TUP 速報702号 ドナより 自宅軟禁、裁判長が却下!

2007-06-02 19:24:23 | 世界
皆さんに感謝します、いいスタートを切りました! 興奮しています!
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 オーストラリア人女性ドナ・マルハーンは、2003年春イラクでの「人間の
盾」に参加し、04年春には米軍包囲下のファルージャに入り、その帰路地元レ
ジスタンスによる拘束を経験し、04年冬から05年春にかけてイラク・パレスチ
ナを旅して、05年8月アメリカからシンディ・シーハンのキャンプ・ケーシー
について報告してくれました。オーストラリアに帰国したドナは自国のテロを
見据え、05年12月に米国主導のイラク戦争・占領にオーストラリアが最も貢献
してきたアリス・スプリングス近郊のパイン・ギャップ軍事基地に向かい民間
査察を強行して逮捕・起訴され、最高7年の刑期を課せられるかもしれませ
ん。
 ついに始まった裁判の第1報です。
                      (翻訳:福永克紀/TUP)
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自宅軟禁、裁判長が却下!
ドナ・マルハーン
2007年5月29日

お友達の皆さんへ

本日火曜日、とうとう訴訟手続きが始まりました(色とりどりのバナーやプラ
カードを掲げて裁判所へ行進したあとで)、廷内監視つきで、それにヒルトン
・デンボ検察官による私たちを自宅軟禁にしようという試みまでついて!

言うまでもなく私たちは反論しました――そして、勝ったのです! 彼はま
た、パイン・ギャップの2キロ以内に私たちが進入することの禁止も求めまし
た(週末に私たちが予定するパイン・ギャップへのデモに参加できなくなると
いうことです)。私たちには政治的抗議の権利があると反論しました、そして
勝ったのです。

通常は厳粛な法廷で、この日一風変わった色取りを見せたのは裁判官と検察官
だけでした。数ヶ月前「市民不服従とか何とか言ったって、それはいったい何
なんですか?」と言ってのけたデンボ検事は、日焼けした顔の銀髪に鬘をつけ
法服をはおり、まるで風刺漫画の気難しくて大げさに振舞う検察官の様相を見
せ始めました。

彼は、裁判が始まるときには連邦検察官をひとり検察側席の彼の横に座らせ
て、その人が証拠書類を扱う手助けができるようにしてほしいと要求しまし
た。そして、こう付け加えたのです。「私自身と被告人たちの間に緩衝地帯を
設けるというか……。いえ、何も彼らを恐れているわけでは……」

いつもポーカーフェイスのサリー・トーマス判事は、なんの躊躇もなくこう言
いました。「おそらく、彼らのほうがあなたのことを恐れているはずです!」

一方、裁判の始まりにあわせて今日、オーストラリア中で連帯イベントが成功
裏に行われました。皆さんの支援、思い、祈りに感謝します――いいスタート
を切りました!

明日午前10時から陪審員の選任を行い、その後検察官が起訴状を朗読して正式
裁判が始まります。

今日の出来事をメディアがどのように報道したのか、そのリンクです。
http://www.news.com.au/story/0,23599,21815635-1702,00.html
http://www.smh.com.au/news/National/Pine-Gap-protesters-gather-in-Brisbane/2007/05/29/1180205216633.html
http://www.melbourne.indymedia.org/news/2007/05/145591.php
http://sydney.indymedia.org.au/node/51062
水曜夜にあるラジオ・ナショナルのフィリップ・アダムスのライブ深夜放送も
聴いてみてください。

それに、この昨日のクリッキー・ドット・コム(Crikey.com)の分析もどう
ぞ。

[訳者注:以下、クリッキー・ドット・コムの記事]
15. パイン・ギャップの抗議者たち、法律の遠くまで及ぶ冷酷な手に
  グレッグ・バーンズ

パイン・ギャップ軍事基地に抗議行動を起こした者たちに対して、明日北部準
州最高裁の裁判が始まる。特に変わったことではない――この米豪軍事基地は
反対者たちの焦点であり続けてきており、アリス・スプリングスの裁判所は不
法侵入とか暴力行為その他の微罪に問われた被告たちの事件を扱ってきた。そ
してその扱いは、ほとんどすべての事件で抗議者たちに対するお仕置き程度の
軽い罰か、最悪でも罰金であった。

ところが、明日アリス・スプリングスの裁判所に出廷するブライアン・ロー、
ドナ・マルハーン、アデル・ゴールディー、ジェイムズ・ダウリングは、2005
年12月9日にパイン・ギャップのフェンスを切って侵入し建物の屋根に上り施
設の写真を撮った容疑で、実刑の憂き目に会おうとしている。

この自称「キリスト教徒平和主義者」の活動家4人組は、パイン・ギャップの
市民査察を実行したかったのだと言う。彼らは、多くのオーストラリア人と同
様イラク戦争に反対しており、イラク戦争にオーストラリアが参戦することで
この国がますますテロ攻撃を受けやすくなったと信じている。

しかし、ハワード政権とその警察当局は、短時間で実害もない彼らのパイン・
ギャップへの侵入をひどく重大視した。アリス・スプリングスの下級裁判所が
扱う事件となれば、そううまくやれる方法はない。そこで変わりに連邦政府
は、冷戦の真っ只中にメンジーズ政権が1952年に通過させた法律、防衛(特別
事業)法1952年を引っ張り出してきた。もしこの法を破ったとなれば、最高7
年の投獄をくらうことになる。

この法律は、あの悪名高いマラリンガ核実験を含めた幾多の核実験が行われた
南オーストラリア州、西オーストラリア州、北部準州の広大な地域に、公衆の
目が届かないようにすることをメンジーズ政権に許した法律である。長年の
間、この法律が連邦政府に使われることはなかった。実際、いくつかの学問的
報告によれば、誰かがこの法で起訴されたのは初めてのことである――およそ
55年もの長きにわたって、パイン・ギャップの抗議者たちの数は文字通り数百
人にも上るという注目すべき事実にも関わらず。

それにしても、国民が長年目にしてきた法務長官の中でも、フィリップ・ラ
ドックは最も攻撃的な法務長官である。彼が移民相時代にも見せたように、た
とえその法律が不明瞭なものであろうとまた現在での正当性に疑問があろうと
も、政府の政策を推し進めるためには手にできるすべての法律的武器を使用し
て準備を整えた。

市民の自由や人権という点におけるこの事件の重要性は、著名なメルボルンの
弁護士であるでロン・マークル元連邦裁判官がこの活動家たちの弁護団を率い
ているという事実ではっきりしている。

多くのオーストラリア人は、この4人がとった直接行動抗議のような形には賛
同しないかもしれないが、それでもなおこの事件には、もっと大きな問題があ
る。ベルリンの壁が壊されてほぼ20年もたつのに、政府はこんな過酷な冷戦時
代の法律をオーストラリアの市民に対して適用すべきなのだろうか?
[訳者注:クリッキー・ドット・コムの記事、ここまで]

さらにニュースと写真を、もうすぐに!

私たちは興奮しています!

巡礼者ドナより

原文:Judge rejects house arrest bid!
URL: 

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