原子炉など処分場未定 中程度汚染 事業者も決まらず/東京新聞 ほか

2013-06-11 15:24:08 | 社会
原発の運転や廃炉作業で出る放射性廃棄物のうち、原子炉や制御棒など放射線量が中程度のものを地下に埋める処分場の選定作業が全く進んでいないことが分かった。これらの廃棄物は地下五十~百メートルに埋設する規定になっており、「余裕深度処分」と呼ばれるが、事業主体も決まっていない。今後本格化する廃炉作業の遅れが懸念される。

 原発から出る使用済み核燃料は再処理され、残った放射性廃液はガラスで固めて三百メートル以深の地層に最終処分する。放射性廃棄物は、この「高レベル」と、それ以外の「低レベル」の二つに大きく分けられる。

 余裕深度処分の対象となる廃棄物は「低レベル」の範囲に含まれ、放射線量が比較的高めの部材だ。制御棒をはじめとする原子炉内の構造物や原子炉圧力容器、一定レベルの廃液などが当てはまる。

 余裕深度処分は、国の原子力委員会が一九九八年に示した「低レベル放射性廃棄物処分の基本的考え方について」という文書に初めて盛り込まれた。

 その後、電力全十社でつくる電気事業連合会(電事連)などで検討を開始。日本原燃が運営する核燃料サイクル施設(青森県六ケ所村)の敷地内で地盤などの調査に着手。二〇〇三年から長さ約一キロ、深さ約百メートルの試験坑道が掘られ、〇六年に完成した。〇七年から経済産業省資源エネルギー庁から委託を受けた研究機関が調査、研究を続けている。

 高レベル廃棄物は、原子力発電環境整備機構(NUMO(ニューモ))が候補地となる自治体を探しているが、現時点で応募はない。余裕深度処分の処分場の選定作業も放置されたままとなっている。

 現在、東海原発(茨城県東海村)、浜岡原発1、2号機(静岡県御前崎市)で廃炉作業が進行中だ。さらに、直下に活断層がある敦賀原発2号機(福井県敦賀市)や稼働四十年以上の老朽化原発が続々と廃炉になる可能性がある。

 電事連広報部は、余裕深度処分に関して「処分場の場所は現段階では決まっていない。各電力会社共通の課題として考えていくべきものと認識している」と話している。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013061190071404.html
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核燃料取り出し前倒し 第一原発廃炉工程表改定案/福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/201306118940

 政府と東京電力などでつくる廃炉対策推進会議は10日、福島第一原発の廃炉に向けた工程表について改定案を公表した。1~3号機の溶けた核燃料の取り出しを従来計画の平成33年末から最大1年半前倒しし、1、2号機では最速で7年後の32年度前半に開始する。作業の効率化で工程を短縮するとしている。ただ、廃炉に向けた作業は、汚染水漏れなどトラブルが多発。溶融燃料の状態の把握や遠隔操作ロボットの開発など技術的な課題に加え、コストの算定も未着手で、計画通りに進むかは不透明だ。
 改定案は各号機の現状を踏まえ、個別の作業スケジュールを初めて提示。その上で、既存の燃料取り出し設備の復旧や、クレーンなどの新設が必要となった場合の原子炉建屋の耐震性確保など、技術課題を達成できるか否かを想定した複数の計画をそれぞれ列記した。
 水素爆発で建屋上部が吹き飛んだ1号機は、使用済み燃料を搬出するためのコンテナを設置し、改造を施して溶融燃料の取り出しにも使うと、最速の32年度前半に開始できるという。一方、建屋の耐震安全性が不十分な場合は、建屋全体を覆う構造物にクレーンを設置することになり、取り出し開始は34年度下半期にずれ込む。
 2号機は既存の設備を復旧できる場合、32年度前半に取り出しを開始。耐震性が不足する場合は1号機と同様の手法を採り、取り出し開始は36年度前半と最も遅くなる。
 3号機は建屋の耐震性により、33年度後半から35年度後半となる。
 使用済み燃料プールの燃料取り出しは、原子炉に燃料がない4号機で今年11月に着手。1~3号機もそれぞれの溶融燃料に先立ち、27年度前半以降に取り出しを始める。
 この他、改定案では、放射性物質に汚染された水の増加を抑制するため、原子炉建屋の地中を凍土の壁で覆う方式を導入。県や地元自治体などの意見を踏まえ、月内に正式決定する。30~40年かかる見通しの廃炉完了時期は変えなかった。
 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は10日の記者会見で、計画前倒しについて「これまでひとくくりで判断していたのを、個々のプラントの特性を踏まえて判断したためだ」と強調した。
( 2013/06/11 08:49


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双葉病院患者遺族ら提訴 東電に1億2580万円請求/河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/06/20130611t63018.htm

福島第1原発事故による避難後に死亡した双葉病院(福島県大熊町)の患者3人と病院系列の介護施設入所者1人の遺族計15人が10日、原子力損害賠償法に基づき、東京電力に慰謝料など総額約1億2580万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。
 弁護団によると、死亡した4人は原発事故直後の2011年3~4月、避難先への移動や避難先での不十分な医療などで体調が悪化して亡くなった60~90代の男女。患者1人当たり3000万円の慰謝料を基準に請求した。4人は各自治体の審査で原発事故の関連死と認定されている。
 弁護団が入手した資料によると、福島県内の別の医療機関で関連死した患者のケースでは、遺族3人への慰謝料額が計220万円にとどまった。自賠責保険の基準額に東電が「原発事故の関与割合」として独自に算出した20%を掛け合わせたという。
 関連死は原子力損害賠償紛争解決センターへの裁判外紛争解決手続き(ADR)で和解例があるが、弁護団の新開文雄弁護士(福島市)は「関連死の正当な評価を問うため訴訟を起こした」と説明した。今後、追加提訴を予定している。東電は「訴訟に関することは回答を控えたい」と話している。
 双葉病院には原発事故当時、約340人の入院患者がいたが救出完了が震災5日後の16日と遅れた上、過酷な移動による体調悪化などで事故1カ月以内に40人が死亡。系列の介護施設でも10人が亡くなった。
2013年06月11日


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