世界市場を崩壊の危機に陥れた構造/JCJふらっしゅ

2008-10-30 21:38:46 | 世界
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      ┃Y・記・者・の・「・ニ・ュ・ー・ス・の・検・証・」┃
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□■世界市場を崩壊の危機に陥れた構造

 世界各国を巻き込んだ金融危機。これまでの金融システムに修正が必要であること
は、誰の目にも明らか。経済協力開発機構(OECD)の主任エコノミスト、クラウ
ス・シュミット=ヘッベル氏は、「OECDオブザーバー」誌とのインタビューで、
金融危機で行きすぎ規制の「罠」を警告しつつ、世界市場を崩壊の危機に陥れた4つ
の構造的「弱点」を指摘。(→AFP)

(第1)富裕層に過度に重点を置いた企業経営のあり方、不十分なリスク情報提供、
格付け機関の管理力不足、金融市場に対する各国政府の監視不足、これらが組み合わ
さったこと。
(第2)世界的な金融危機を招きかねない市場の過熱を防止するために必要な利率、
税率、金融政策などの見直しを金融当局が行わなかったこと。
(第3)今回の金融危機に対し、各国政府が「場当たり的」な対応しかできなかった
こと。各国政府は金融危機対策をより的確なものへ向上させる必要がある。
(第4)もっと早い段階で国際金融システムのあり方を再考する必要があったこと。

 AFPは、来月15日にワシントンD.C.で開催される緊急金融サミットでは、
同氏の指摘する「第4の弱点」について各国首脳が協議することとなる、と報じてい
る。

 私はヘッベル氏の指摘で十分だとは思わないが、4つの弱点の指摘には「今後」の
国際経済への提言の姿勢が含まれていることはいうまでもないことだろう。

 20世紀終盤から21世紀に突入して以降の経済のグローバル化が歩んできた道を
背景として把握し、種々の政治的軋轢をもたらす要因などを批判し、凌駕・止揚した
政策を反省をこめて探索しながら、世界の向かう道を力をあわせて模索し構築してい
かねばならない時期を迎えていることだけは確かであろう。

 ところで日本の政治は、麻生暫定総理が「政局より景気対策」といって、(1)総
選挙の前にこれまで絞りに絞って国民生活を窒息に追い込み、日本の経済社会を失速
させてきた自公政権の小泉時代以来の「改革路線」を、反省も謝罪も退陣もなく選挙
で民意を問うこともなく、放擲。

 なりふりかまわぬ民意「買収」に走って総選挙を勝ち抜こうという姑息な戦術だ。
もちろん民意「買収」では「無責任」のそしりを逃れられないから、三年後の「消費
税増税」をセットで打ち出している。

 こうしたその場しのぎの政治、深みも未来展望も政治が、いまの日本をつくってき
たのである。自分たちでやっておいて、ここまで民意が自民党から離れると、こんど
は選挙民にすりより、土下座までやってみせる政治姿勢に転じる。これが自民党政治
の本質であり、実態である。

 そんなものに取り込まれ、だまされる国民がどれほどいるのだろうか。バラマキは
与党だから即座に自分たちのペースでできるのである。これまでの反国民的な政治を
反省も謝罪もせず、退陣もせず、総選挙の時期を前にして、「景気対策」という名の
目先の人気取りに走る。もうこれ以上、このようなふざけた政治を許すわけにはいか
ない。

 自ら月刊誌で「早期の選挙実施」の決意を表明していた麻生首相は30日、依然、
解散総選挙の時期は「自分が決める」として選挙の先送りを示唆している。つまりは、
米サブプライムローン問題に端を発した世界経済の失速などもテコに、「経済対策に
全力」をあげて、目先のバラマキ景気対策をやり、民意を「買収」しておいて、総選
挙を勝ち抜きたいという考えというわけだ。

 麻生暫定政権は、1)スピード、2)重点をしぼる、3)赤字国債を出さない、4)
経済情勢が好転したあとに消費税を引き上げる、をかかげた。
 何の未来も展望も生み出せない自公政権の実態を、そのまま露呈する内容である。

 これをもって様子をみて解散総選挙に打って出ようという腹のようだが、こういう
勢力にこれ以上政治を託すことはできないのではないか。まともな政治をやらない、
やろうとしない「政治家」とは、いったいどんな存在なのか。

 いかに解散は総理の専権事項とはいえ、総選挙の前に目先の「景気対策」に走って
これまでの失政にほおかむりをすること自体、事前の選挙活動にほかならない。この
ようなアンフェアを唯々諾々と許しておくわけにはいかないのではないか。
 このようなアンフェアな政治家の集団だからこそ、ブッシュのネオコン教に入信し
て根拠薄弱な報復戦争に追従し、かつ斜陽期だった米軍産複合体を復活させ、同時に
日本の国民生活と経済社会をふみにじり、いけにえとして差し出してまでブッシュの
戦争をささえてきたのではなかったか。

 世界の地球環境保護の動きに反対し、最も地球環境を疲弊させ、生命をないがしろ
にしてきた米国一強主義のもと、新興国や途上国を見下し、マネーゲームの犠牲者と
して食い物にしてきたブッシュ米政権。日本の政治は、マネーを媒介としてその本質
を覆い隠した米国の「新・植民地主義」に追従して、コバンザメ商法に走り、日本の
低金利資金をもってそれを支えて走狗として動き、米軍と自衛隊の「融合」、国際的
に批判の高い米ミサイル防衛網の共同開発にまで踏み込んでいる。

 そのツケが未曾有の国際的経済破綻を呼び込んでいるのだ。
 この亡国政治、地球社会を自分たちの生き残りのためだけに利用し支配しようとす
る独りよがりの政治に未来などあるはずがない。サブプライムローンもブッシュの再
選のための選挙戦術として移民政策として実行されたものである。それを国際的な金
融連携による融資の証券化で、コントロール不能の状態へと追い込んだ。

 つまりリスクの分散化という名目による責任の所在の分散化を、ブッシュの政策の
バックボーンとしてきた。これは最終的に世界の国民に高負担としてのしかかる。膨
大な赤字戦費も、世界の市民がリスクを負担することを前提に設計されていたといえ
る。日本は「財政再建」の名の下に、地方自治体と国民生活を犠牲にしてブッシュの
戦争をささえ、それがいま破綻し、世界経済の「再生」のときが訪れている。

 いま必要なのは、麻生政権の「追加経済対策」ではないのである。
 根本的な戦争追従政策の反省であり、そこからの脱皮であり、国民生活と経済社会
の再構築である。その担い手として、自民党や公明党が適切であるとはもはやいえる
はずもない。自らその失政・不適格の責任をとってこそ、フェアな国といえるだろう。

 麻生自公暫定政権の、自分たちの生き残りだけを図る動きにはあいた口がふさがら
ない。日本の政治は、自民党の政治一族のために存在するわけではない。目先のアメ
にだまされて、さらに国民の頭をおさえつけ、日本の未来を根本から腐らせ続けるよ
うな無能・無策の政治を続けさせるようなことがあってはならない。
 市民とジャーナリストの連帯の重要性がいよいよ高まっている。

金融危機で行きすぎ規制の「罠」、経済アナリストが警告(AFP)
http://www.afpbb.com/article/economy/2532979/3474129

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