして、議員と首長(市長)どちらも住民による直接選挙で選ばれるという二元代表制のもとで、議会は、行政執行責任者である市長を独断専行に走らせず、市民のために適切な施策執行をしているか否かを絶えず監視する重要な役割を担っています。

 議員定数問題は、議員のそうした役割・責任が十分果たされているか否かという本質議論を行うことから始めなければなりません。
これを軽視・無視した定数削減は、民意の反映を縮小し、議会本来の役割・機能を低下させます。
本質議論を避けた安易でその時々の便宜的な定数削減は、少数党を排除し民意を正しく反映しない議会を創り出します(いわゆる小選挙区制”効果”)。
その行きつくところは、地域のことは地域で決めるという「地方自治」「地方主権」の崩壊です。

 こうした状況のなかで、私も呼びかけ人の一人になっている「名古屋の民主主義を守る会」(旧称:名古屋市政の民主主義を守る14人の会、2011年5月発足)は、近日中に名古屋市議会議長と各会派に意見表明/要請書を提出する方向で準備を進めています。
議員定数問題は住民自治と民主主義の基礎であることを、今一度、再認識・再確認することを強調する必要があるからです。

 具体的には、名古屋市議会基本条例に従って、①議員定数および議員報酬に関する改廃は、議会基本条例の趣旨・理念に立ち戻って本会議/常任委員会等で熟議すること、②議員定数および議員報酬に関する市民の声を広く聴くための機会を設けること、③拙速な事務的・形式的採決を強行するのでなく、参考人制度や公聴会制度などを活用すること、などです。

 みなさんの市町村議会は、いかがですか?

以上
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<3~4月の主な講演/集会案内>  よかったらご参加を!

●3月5日(土) 愛知県日進市
【名称】 日進九条の会第11回記念集会
     「主人公はわたしたち! 選挙を考えよう!」
【日時】 3月5日(土)13:00~16:30
【場所】 日進市民会館 小ホール
     地下鉄鶴舞線「赤池駅」下車
     市内巡回バス「くるりんばす」 南西コース(ピンク)または南コース(青)乗車 「市民会館」下車(100円)
【内容】 第一部:三線と島唄「沖縄の心をとどけて」~~エイサーと共に
           浜盛重則さん
     第二部:講演「ドイツは戦争責任にどう向き合ってきたか」
           北住けいいちさん(名古屋大学大学院教授)
     第三部:問題提起「安保関連法の廃止にむけて~~私たちができること」
           池住義憲(日進九条の会世話人)
【参加費】500円

●3月12日(土) 愛知県名古屋市
【名称】 学習会「伊勢・志摩サミットとは何か?」
【日時】 3月12日(土)18:30~21:00
【場所】 ウイルあいち(愛知県女性総合センター)セミナールーム5
     地下鉄名城線「市役所」駅②番出口より東へ徒歩約10分
【内容】 「伊勢・志摩サミットとは何か?」
    (サミットとは何か? どのような影響を及ぼすのか? 安保関連法/集団的自衛権行使とサミットの関連はないのか? 私たちはどう対処/対応するか?等々・・・)
     講師:池住義憲
【主催】 ATTAC東海、不戦へのネットワーク
【資料代カンパ】 500円

●3月17日(木) 茨城県水戸市
【名称】 パルシステム TPP学習会第5弾
【日時】 3月17日(木)12:30~16:00
【場所】 茨城県JA会館本館 4階大会議室
JR水戸駅徒歩15分
【内容】 1.ドキュメンタリー映画
     2.講演「TPPの内容と今後の私たちの暮らしの行方」
        講師:池住義憲(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表)
【主催】 生活協同組合パルシステム茨城
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)

●3月23日(水) 茨城県つくば市
【名称】 パルシステム TPP学習会第5弾
【日時】 3月23日(水)12:30~16:00
【場所】 茨城県JAつくば市矢田部本所 3階大ホール
    (つくば市矢田部2,074-1)
【内容】 1.ドキュメンタリー映画
     2.講演「TPPの内容と今後の私たちの暮らしの行方」
講師:池住義憲(TPP交渉差止・違憲訴訟の会副代表)
【主催】 生活協同組合パルシステム茨城
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)

●4月16日(土) 名古屋市
【名称】 原子力発電問題講演会
【日時】 4月16日(土)14:00~16:00
【場所】 日本聖公会名古屋聖マタイ教会 ホール
     地下鉄鶴舞線又は桜通線「御器所」駅④番出口より徒歩7分
    (名古屋柳城短期大学向い)
【内容】 講演「なぜドイツは原発をやめることにしたのか~~原発政策 ドイツと日本のちがい」
     池住義憲(日本聖公会名古屋聖ステパノ教会信徒)
【主催】 日本聖公会中部教区、いっしょに歩こう!プロジェクト中部
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)

●4月29日(金・祝)三重県四日市市
【名称】 池住義憲さん講演会
【日時】 4月29日(金・祝)13:30~16:00
【場所】 四日市市総合会館 第一研修室
【内容】 講演「憲法改悪は私たちがゆるさない~~秘密保護法、緊急事態条項に秘められた危険に立ち向かう」
     池住義憲(元立教大学大学院特任教授)
【主催】 秘密保護法を考える四日市の会
【参加費】 無料(どなたでも参加できます)



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