ビルマ(ミャンマー):デモ弾圧後6カ月で40人に実刑判決/アムネスティ発表国際ニュース

2008-05-01 20:47:38 | 世界
アムネスティ発表国際ニュース
(2008年3月31日)

アムネスティ日本 <info@amnesty.or.jp>
http://www.amnesty.or.jp/

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ビルマ(ミャンマー):デモ弾圧後6カ月で40人に実刑判決、
僧侶に水与えただけの人も
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=470
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ビルマ当局がデモを暴力的に鎮圧してから6カ月が経った。アムネスティ・インター



ショナルの最新の調査によると、この間に7人の僧侶を含む少なくとも40人の抗議
行動参加者が拘禁刑を言い渡されたとしている。

「ビルマ政府は、国際社会の注目を、昨年9月の弾圧から憲法制定のための国民
投票の方へとそらそうとしてきた。同様に、正当な抗議行動への弾圧を、公衆の
面前である街頭から閉ざされた法廷の中へと移そうとしている」と、アムネスティは
述べた。「国民投票によって、ビルマにおける軍事政権の統治を正当化しようとして
いるのと同様に、政府は、刑を言い渡すことで、平和的な手段による反対意見の
表明に向けた暴力的な鎮圧を正当化しようとしている」。

アムネスティの見方によれば、2007年後半に政府が公式に発表した起訴理由とは
まったく異なり、この間の判決は明らかに政治的な動機に基づいているか、あるい
は、


抗議行動を行った者たちが平和的に人権を行使したことに対して下されている。
ビルマの国営メディアは、2007年11月7日に、「なんらかの形態の暴力行為や『テロ
活動」に関与した人びとに対し、法的措置をとると発表した。12月3日の記者会見で
は、


ビルマ(ミャンマー)の警察長官であるキンヂーが「放火や武器の不正所持に関わっ



者のみが裁判にかけられる」と発表した。

「当局が言うところの正当な理由によって下された判決はひとつもない。それどころ
か、



表現の自由や集会の自由の権利を平和的に行使したことに対して刑が科されている。
このうちの3人は、単に街頭で僧侶に水を与えたという理由で処罰されている」と、
アム
ネスティは述べた。

アムネスティは、昨年9月下旬以降、以下のような判決が出されていることを確認し
ている。

10月1日、マグウェ管区の国民民主連盟(NLD)党員、コーチョウケ(コーアウン
サンウー
としても知られる)は、9月下旬に「公衆に害を与える言動」をしたことを理由に、
刑法505条(b)により2年の刑を言い渡された。これは、刑法のこの規定に違反した
場合
に科されうる最長の刑期である。伝えられているところによると、彼は、地元のビデ
オ鑑賞
の店で外国メディアが報じるデモ弾圧の一場面を見た後、店内で仏教徒を支持するス
ロー


ガンを叫び、裁判中にもさらに政治的意見を表明したという。

10月11日、ラカイン州の「人権保護促進活動家委員会」のメンバー、コーソーウィン
は、


宗教を侮辱し、公序を乱したとして、刑法295条Aおよび505条(b)により4年の刑を
言い
渡された。9月5日のパコックでの僧侶に対する当局の暴力行為を受けて、彼は仏教徒
としての信念から、市場の外でプラカードを持ち、政治的理由で拘禁されている人び
との
釈放とタンシュエ将軍の追放を求めた。

11月7日、バゴー管区の「人権保護促進活動家委員会」のメンバーであるテッウー
(39)、


ゾートゥン(34)、ウーミンイェ、そして僧侶ウーパンニタは、「連邦の治安あるい
は法と秩序の
回復を妨げるような方法で大衆や集団の道徳に影響を及ぼし、あるいはそのような行
動を
指揮しようとした」として1950年非常事態法5条(j)ないし刑法505条(b)により2
年の刑を
言い渡された。4人は9月の抗議行動に参加し、資料を配布したほか、メディアに発言
していた。

11月下旬、ザンティララマ僧院の僧院長であるウーザンティラは、当局による襲撃の
最中に、
僧院から金銭が押収されたことに対し不満を訴える書簡を書いた後、政府を中傷した
として
2年の刑を言い渡された。彼は当局によって僧衣を脱がされたといわれる。

12月21日、9月に抗議行動中の僧侶に水を与えたことを理由に、シュエトゥエィは2年
半、


コーゾージーとコーヤゼイは2年の刑を言い渡された。3人はザガイン管区に住み、政
治的な
活動をしたことはなく団体にも所属していないと伝えられている。

昨年9月の抗議行動の際、あるいはその後に逮捕された少なくとも700人が未だに拘禁
されたままである。また、9月以前から収容されていた1,150人の政治囚は釈放されて
いない。

「昨年9月の抗議行動参加者に下された最近の判決を考える際には、660人以上の人び



が恣意的に拘禁されたままになっていることも考慮に入れなければならない。彼らは
すでに
6カ月間、いつ終わるとも知れない拘禁状態にある」と、アムネスティ・インターナ
ショナルは
述べた。

国連人権理事会が最近採択した2008年3月20日の決議を受け、アムネスティは、
ビルマに同国の人権状況に関する国連特別報告者による現地での事実調査をただちに
受け入れさせるべく、国際社会が圧力をかけるよう促している。

最近の国連事務総長特別顧問の訪問がビルマの人権状況に何ら進展をもたらさなかっ




ことを考慮して、アムネスティ・インターナショナルはまた国連安全保障理事会に対
しても、
2007年10月11日に「遺憾の意」を表明した議長声明の懸念を反映したビルマに関する
決議
を採択するよう強く求めた。

「ビルマ当局は安全保障理事会の要請に従わないばかりか、このような判決によって
ビルマ
の人びとへの人権弾圧は次の段階に入った。安保理はこういったことが続くのを容認
して
はならない」と、アムネスティ・インターナショナルは述べた。

*アムネスティがまとめた有罪判決を受けた人びとのリストは以下のサイトでご覧に
なれます。
http://www.amnesty.org/en/news-and-updates/news/myanmar-protesters-sentenced


アムネスティ発表国際ニュース
2008年3月31日

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amnesty international Japan
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<http://www.amnesty.or.jp/>
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今週のビルマのニュース Eメール版
2008年5月2日【0810号】
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【今週の主なニュース】
在日ビルマ人が国民投票での投票権を要求

4月26・27日、在日ビルマ人民主化活動家約150~200人が
軍政の憲法案の是非を問う国民投票への在外投票権を求め
在日ビルマ大使館に早朝から並んだ。26日には警備に当たった
機動隊員ともみあいになり、約10人が病院に運ばれるなどした。
大使館が投票を認めなかったため、ビルマ人活動家は大使館前で
投票を行い、連合職員など日本人が選挙管理委員係を務めた。
開票結果は賛成6、反対224、無効2。票は大使館の郵便受に入れられた。

【その他】
米国がビルマ軍政に追加制裁、ほか

・米国のブッシュ大統領は2日、ビルマの国営企業3社の
在米資産を凍結し、商業取引を禁止する大統領令に署名した。
国民投票についても、信頼できる投票にはならないと非難した。

・欧州議会は24日に決議を採択し、国民投票プロセスが
民主的正当性を欠いていると非難した。

・民族住民に対する残虐な迫害の実態を日本の市民にも
知ってほしいと、日英の専門家が東京で報告会を行った(27日)。
国際NGO、クリスチャン・ソリダリティ・ワールドワイドのベネディクト・
ロジャーズ氏は、ビルマ軍による民族住民への攻撃、子ども兵士の
徴用、国内避難民の増加などの問題を写真を使って説明。
ビルマ情報ネットワークの秋元由紀は、ビルマ軍による迫害行為と
天然ガスなどの資源開発との関係を明らかにし、日本の政府や
企業が軍政の開発事業に関わっている事実を紹介した。

詳しい記事はこちら(日刊ベリタ):
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200804292140492

・米国のビルマ民主化支援団体、米国ビルマキャンペーンは1日に
新キャンペーンを開始。30日間に渡って毎日、ハリウッドの人気
俳優がビルマについての映像メッセージを発表するというもの。
初日はウィル・フェレル、2日目はジェニファー・アニストンが担当。
今後はシルベスター・スタローン、アンジェリカ・ハストン、シェリル・
クロウほかが出演予定。

【ビルマへの政府開発援助(ODA)約束状況など】

今週の約束発表はなし


【イベントなど】

・映画『ビルマ、パゴダの影で』トークイベント 
ゲスト:テーテーイスェ氏
(3日、渋谷・アップリンク、上映14時半~・トーク15時50分~)

・『このままでは危ない!ビルマの未来-不公正な国民投票にNO ! (仮題)』
在日ビルマ人共同行動実行委員会主催
(東京・南大塚ホール、7日17~20時)

・第53回ビルマ市民フォーラム例会
(東京・池袋・ECOとしま8階、5月10日18時~20時半)

・映画『ビルマ、パゴダの影で』トークイベント ゲスト:ティンアウン氏
(DVB=ビルマ民主の声記者)
(渋谷・アップリンク、11日上映16時半~、トーク17時50分~)

・写真展「ビルマ2007 民主化運動:高揚、弾圧、現在」の展示

-房総・和田町テトラスクロール(5月21日~6月1日)

-ジャカルタ、日航ホテル(5月21日~23日)

・ビルマ難民申請者(カチン民族)アウンラ氏(難民不認定取消の
裁判と再審情願で在留特別許可請求中)裁判期日(福岡地裁三階
302号法廷、19日午後1時10分)。公判後、福岡県弁護士会館で報告会。

・連続セミナー第2回「国籍・在留資格のない子ども」在日ビルマ人
女性M氏、渡辺彰悟弁護士(在日ビルマ人難民弁護団事務局長)
(早稲田奉仕園内日本キリスト教会館、6月14日14時~) 


【もっと詳しい情報は】

きょうのビルマのニュース(平日毎日更新)
http://d.hatena.ne.jp/burmainfo/

ビルマ情報ネットワーク
http://www.burmainfo.org/


【お問い合わせ】
ビルマ情報ネットワーク 秋元由紀

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今週のビルマのニュース Eメール版
2008年5月2日【0810号】

作成: ビルマ情報ネットワーク
協力: ビルマ市民フォーラム
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配布元: BurmaInfo(ビルマ情報ネットワーク)
    http://www.burmainfo.org
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