◎シリア情勢に大きな影を落とす米国の影響
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国連難民高等弁務官事務所の発表(2013年現在)では、すでに100万人以上
がシリアを離れ難民となったとされるように、混乱の続くシリアの情勢
は昨年、化学兵器の使用で多数の一般市民の犠牲者が出るにいたり、
米国をはじめ多くの国々を含めた国際関係を緊張させました。
ピュリッツアー賞を受賞した調査報道記者のシーモア・ハーシュは先月、
新しい論説「レッドライン・アンド・ラットライン」を発表し、シリア
情勢に大きな影響を与えている力を読み解きました。アメリカの独立系
メディア「デモクラシー・ナウ!」のエイミー・グッドマンが
シーモア・ハーシュを番組でインタビューし、化学兵器使用とトルコの
関係、武器の調達ルートと米政府との関わりなど、シリア情勢に関する
彼の新しい論説について尋ねています。
(前書き、翻訳 キム・クンミ/TUP)
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「デモクラシー・ナウ!」 2014年4月7日放送
エイミー・グッドマン:シリアが国連の監視下で化学兵器武器庫の廃棄
作業を続けているなか、ピューリッツァー賞受賞のジャーナリスト、
シーモア・ハーシュは新しい論説で、昨年シリアのグータ市で化学兵器
攻撃により何百人ものシリア人が亡くなった事件に疑問を投げかけてい
ます。米国をはじめ、国際社会の多くの国々はアサド政権に忠実な軍を
非難し、米国はもう少しでシリアを攻撃するところでした。しかし
ハーシュによると、オバマ大統領とジョン・ケリー国務長官がアメリカ
によるシリア攻撃を言い張る一方で、米軍と諜報コミュニティ内部の
アナリストは化学兵器攻撃の黒幕は誰だったかについて、内々に米国
政府の主張の根幹に関わる疑問を呈していました。
ハーシュによると、米国国防情報局(DIA)は6月19日にシリアの反政府
グループ、アル=ヌスラがサリン生産部隊を維持していると述べた5ページ
にわたる極秘の「論点」ブリーフィングを発行しました。DIAは事件を
「同時多発テロ事件以前のアル=カーイダの活動以来、最も先進的な
サリン計画」と述べています。DIA文書を引用すると「トルコとサウジに
本拠を置く化学ファシリテーターが、シリアでの大規模生産活動を
見越して数10キロのまとまった量のサリンの前駆物質を手に入れようと
した可能性が高い」。DIAブリーフィングが書かれる1カ月前に10人以上
のアル=ヌスラのメンバーがトルコ南部で逮捕され、地元の警察がプレス
に話したところによると、彼らは2キロのサリンを所持していたとのこと
です。
調査報道記者シーモア・ハーシュは今日、ワシントンD.C.から番組に
参加します。彼の最新の記事の見出しは
『レッドライン・アンド・ラットライン』。ロンドン・レビュー・オブ・
ブックスに発表されたばかりです。
セイ (シーモア)・ハーシュ、デモクラシーナウにようこそ、またお会い
できましたね。あなたが発見したことを教えてください。
シーモア・ハーシュ:いまあなたが一部を説明してくれました。DIAの
ブリーフィング文書で一番重要なのは……。この番組にも出演しました
が、「ロンドン・レビュー」に数カ月前に『サリンは誰のものか』
※1--まさにこれが記事のタイトルですが--、を問う記事を書いたのです
が、それは、はっきりとはわからない。東グータで何が起こったのかを
正確に知っているということではありません。はっきりとわかっている
こと、軍やペンタゴンやアナリストがわかっていること、という意味
ですが、回収されたサリンはシリア政府の兵器庫に存在する種類のもの
ではなかったということです。そのことは、大統領が戦争を起こそうと
主張した根本的な要因の1つに深刻な問題を提起します。シェッド文書
※2の本当のポイントは、そして何故わたしがこれについてたくさん書い
たかといえば、記事を書いた数カ月前の時点で、ホワイトハウスはこの
文書について知らないと言っていたし、アル=ヌスラや他の過激派
グループ、またはジハード主義グループがサリンを保有しているという
情報を持っていなかったと言っていたからです。。
※1 岩波書店の雑誌『世界』2014年5月号で、TUPの宮前ゆかりと荒井
雅子による全訳を読むことができます。
※2 シェッドはブリーフィング文書を受け取った国防情報局(DIA)副長官
何が恐ろしいかといえば、軍の内部でも、私が知っているだけでも米国
南方軍(SOUTHCOM)などが、この可能性を懸念していました。ジハード
主義グループの一部にとって戦況は不利になりつつあります。明らかに、
アル=ヌスラだけでなく他のグループも、トルコの助けを借りて、サリン
を製造する技術を持っています。そして恐ろしいのは戦況が悪化すると、
このサリン--しかるべく使うと恐ろしいほどのたくさんの人をあっ
というまに死に至らしめることができるので、「戦略的兵器」と呼べる
かもしれない--このサリンが、シリア国外の様々な部隊に送られること
になる。言い替えれば、彼らが持っている化学物質が、どこだかわかり
ませんが、北アフリカ、中東や他の場所に送り出され、我々が直面して
いる対テロ戦争が違った状況になってくるということです。それが現実
です。
一方で、ホワイトハウスの立場はまたもや、今回の記事について、彼ら
が存在しないと主張する文書について、--私がその文書のかなりの部分
を記事中に引用しているにも関わらず--私はその文書を読んだのは
明らかなのですが--、それでも彼らは依然として「そんな文書は存在し
ない」と主張しています。この現実から目をそらすやり方は私が記事で
書いたことと関係しています。大統領がいったん決定を下したら、変更
すること、変更させることはほとんど不可能だと人々が言っていたこと
を記事に引用しました。シリアがやったと大統領がいえば、皆そう
考えること、考え続けることが正当化されてしまい、他に選択肢はなく
なる。大統領は現実から目をそらした外交政策を主張してきましたが、
一方で、特にシリア政府が(化学兵器を)廃棄している現状で、我々は
その化学兵器で深刻な問題を抱えることになる。シリア内部でこれらの
兵器を持っているのはいかれた奴だけになる。そういうことになって
いるわけです。
グッドマン:「ラット・ライン」とはなんですか?
ハーシュ:「ラット・ライン」は非公式の呼び名なんです。CIAは...CIA
には非常に有能が人が沢山いますよ。私はずいぶん叩いていますけれど、
でも、みなさん認めざるを得ないと思いますが、そこには非常に明晰は
人々がまだ残っているし、自分の仕事を理解してやっている。イランで
の戦闘中、ブッシュとチェイニーはイラン国内に秘密裏の地下核施設が
あるかどうかを調べることにやっきになっていました。彼らは絶対的に
信じていました。パキスタンなどから合同特殊作戦コマンドのおとり
捜査チームを、CIAが知っていた密輸と送金ルートを通じて送った。CIA
の「ラット・ライン」を使って入り込もうとしていた。
この場合の「ラット・ライン」は2012年初期のことですが、なぜだか
わからないけど、たぶん、リビアでカッザーフィ(カダフィ)を追いだせ
たこと--それはそれで混乱が起こったですが--、勝利したと思っていた
ことに傲慢になっていて、米国はトルコを通じてシリアの反対勢力に
武器を注ぎ込むために極秘作戦を展開しました。送り込んだ相手は世俗
主義グループにも、アサド政権に対して正当な不満を持っていた人々に
も、そしてシリアに本気でワッハーブ派やサラフィー主義の政府を
つくろうと、シリアを乗っ取ろうとしサウジとカタールの資金援助を
うけたグループにも。これはまったくの極秘作戦でした。長い時間が
かかりました。ベンガジ(リビア)の領事館が制圧されて初めて終了し
ました。私が書いたように、米国議会にも内緒で行われていた。我々で
さえもそれを知ったのは、最近の上院情報委員会からの、数カ月前に
安全保障などを問題にして発表されたベンガジについて報告があった
からです。共和党が常に話題にしている問題ですが、そこにはこの武器
を注ぎ込む課程について説明した秘密の付属書がありました。それは
実際にトルコから、サウジやカタールの資金を使って実行された。我々
は彼らのカネを使って武器を購入し送り込んだ。CIAはこれに深く関わっ
ていた。
実際には、オバマは彼なりに賢明だったとか見事だったとかいう事が
できるでしょう。彼は米国がやりたかったこと、すなわち反対勢力に
バシャール・アル=アサドを打倒させるためにサウジアラビアとカタール
とトルコを手段として使った。そういうことでした。これは長期の作戦
でした。ともあれ、これが終了した、我々がこれをシャットダウンした
のはベンガジが制圧された後でした。我々は突如として、あらゆる種類
のとんでもない武器、肩でかつぐ対空ミサイルMANPADSなど、あらゆる
武器を目にすることになったのです。シリア内部の様々なジハード主義
グループが突然そうした武器を手にするようになった。だから、明らか
に、こういった種類の作戦には起こりがちですが、米国が仕掛けた
「ラット・ライン」は作戦終了後も独自に生きていたのです。
グッドマン:シリアの交渉が今年初めにまとまった後、ジョン・ケリー
国務長官はあらためて、バシャール・アル=アサドの辞任を支持し、米国
は反政府勢力への支援を増強する用意があると述べました。
ジョン・ケリー国務長官:バシャール・アル=アサドほど、テロリストを
シリアに引き寄せた者はいない。彼はこの地域の、テロリズムを
引き寄せる最大の磁石だ。そして長い間、彼が選んだ武器によって、彼
が実行したことによって、あらゆる正当性を失った。・・・私は、反対
勢力への支持や反対勢力への支援増強を含め、多く別の道が模索される
だろうと申し上げたい。
グッドマン:ジョン・ケリー国務長官の言葉でした。セイ・ハーシュ、
あなたの反応は?
ハーシュ: まあ、この時点で、ホワイトハウスは統合参謀本部から
--彼らはイギリスが自国の研究所で分析していたサリンを持ってきてい
たのを知っていました--米国はポートン・ダウンという場所で化学・
生物兵器の問題についての研究室をイギリスと共有しています。それは
イギリスの化学兵器施設です。そして、米国は生物化学兵器のことに
なると、国際的な問題を分析するということでそれを共有します。米国
はイギリスの能力に非常に信頼を置いているのです。イギリスがサリン
のサンプルを持ってきて、このサンプルからこれが重大な問題になる
ことは明確だった。なぜなら(サンプルは)イギリスも、我々も、ロシア
も知っていたシリアの武器庫のなかにあるものと適合しなかったから
です。プロの軍隊はサリンを使いやすく、より長く使えるようにする
ための添加剤を持っています。アマチュアのものは、キッチン・サリン
と呼ばれます。気の滅入る言い方ですが。少しの不活性な化学物から
非常に簡単にサリンを作ることができますが、そうしたサリンはプロの
軍事レベルのサリンに比べて、殺傷力はないし、特定の添加剤もあり
ません。要するに、実際にサリンの中に何が含まれているかを検出する
ことができるわけです。非常に早い段階で、昨年の8月21日のダマスカス
近郊で数百人が殺された恐ろしい事件から6日、8日、10日目には、英国
がサリンを持ってきた。そして、それは動かぬ証拠だったのです。
だから、中東をカバーする中央軍(USCENTCOM)の司令官を勤めた、
ベテランの陸軍将校マーティン・デンプシーが率いる統合参謀本部は、
大統領のもとへいって疑問を提起した。問題を知らせたのです。そして
軍隊はこれに不満--と言っていいと思いますが--であるという事実も
伝えた。軍人は任務が与えられれば遂行するものですが、一方で、文民
の政治家よりリスクが見えることがよくあります。最初に、大統領は
一連の爆撃を求めていたので軍は標的のリストをつくった。標的は滑走
路やなんかが21か31ぐらいだったとおもいます。そして彼らは
ホワイトハウスに--誰だかはわからないが--バシャールにもっと苦痛を
与えたいと言われた。なので、次にきたのはご存じの大規模爆撃です。
B-52爆撃機の航空団2つを使って2000ポンドの爆弾を落とし、電力発電所
などを攻撃する。民間のインフラへ多大な被害を与える攻撃になります。
これは統合参謀本部にも大変なことだった。だから大統領に真剣に問題
を提起したのです。
私が書いたように、それ以外にオバマ大統領が突然攻撃を止めた、あの
ような形で攻撃を止めさせるような問題が他にあるとは思えません。
突然、シリアとの化学軍縮協定に立ち返って署名するという事を考える
と……。協定はロシアが持ち出していたもので、前年から提起していた
のに米国はその時は乗らなかった。ところが、今回大統領は明らかに
それに飛びついた。それにね、みなさん、大統領をほめてあげなくては。
あれだけ精一杯話し、あれだけ攻撃を望んでいたのに、現実に直面した
とき大統領は引き下がったのです。なぜだかは言わなかった。しかし。
私たちは外交政策に関してはあまり多くを期待しないように学んでき
ました。残念ながら、トップから率直な話が聞けないということは、
官僚が率直に話さないということです。もしあなたが官僚のなかにい
たら、ホワイトハウスが知りたがっていないことは伝えることはでき
ないでしょう。
グッドマン: あの、
ハーシュ:それは、、 はい、続けてください。
グッドマン:セイ、トルコについて少し話したいのですが。
ハーシュ:どうぞ
グッドマン: あなたは記事のなかでトルコのエルドアン首相と高官が、
トルコによるシリアへの軍事介入を正当化するための偽旗作戦※3
について話し合った様子をリークしたビデオについて触れていましたね。
これはエルドアン首相がリーク映像に反応したものです。
※3 軍事行動の1つ。敵がやったとみせかける行動。例えば攻撃の口実を
つくるために、敵がやったとみせかけて自国の施設を破壊するなど。
レジェップ・タイイップ・エルドアン首相:今日、YouTubeにビデオが
ポストされました。シリアについて、スレイマン・シャー廟について、
トルコ外務省の会議があった。それがYouTubeにリークされた。酷いこと
だ。不正行為だ。
グッドマン:トルコは映像がリークされたことでYouTubeの閲覧を一時的
に禁止しました。セイ・ハーシュ、あなたはエルドアン政権の反政府
勢力への支援、トルコの反政府勢力への支援がどのようなものであるか、
また米国は今、どのような立場にいるかを説明できますか?
ハーシュ:さて、我々の今の立場というと、できることはあまりないの
です。私の知っていることを話させてください。知っていることは、
アル=ヌスラグループがトルコで設備を購入しているということ。彼らは
著名なフィダンという男に率いられたトルコ諜報機関から訓練を受けて
きたという報告もあります。最近のウォール・ストリート・ジャーナル
の素晴らしい報告は、トルコの指導者、エルドアン首相だけでなく過激
な部隊とフィダンとの親交について報告しています。そしてエルドアン
もそうした部隊と親密なのです。彼らは選択肢があるとしたらシリア内
の原理主義色が強いグループをサポートするでしょう。そして訓練を
供給していることも私たちは知っている。また、こう呼んでいいと思い
ますが、もう一つのラット・ラインがあることも知っています。その
流れ、混合したらサリンができる化学薬品を送ろうとするその流入
ルートはトルコ内部からきている。過激派グループにこうしたものを
送り込んでいる責任は国家憲兵(Gendarmerie)として知られる民兵組織と
トルコ国家情報機構(Milli ?stihbarat Te?kilat?, M?T)の双方にあり
ます。実際にこうした物質を運ぶトラックの流れがあり、トルコが深く
関係している。
この記事に書いたように、多くの諜報コミュニティの結論は、彼らは
これについて報告書を書いていないので、報告ということはできません
が、特に事件の後で私たちが傍受した通信に基づけば、トルコ政府内に
東グータで起こった出来事を自分たちの手柄にした小集団がおり、これ
でオバマ大統領の有名な「レッドライン(超えてはいけない一線)」を
超えさせるということが攻撃の最大のポイントだったということです。
知っていると思うけれど、オバマは2012年夏に化学薬品を使用したり
反対派への弾圧が厳しすぎるなどレッドラインを超えた場合、
バシャールを止めるために爆撃すると言った。だからトルコはこの春、
死に物狂いで繰り返し--この春、いくつかの攻撃があった証拠が多く
あります。国連は、公言することはないけれど、それを知っていた。
これについても記事に書きました。そして米諜報関係者もそれを知って
いた。それが私が言及した秘密報告書、討議資料が書かれた理由です。
過激派組織が使ったこと、ジハード主義グループが神経ガスにアクセス
を持っていて、3月と4月にシリア兵士にこれを使用したことを知ってい
た。我々の政府によって常に相当の確信をもって反対勢力の責任にされ
てきたそういった事件は、単に反対勢力がやったというだけではなかっ
たのです。そして報告書はそれを明らかにしている。ダマスカス近郊の8月
の攻撃の前に大きな問題があった。数カ月まえにこの可能性を知ってい
た。なんらかの理由で政権が聞きたいと思うような情報ではなかった
から、明るみにでることはなかった。そしてその、
グッドマン:その、
ハーシュ:はい。
グッドマン: EAワールドビューは日曜日、ウェブサイトに「化学兵器の
陰謀はない--ハーシュの反政府武装勢力に関する「独占記事」の再検証」
(原題:There is No Chemical Weapons Conspiracy--Dissecting Hersh’s
'Exclusive' on Insurgents Once More.)という見出しの
記事を発表しました。著者のスコット・ルーカスは、軍事行動の範囲や
規模を考えると反政府勢力が昨年8月の化学兵器攻撃に責任があるかも
しれないという主張に疑問を呈しています。彼の記事を引用すると
「当日の報告は7から12カ所が同時に化学物質で攻撃されたとしている。
つまり、攻撃に責任のあるものは誰であれ、反対勢力が支配する
ダマスカス近郊の東グータの町々と西グータの一つの町に対し、化学
物質を弾頭に乗せた複数の地対地ロケットを発射した。[化学攻撃]に
続いて...通常兵器による激しい攻撃が行われた」。著者のスコット・
ルーカスはあなたが、政権を別にして誰がこのような大規模な
オペレーションを実行する能力を持っているかという疑問に答えを出せ
ていないと言っています。セイ?
ハーシュ: (聞き取り不能)最初の記事--その話はもう済んでいます。
そのことはもうわかっている。実際に、ニューヨーク・タイムズも撤回
をしている。撤回のようなもの、ということですが。まるで「プラウダ」
を読んでいるようでした。しかし、注意深く読むと
ニューヨーク・タイムズは事件後に一連の記事で、被害を与えた問題の
弾頭は9キロ=6マイルほど離れたシリアの陸軍基地からのものだと言って
いた。それに対して、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームを
率いる、元海軍作戦部長の科学顧問だったテッド・ポストルとか、
明らかに事件の背景に詳しくて偏見のない、多くのアナリストがいまし
た。彼はチームと一連の研究をし弾頭はおそらくせいぜいキロ2キロ、
1.2マイルを超えないと結論づけました。それに今は国連の報告書もある。
国連の報告書はアキ・セルストロムが団長として調査をし、彼の結論も
同じだった。あのミサイルが発射されたのは1マイル以上離れたところ
からではなかった。
あれは、映像から見ても自家製だった。知られている武器のどの体系に
も適合していなかった。それに我々がシリアの弾頭の非常にいい画像を
持っていないと思わないでください。彼らは化学兵器を搭載できる一連
の弾頭を持っているし、我々はそのすべての寸法を知っています。あの
ミサイルはそのどれにも合わない。それに国連の報告書もある。
そういった独立した報告書が(ミサイルの発射地点は)1キロか2キロ以上
は離れていなかったと言っている。それになぜ多連装ロケットの話をし
ているのかわからない。あれは自家製の武器ですよ。これは、この問題
を詳しく見てきた者のほとんどにとって非常に明らかに思える--今言っ
たように最終報告書をだした国連のチームでさえです--、国連にはある
決まりがあって、誰が何を発射したというようなことは言えません。
彼らに言えることは、武器について記述化することだけで決して判断を
下すことはできない。しかし、私が引用しているのは、調査団内部の
関係者で、発射された武器は自家製であったし、シリア軍のものでは
なかったというを明確にしている人の話です。これがその議論に対する
答えです。それはブログだと思うのですが、そのブログは知りません。
グッドマン:そして--
ハーシュ:しかしこれは-- はい?
グッドマン: トルコの利益ですが、もしレッド・ラインに圧力をかけ
アサドの関与とされることになる攻撃をサポートしたのだとしたら、
米国がシリアを攻撃することで彼らの得る利益はなんでしょう?
ハーシュ:もう、それはすごい利益ですよ。トルコのエルドアン首相は
膨大な努力、財力、その他を払って、彼の諜報機関も動員して、
使い捨ての--彼とバシャールは対立してました。エルドアン首相は
バシャールを追放したかった。そして絶えず攻撃していた。最も急進派
をサポートして。また、これを言わなければなりませんが、世俗派も
支援していた。バシャール政権を転覆したいと真剣に願ってはいても、
ジハード主義政権を望んでいない人々です。彼らは一家族に支配され
ない政府を望んでいるだけでしょう。トルコが深く関与してることに
疑問はありません。そして戦況は悪化しつつある。シリア軍が優勢に
なり、本質的に戦争が終わっていることは非常に明白です。バシャール
を追い払うことは、もはや決着がついたことではなくなっています。
トルコに近い地域がおそらく、様々な派閥のいくつかの前哨基地になる
でしょう。様々なところからシリア軍の圧力がかかるでしょう。しかし、
本質的に、これは我々の負けカードです。認めたくはありませんが、
そうなのです。バシャールは持ちこたえました。そしてその意味は--
グッドマン: ワシントンDCから、ピュリッツァー賞受賞者の調査報道
記者シーモア・ハーシュでした。ありがとうございました。最新の論説、
「ロンドン・レビュー・オブ・ブック」の
『ザ・レッドライン・アンド・ラットライン』にリンクをつけています。
デモクラシー・ナウ!democracynow.org 「戦争と平和レポート」でした。
原文
Sy Hersh Reveals Potential Turkish Role in Syria Chemical Strike
That Almost Sparked U.S. Bombing
http://www.democracynow.org/2014/4/7/sy_hersh_reveals_potential_turkish_role
本速報はTUPウェブサイトの以下のURLに掲載されています。
http://www.tup-bulletin.org/?p=1630
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「タップ──平和をめざす翻訳者たち」(TUP: Translators United for
Peace) http://www.tup-bulletin.org/
速報配信責任者:坂野正明
TUPへの問い合わせ:
http://www.tup-bulletin.org/modules/main/index.php?content_id=8
過去の TUP速報: http://www.tup-bulletin.org/?pagename=archives
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国連難民高等弁務官事務所の発表(2013年現在)では、すでに100万人以上
がシリアを離れ難民となったとされるように、混乱の続くシリアの情勢
は昨年、化学兵器の使用で多数の一般市民の犠牲者が出るにいたり、
米国をはじめ多くの国々を含めた国際関係を緊張させました。
ピュリッツアー賞を受賞した調査報道記者のシーモア・ハーシュは先月、
新しい論説「レッドライン・アンド・ラットライン」を発表し、シリア
情勢に大きな影響を与えている力を読み解きました。アメリカの独立系
メディア「デモクラシー・ナウ!」のエイミー・グッドマンが
シーモア・ハーシュを番組でインタビューし、化学兵器使用とトルコの
関係、武器の調達ルートと米政府との関わりなど、シリア情勢に関する
彼の新しい論説について尋ねています。
(前書き、翻訳 キム・クンミ/TUP)
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「デモクラシー・ナウ!」 2014年4月7日放送
エイミー・グッドマン:シリアが国連の監視下で化学兵器武器庫の廃棄
作業を続けているなか、ピューリッツァー賞受賞のジャーナリスト、
シーモア・ハーシュは新しい論説で、昨年シリアのグータ市で化学兵器
攻撃により何百人ものシリア人が亡くなった事件に疑問を投げかけてい
ます。米国をはじめ、国際社会の多くの国々はアサド政権に忠実な軍を
非難し、米国はもう少しでシリアを攻撃するところでした。しかし
ハーシュによると、オバマ大統領とジョン・ケリー国務長官がアメリカ
によるシリア攻撃を言い張る一方で、米軍と諜報コミュニティ内部の
アナリストは化学兵器攻撃の黒幕は誰だったかについて、内々に米国
政府の主張の根幹に関わる疑問を呈していました。
ハーシュによると、米国国防情報局(DIA)は6月19日にシリアの反政府
グループ、アル=ヌスラがサリン生産部隊を維持していると述べた5ページ
にわたる極秘の「論点」ブリーフィングを発行しました。DIAは事件を
「同時多発テロ事件以前のアル=カーイダの活動以来、最も先進的な
サリン計画」と述べています。DIA文書を引用すると「トルコとサウジに
本拠を置く化学ファシリテーターが、シリアでの大規模生産活動を
見越して数10キロのまとまった量のサリンの前駆物質を手に入れようと
した可能性が高い」。DIAブリーフィングが書かれる1カ月前に10人以上
のアル=ヌスラのメンバーがトルコ南部で逮捕され、地元の警察がプレス
に話したところによると、彼らは2キロのサリンを所持していたとのこと
です。
調査報道記者シーモア・ハーシュは今日、ワシントンD.C.から番組に
参加します。彼の最新の記事の見出しは
『レッドライン・アンド・ラットライン』。ロンドン・レビュー・オブ・
ブックスに発表されたばかりです。
セイ (シーモア)・ハーシュ、デモクラシーナウにようこそ、またお会い
できましたね。あなたが発見したことを教えてください。
シーモア・ハーシュ:いまあなたが一部を説明してくれました。DIAの
ブリーフィング文書で一番重要なのは……。この番組にも出演しました
が、「ロンドン・レビュー」に数カ月前に『サリンは誰のものか』
※1--まさにこれが記事のタイトルですが--、を問う記事を書いたのです
が、それは、はっきりとはわからない。東グータで何が起こったのかを
正確に知っているということではありません。はっきりとわかっている
こと、軍やペンタゴンやアナリストがわかっていること、という意味
ですが、回収されたサリンはシリア政府の兵器庫に存在する種類のもの
ではなかったということです。そのことは、大統領が戦争を起こそうと
主張した根本的な要因の1つに深刻な問題を提起します。シェッド文書
※2の本当のポイントは、そして何故わたしがこれについてたくさん書い
たかといえば、記事を書いた数カ月前の時点で、ホワイトハウスはこの
文書について知らないと言っていたし、アル=ヌスラや他の過激派
グループ、またはジハード主義グループがサリンを保有しているという
情報を持っていなかったと言っていたからです。。
※1 岩波書店の雑誌『世界』2014年5月号で、TUPの宮前ゆかりと荒井
雅子による全訳を読むことができます。
※2 シェッドはブリーフィング文書を受け取った国防情報局(DIA)副長官
何が恐ろしいかといえば、軍の内部でも、私が知っているだけでも米国
南方軍(SOUTHCOM)などが、この可能性を懸念していました。ジハード
主義グループの一部にとって戦況は不利になりつつあります。明らかに、
アル=ヌスラだけでなく他のグループも、トルコの助けを借りて、サリン
を製造する技術を持っています。そして恐ろしいのは戦況が悪化すると、
このサリン--しかるべく使うと恐ろしいほどのたくさんの人をあっ
というまに死に至らしめることができるので、「戦略的兵器」と呼べる
かもしれない--このサリンが、シリア国外の様々な部隊に送られること
になる。言い替えれば、彼らが持っている化学物質が、どこだかわかり
ませんが、北アフリカ、中東や他の場所に送り出され、我々が直面して
いる対テロ戦争が違った状況になってくるということです。それが現実
です。
一方で、ホワイトハウスの立場はまたもや、今回の記事について、彼ら
が存在しないと主張する文書について、--私がその文書のかなりの部分
を記事中に引用しているにも関わらず--私はその文書を読んだのは
明らかなのですが--、それでも彼らは依然として「そんな文書は存在し
ない」と主張しています。この現実から目をそらすやり方は私が記事で
書いたことと関係しています。大統領がいったん決定を下したら、変更
すること、変更させることはほとんど不可能だと人々が言っていたこと
を記事に引用しました。シリアがやったと大統領がいえば、皆そう
考えること、考え続けることが正当化されてしまい、他に選択肢はなく
なる。大統領は現実から目をそらした外交政策を主張してきましたが、
一方で、特にシリア政府が(化学兵器を)廃棄している現状で、我々は
その化学兵器で深刻な問題を抱えることになる。シリア内部でこれらの
兵器を持っているのはいかれた奴だけになる。そういうことになって
いるわけです。
グッドマン:「ラット・ライン」とはなんですか?
ハーシュ:「ラット・ライン」は非公式の呼び名なんです。CIAは...CIA
には非常に有能が人が沢山いますよ。私はずいぶん叩いていますけれど、
でも、みなさん認めざるを得ないと思いますが、そこには非常に明晰は
人々がまだ残っているし、自分の仕事を理解してやっている。イランで
の戦闘中、ブッシュとチェイニーはイラン国内に秘密裏の地下核施設が
あるかどうかを調べることにやっきになっていました。彼らは絶対的に
信じていました。パキスタンなどから合同特殊作戦コマンドのおとり
捜査チームを、CIAが知っていた密輸と送金ルートを通じて送った。CIA
の「ラット・ライン」を使って入り込もうとしていた。
この場合の「ラット・ライン」は2012年初期のことですが、なぜだか
わからないけど、たぶん、リビアでカッザーフィ(カダフィ)を追いだせ
たこと--それはそれで混乱が起こったですが--、勝利したと思っていた
ことに傲慢になっていて、米国はトルコを通じてシリアの反対勢力に
武器を注ぎ込むために極秘作戦を展開しました。送り込んだ相手は世俗
主義グループにも、アサド政権に対して正当な不満を持っていた人々に
も、そしてシリアに本気でワッハーブ派やサラフィー主義の政府を
つくろうと、シリアを乗っ取ろうとしサウジとカタールの資金援助を
うけたグループにも。これはまったくの極秘作戦でした。長い時間が
かかりました。ベンガジ(リビア)の領事館が制圧されて初めて終了し
ました。私が書いたように、米国議会にも内緒で行われていた。我々で
さえもそれを知ったのは、最近の上院情報委員会からの、数カ月前に
安全保障などを問題にして発表されたベンガジについて報告があった
からです。共和党が常に話題にしている問題ですが、そこにはこの武器
を注ぎ込む課程について説明した秘密の付属書がありました。それは
実際にトルコから、サウジやカタールの資金を使って実行された。我々
は彼らのカネを使って武器を購入し送り込んだ。CIAはこれに深く関わっ
ていた。
実際には、オバマは彼なりに賢明だったとか見事だったとかいう事が
できるでしょう。彼は米国がやりたかったこと、すなわち反対勢力に
バシャール・アル=アサドを打倒させるためにサウジアラビアとカタール
とトルコを手段として使った。そういうことでした。これは長期の作戦
でした。ともあれ、これが終了した、我々がこれをシャットダウンした
のはベンガジが制圧された後でした。我々は突如として、あらゆる種類
のとんでもない武器、肩でかつぐ対空ミサイルMANPADSなど、あらゆる
武器を目にすることになったのです。シリア内部の様々なジハード主義
グループが突然そうした武器を手にするようになった。だから、明らか
に、こういった種類の作戦には起こりがちですが、米国が仕掛けた
「ラット・ライン」は作戦終了後も独自に生きていたのです。
グッドマン:シリアの交渉が今年初めにまとまった後、ジョン・ケリー
国務長官はあらためて、バシャール・アル=アサドの辞任を支持し、米国
は反政府勢力への支援を増強する用意があると述べました。
ジョン・ケリー国務長官:バシャール・アル=アサドほど、テロリストを
シリアに引き寄せた者はいない。彼はこの地域の、テロリズムを
引き寄せる最大の磁石だ。そして長い間、彼が選んだ武器によって、彼
が実行したことによって、あらゆる正当性を失った。・・・私は、反対
勢力への支持や反対勢力への支援増強を含め、多く別の道が模索される
だろうと申し上げたい。
グッドマン:ジョン・ケリー国務長官の言葉でした。セイ・ハーシュ、
あなたの反応は?
ハーシュ: まあ、この時点で、ホワイトハウスは統合参謀本部から
--彼らはイギリスが自国の研究所で分析していたサリンを持ってきてい
たのを知っていました--米国はポートン・ダウンという場所で化学・
生物兵器の問題についての研究室をイギリスと共有しています。それは
イギリスの化学兵器施設です。そして、米国は生物化学兵器のことに
なると、国際的な問題を分析するということでそれを共有します。米国
はイギリスの能力に非常に信頼を置いているのです。イギリスがサリン
のサンプルを持ってきて、このサンプルからこれが重大な問題になる
ことは明確だった。なぜなら(サンプルは)イギリスも、我々も、ロシア
も知っていたシリアの武器庫のなかにあるものと適合しなかったから
です。プロの軍隊はサリンを使いやすく、より長く使えるようにする
ための添加剤を持っています。アマチュアのものは、キッチン・サリン
と呼ばれます。気の滅入る言い方ですが。少しの不活性な化学物から
非常に簡単にサリンを作ることができますが、そうしたサリンはプロの
軍事レベルのサリンに比べて、殺傷力はないし、特定の添加剤もあり
ません。要するに、実際にサリンの中に何が含まれているかを検出する
ことができるわけです。非常に早い段階で、昨年の8月21日のダマスカス
近郊で数百人が殺された恐ろしい事件から6日、8日、10日目には、英国
がサリンを持ってきた。そして、それは動かぬ証拠だったのです。
だから、中東をカバーする中央軍(USCENTCOM)の司令官を勤めた、
ベテランの陸軍将校マーティン・デンプシーが率いる統合参謀本部は、
大統領のもとへいって疑問を提起した。問題を知らせたのです。そして
軍隊はこれに不満--と言っていいと思いますが--であるという事実も
伝えた。軍人は任務が与えられれば遂行するものですが、一方で、文民
の政治家よりリスクが見えることがよくあります。最初に、大統領は
一連の爆撃を求めていたので軍は標的のリストをつくった。標的は滑走
路やなんかが21か31ぐらいだったとおもいます。そして彼らは
ホワイトハウスに--誰だかはわからないが--バシャールにもっと苦痛を
与えたいと言われた。なので、次にきたのはご存じの大規模爆撃です。
B-52爆撃機の航空団2つを使って2000ポンドの爆弾を落とし、電力発電所
などを攻撃する。民間のインフラへ多大な被害を与える攻撃になります。
これは統合参謀本部にも大変なことだった。だから大統領に真剣に問題
を提起したのです。
私が書いたように、それ以外にオバマ大統領が突然攻撃を止めた、あの
ような形で攻撃を止めさせるような問題が他にあるとは思えません。
突然、シリアとの化学軍縮協定に立ち返って署名するという事を考える
と……。協定はロシアが持ち出していたもので、前年から提起していた
のに米国はその時は乗らなかった。ところが、今回大統領は明らかに
それに飛びついた。それにね、みなさん、大統領をほめてあげなくては。
あれだけ精一杯話し、あれだけ攻撃を望んでいたのに、現実に直面した
とき大統領は引き下がったのです。なぜだかは言わなかった。しかし。
私たちは外交政策に関してはあまり多くを期待しないように学んでき
ました。残念ながら、トップから率直な話が聞けないということは、
官僚が率直に話さないということです。もしあなたが官僚のなかにい
たら、ホワイトハウスが知りたがっていないことは伝えることはでき
ないでしょう。
グッドマン: あの、
ハーシュ:それは、、 はい、続けてください。
グッドマン:セイ、トルコについて少し話したいのですが。
ハーシュ:どうぞ
グッドマン: あなたは記事のなかでトルコのエルドアン首相と高官が、
トルコによるシリアへの軍事介入を正当化するための偽旗作戦※3
について話し合った様子をリークしたビデオについて触れていましたね。
これはエルドアン首相がリーク映像に反応したものです。
※3 軍事行動の1つ。敵がやったとみせかける行動。例えば攻撃の口実を
つくるために、敵がやったとみせかけて自国の施設を破壊するなど。
レジェップ・タイイップ・エルドアン首相:今日、YouTubeにビデオが
ポストされました。シリアについて、スレイマン・シャー廟について、
トルコ外務省の会議があった。それがYouTubeにリークされた。酷いこと
だ。不正行為だ。
グッドマン:トルコは映像がリークされたことでYouTubeの閲覧を一時的
に禁止しました。セイ・ハーシュ、あなたはエルドアン政権の反政府
勢力への支援、トルコの反政府勢力への支援がどのようなものであるか、
また米国は今、どのような立場にいるかを説明できますか?
ハーシュ:さて、我々の今の立場というと、できることはあまりないの
です。私の知っていることを話させてください。知っていることは、
アル=ヌスラグループがトルコで設備を購入しているということ。彼らは
著名なフィダンという男に率いられたトルコ諜報機関から訓練を受けて
きたという報告もあります。最近のウォール・ストリート・ジャーナル
の素晴らしい報告は、トルコの指導者、エルドアン首相だけでなく過激
な部隊とフィダンとの親交について報告しています。そしてエルドアン
もそうした部隊と親密なのです。彼らは選択肢があるとしたらシリア内
の原理主義色が強いグループをサポートするでしょう。そして訓練を
供給していることも私たちは知っている。また、こう呼んでいいと思い
ますが、もう一つのラット・ラインがあることも知っています。その
流れ、混合したらサリンができる化学薬品を送ろうとするその流入
ルートはトルコ内部からきている。過激派グループにこうしたものを
送り込んでいる責任は国家憲兵(Gendarmerie)として知られる民兵組織と
トルコ国家情報機構(Milli ?stihbarat Te?kilat?, M?T)の双方にあり
ます。実際にこうした物質を運ぶトラックの流れがあり、トルコが深く
関係している。
この記事に書いたように、多くの諜報コミュニティの結論は、彼らは
これについて報告書を書いていないので、報告ということはできません
が、特に事件の後で私たちが傍受した通信に基づけば、トルコ政府内に
東グータで起こった出来事を自分たちの手柄にした小集団がおり、これ
でオバマ大統領の有名な「レッドライン(超えてはいけない一線)」を
超えさせるということが攻撃の最大のポイントだったということです。
知っていると思うけれど、オバマは2012年夏に化学薬品を使用したり
反対派への弾圧が厳しすぎるなどレッドラインを超えた場合、
バシャールを止めるために爆撃すると言った。だからトルコはこの春、
死に物狂いで繰り返し--この春、いくつかの攻撃があった証拠が多く
あります。国連は、公言することはないけれど、それを知っていた。
これについても記事に書きました。そして米諜報関係者もそれを知って
いた。それが私が言及した秘密報告書、討議資料が書かれた理由です。
過激派組織が使ったこと、ジハード主義グループが神経ガスにアクセス
を持っていて、3月と4月にシリア兵士にこれを使用したことを知ってい
た。我々の政府によって常に相当の確信をもって反対勢力の責任にされ
てきたそういった事件は、単に反対勢力がやったというだけではなかっ
たのです。そして報告書はそれを明らかにしている。ダマスカス近郊の8月
の攻撃の前に大きな問題があった。数カ月まえにこの可能性を知ってい
た。なんらかの理由で政権が聞きたいと思うような情報ではなかった
から、明るみにでることはなかった。そしてその、
グッドマン:その、
ハーシュ:はい。
グッドマン: EAワールドビューは日曜日、ウェブサイトに「化学兵器の
陰謀はない--ハーシュの反政府武装勢力に関する「独占記事」の再検証」
(原題:There is No Chemical Weapons Conspiracy--Dissecting Hersh’s
'Exclusive' on Insurgents Once More.)という見出しの
記事を発表しました。著者のスコット・ルーカスは、軍事行動の範囲や
規模を考えると反政府勢力が昨年8月の化学兵器攻撃に責任があるかも
しれないという主張に疑問を呈しています。彼の記事を引用すると
「当日の報告は7から12カ所が同時に化学物質で攻撃されたとしている。
つまり、攻撃に責任のあるものは誰であれ、反対勢力が支配する
ダマスカス近郊の東グータの町々と西グータの一つの町に対し、化学
物質を弾頭に乗せた複数の地対地ロケットを発射した。[化学攻撃]に
続いて...通常兵器による激しい攻撃が行われた」。著者のスコット・
ルーカスはあなたが、政権を別にして誰がこのような大規模な
オペレーションを実行する能力を持っているかという疑問に答えを出せ
ていないと言っています。セイ?
ハーシュ: (聞き取り不能)最初の記事--その話はもう済んでいます。
そのことはもうわかっている。実際に、ニューヨーク・タイムズも撤回
をしている。撤回のようなもの、ということですが。まるで「プラウダ」
を読んでいるようでした。しかし、注意深く読むと
ニューヨーク・タイムズは事件後に一連の記事で、被害を与えた問題の
弾頭は9キロ=6マイルほど離れたシリアの陸軍基地からのものだと言って
いた。それに対して、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームを
率いる、元海軍作戦部長の科学顧問だったテッド・ポストルとか、
明らかに事件の背景に詳しくて偏見のない、多くのアナリストがいまし
た。彼はチームと一連の研究をし弾頭はおそらくせいぜいキロ2キロ、
1.2マイルを超えないと結論づけました。それに今は国連の報告書もある。
国連の報告書はアキ・セルストロムが団長として調査をし、彼の結論も
同じだった。あのミサイルが発射されたのは1マイル以上離れたところ
からではなかった。
あれは、映像から見ても自家製だった。知られている武器のどの体系に
も適合していなかった。それに我々がシリアの弾頭の非常にいい画像を
持っていないと思わないでください。彼らは化学兵器を搭載できる一連
の弾頭を持っているし、我々はそのすべての寸法を知っています。あの
ミサイルはそのどれにも合わない。それに国連の報告書もある。
そういった独立した報告書が(ミサイルの発射地点は)1キロか2キロ以上
は離れていなかったと言っている。それになぜ多連装ロケットの話をし
ているのかわからない。あれは自家製の武器ですよ。これは、この問題
を詳しく見てきた者のほとんどにとって非常に明らかに思える--今言っ
たように最終報告書をだした国連のチームでさえです--、国連にはある
決まりがあって、誰が何を発射したというようなことは言えません。
彼らに言えることは、武器について記述化することだけで決して判断を
下すことはできない。しかし、私が引用しているのは、調査団内部の
関係者で、発射された武器は自家製であったし、シリア軍のものでは
なかったというを明確にしている人の話です。これがその議論に対する
答えです。それはブログだと思うのですが、そのブログは知りません。
グッドマン:そして--
ハーシュ:しかしこれは-- はい?
グッドマン: トルコの利益ですが、もしレッド・ラインに圧力をかけ
アサドの関与とされることになる攻撃をサポートしたのだとしたら、
米国がシリアを攻撃することで彼らの得る利益はなんでしょう?
ハーシュ:もう、それはすごい利益ですよ。トルコのエルドアン首相は
膨大な努力、財力、その他を払って、彼の諜報機関も動員して、
使い捨ての--彼とバシャールは対立してました。エルドアン首相は
バシャールを追放したかった。そして絶えず攻撃していた。最も急進派
をサポートして。また、これを言わなければなりませんが、世俗派も
支援していた。バシャール政権を転覆したいと真剣に願ってはいても、
ジハード主義政権を望んでいない人々です。彼らは一家族に支配され
ない政府を望んでいるだけでしょう。トルコが深く関与してることに
疑問はありません。そして戦況は悪化しつつある。シリア軍が優勢に
なり、本質的に戦争が終わっていることは非常に明白です。バシャール
を追い払うことは、もはや決着がついたことではなくなっています。
トルコに近い地域がおそらく、様々な派閥のいくつかの前哨基地になる
でしょう。様々なところからシリア軍の圧力がかかるでしょう。しかし、
本質的に、これは我々の負けカードです。認めたくはありませんが、
そうなのです。バシャールは持ちこたえました。そしてその意味は--
グッドマン: ワシントンDCから、ピュリッツァー賞受賞者の調査報道
記者シーモア・ハーシュでした。ありがとうございました。最新の論説、
「ロンドン・レビュー・オブ・ブック」の
『ザ・レッドライン・アンド・ラットライン』にリンクをつけています。
デモクラシー・ナウ!democracynow.org 「戦争と平和レポート」でした。
原文
Sy Hersh Reveals Potential Turkish Role in Syria Chemical Strike
That Almost Sparked U.S. Bombing
http://www.democracynow.org/2014/4/7/sy_hersh_reveals_potential_turkish_role
本速報はTUPウェブサイトの以下のURLに掲載されています。
http://www.tup-bulletin.org/?p=1630
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「タップ──平和をめざす翻訳者たち」(TUP: Translators United for
Peace) http://www.tup-bulletin.org/
速報配信責任者:坂野正明
TUPへの問い合わせ:
http://www.tup-bulletin.org/modules/main/index.php?content_id=8
過去の TUP速報: http://www.tup-bulletin.org/?pagename=archives
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原文は「Report on the Alleged Use of Chemical Weapons in the Ghouta Area of Damascus on 21 August 2013」となっており、よく その分析をよめばアサド政権が攻撃したと読める
1.使用されたサリンは、地対地ミサイルに搭載され、そのミサイルにはキリル語(ロシア語)でミサイルと記載されている。ロシアはアサドにシリアの武器の半分を供与してきた歴史的事実をみれば、そのミサイルもロシア製でありアサドが利用した可能性が高い、その内部に残っていたサリンは純度が高く、ヨルダンの避難民キャンプでアルカイダが保有していてトルコ軍に押収された純度の低いサリンとは違い相当高度の製造工場と研究施設が必要である
2。反体制派の拠点Ghoutaを攻撃した化学兵器の弾道測定から、その発射地はアサド精鋭部隊の大統領護衛隊の拠点Mount Qassiounであることが判明した
3.国境なき医師団の声明では、4000人近い被害者は急性の神経毒性中毒に犯されており、このような大量の被害は、毒性の低いサリンでは起こり得ない
ニューヨークタイムズは、この国連報告の解析から、ロケット弾道解析からしてシリア軍が攻撃したと断じており
http://www.nytimes.com/aponline/2013/09/18/world/middleeast/ap-ml-syria.html?ref=middleeast&pagewanted=all&pagewanted=print
又、司法的見地からも国連報告はアサドがサリンを使用したとしている
http://www.nytimes.com/2013/09/17/world/europe/syria-united-nations.html?smid=fb-share&pagewanted=all
guardianのSarah Margonは、以上の知見を元にしてアサドを國際司法裁判にかけるべきだとしている http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/sep/20/sarin-gas-syria-icc/print
又、ロンドンにベースをおくヒューマンライトウオッチは独自に調査した結果、やはりアサドの攻撃であると結論つけている Human Rights Watch's report (pdf)
ロシアの外相はまだ、反体制派が使用したとしているが、その証拠はアサド政権から提供されたものであるという。笑い話しである
「ロシアはシリアのアサド政権を支援していますが、これはアサドがロシア海軍
の基地の設置に賛成しているからだと言われています。もしシリア反政府勢力も
基地に賛成したら、ロシアは反政府側に鞍替えするでしょうか?)
ストローイノフ: それはないですね。基地の件だけではないのです。ロシアが
アサドを支持するのは、西側の介入を躊躇させるためです。その思惑は成功して
います。1970年代にサダトが西側に叛旗をひるがえして以来、シリアは中東におけるロ
シアの同盟国でした。ゴルバチョフが、ハフェズ・サダトに対してアラブ世界の
盟主になることを勧めていますが、ゴルバチョフが言ったことも、それまでの政
策の継続です。ではモスクワがシリアを支援してきた理由は何かということですが、それはイランをはじめ、他の独裁者やテロリストを支援してきたのと同じです。要するに
ごたごたを起こしたいのです。かつてはイデオロギーのためでしたが、今はトラ
ブルのためのトラブルですね。最大の理由は、単純に石油価格の上昇を狙ってい
るんです。また、あらゆる国際紛争に関わることで、西側に対するカードを握っ
ておきたいのです。だから、アサドに価値がある限り支援を続けるでしょう。たとえばグルジア問題や、東ヨーロッパのミサイル防衛などの問題で、ロシアはカードを切り、西側
からの譲歩を勝ち取りたいわけです。海軍基地というのは問題の一部でしかあり
ません。シリア反政府勢力の勝利は、どんな勢力がトップに立つかによるでしょう。一
般的には、反政府勢力はロシアのことを「敵の味方」と、正しく理解していま
す。シリアを国際社会のゲームのポーン(歩)にし、国民の命を代償にしようと
していると。だから彼らはダマスカスの通りでロシアとイランの旗を焼いている
のです。シリアが民主化された場合、プーチンとの同盟は終わりを告げるでしょう。し
かしもっともありそうで不吉なシナリオは、西側のだめな政策によって、チュニ
ジアやエジプトのように、イスラム主義者が勝利することです。そういう場合、
彼らはプーチンと手を組んでもめごとを起こしたり、石油価格の引き上げたりす
るのを、プラグマチックなやり方だと考えるかもしれません。そうなった時に
は、彼ら自身が基地の設置を求めるでしょうし、われわれはまた一歩後退するこ
とになるのです」
この主張は完全に過っている、ロシアは、地政学的にいって、シリアを唯一の中東におけるイスラエル、他のアラブ諸国への監視と威嚇を目的として位置づけており、故に「合法的』と称して、アサドへの武器援助を行っており、それはミグから武装ヘリなど、アサドが民間人の無差別殺害するインフラの殆ど全てを与えている。
更に、化学兵器が使用されて欧米の武力介入が課題になるや、問題をすりかえて、欧米の武力介入を回避させるべく、ジュネーブ会議で化学兵器廃棄と引き替えでの停戦提案をした。この発議は国連の査察での国連報告が公開された直後であり、国連報告は、化学兵器が誰が使用したか特定していないとされているが詳細にみると、サリンの濃度、被弾地域に残されたミサイルの弾道計算からして,発射地点が、大統領警護隊の本拠地である都市であると特定されており、暗に政権がサリンを使用したことを認めている。それはおそらくロシアも知っていたと思われる。そうでなければ国連報告の直後にアサドに化学兵器廃棄を促すはずがない。ジュネーブ会議で反政府側がロシアとイランが介入しなければ、問題は容易に解決する、と言ったのはその意味である。
こんな御用学者の議論をとりあげて、「これがチェチェンとシリア内戦の本質である」などという感覚がわからない
「ロシアはシリアのアサド政権を支援していますが、これはアサドがロシア海軍
の基地の設置に賛成しているからだと言われています。もしシリア反政府勢力も
基地に賛成したら、ロシアは反政府側に鞍替えするでしょうか?)
ストローイノフ: それはないですね。基地の件だけではないのです。ロシアが
アサドを支持するのは、西側の介入を躊躇させるためです。その思惑は成功して
います。1970年代にサダトが西側に叛旗をひるがえして以来、シリアは中東におけるロ
シアの同盟国でした。ゴルバチョフが、ハフェズ・サダトに対してアラブ世界の
盟主になることを勧めていますが、ゴルバチョフが言ったことも、それまでの政
策の継続です。ではモスクワがシリアを支援してきた理由は何かということですが、それはイランをはじめ、他の独裁者やテロリストを支援してきたのと同じです。要するに
ごたごたを起こしたいのです。かつてはイデオロギーのためでしたが、今はトラ
ブルのためのトラブルですね。最大の理由は、単純に石油価格の上昇を狙ってい
るんです。また、あらゆる国際紛争に関わることで、西側に対するカードを握っ
ておきたいのです。だから、アサドに価値がある限り支援を続けるでしょう。たとえばグルジア問題や、東ヨーロッパのミサイル防衛などの問題で、ロシアはカードを切り、西側
からの譲歩を勝ち取りたいわけです。海軍基地というのは問題の一部でしかあり
ません。シリア反政府勢力の勝利は、どんな勢力がトップに立つかによるでしょう。一
般的には、反政府勢力はロシアのことを「敵の味方」と、正しく理解していま
す。シリアを国際社会のゲームのポーン(歩)にし、国民の命を代償にしようと
していると。だから彼らはダマスカスの通りでロシアとイランの旗を焼いている
のです。シリアが民主化された場合、プーチンとの同盟は終わりを告げるでしょう。し
かしもっともありそうで不吉なシナリオは、西側のだめな政策によって、チュニ
ジアやエジプトのように、イスラム主義者が勝利することです。そういう場合、
彼らはプーチンと手を組んでもめごとを起こしたり、石油価格の引き上げたりす
るのを、プラグマチックなやり方だと考えるかもしれません。そうなった時に
は、彼ら自身が基地の設置を求めるでしょうし、われわれはまた一歩後退するこ
とになるのです」
この主張は完全に過っている、ロシアは、地政学的にいって、シリアを唯一の中東におけるイスラエル、他のアラブ諸国への監視と威嚇を目的として位置づけており、故に「合法的』と称して、アサドへの武器援助を行っており、それはミグから武装ヘリなど、アサドが民間人の無差別殺害するインフラの殆ど全てを与えている。
更に、化学兵器が使用されて欧米の武力介入が課題になるや、問題をすりかえて、欧米の武力介入を回避させるべく、ジュネーブ会議で化学兵器廃棄と引き替えでの停戦提案をした。この発議は国連の査察での国連報告が公開された直後であり、国連報告は、化学兵器が誰が使用したか特定していないとされているが詳細にみると、サリンの濃度、被弾地域に残されたミサイルの弾道計算からして,発射地点が、大統領警護隊の本拠地である都市であると特定されており、暗に政権がサリンを使用したことを認めている。それはおそらくロシアも知っていたと思われる。そうでなければ国連報告の直後にアサドに化学兵器廃棄を促すはずがない。ジュネーブ会議で反政府側がロシアとイランが介入しなければ、問題は容易に解決する、と言ったのはその意味である。
こんな御用学者の議論をとりあげて、「これがチェチェンとシリア内戦の本質である」などという感覚がわからない
2013年 09月 17日 07:25 JST
[国連 16日 ロイター] - 国連は16日、シリアの化学兵器使用に関する調査報告書を公表し、8月21日にダマスカス近郊で起きた攻撃で神経ガスのサリンが使用されたと断定した。
化学兵器を使用したのがアサド政権か反体制派かについては言及していない。
米英仏の3カ国は同日、化学兵器廃棄に向け明確かつ拘束力のある期日を定めた「強力で断固とした」国連決議を求めることで合意した。
米国とロシアは14日、シリアの化学兵器を2014年半ばまでに廃棄させる枠組みで合意。米国によるシリア攻撃の可能性はひとまず後退したが、オバマ米大統領は、化学兵器の処理が進まない場合、軍事行動の可能性も残されているとしている。
ロシアはシリアに対し厳しい制裁措置を科すことに慎重な姿勢を崩しておらず、両国は反体制派が化学兵器を使用としたと主張している。
シリア国内では、複数の地域で戦闘が起きたと報じられている。トルコは、シリアのヘリコプターがトルコ領空を侵犯したとして、トルコ軍機が同ヘリコプターを撃墜したことを明らかにした。
<国連報告書>
潘基文(バン・キムン)国連事務総長は安保理加盟国に対し「国連調査団は、シリアで化学兵器が使用されたことを明確かつ客観的に確認した」と表明。
シリアが米ロ合意を確実に実行・順守するための方法を検討するよう安保理に求め、「シリアが(合意を)順守しなければ責任を追及すべきという考えに同意する。化学兵器はどこで誰が使用しようと、いかなる場合も犯罪に当たる」と述べた。
報告書は「(首都ダマスカス近郊の)グータで起こった事件に関する調査で得た証拠から、シリアの衝突で子供を含む市民に対し、比較的大規模に化学兵器が使用されたと結論付けた」と指摘。
具体的には「収集した環境的、化学的、医学的サンプルは、神経ガスのサリンを搭載した地対地ロケットが使用されたとの明確かつ確固たる証拠を示している」とした。
また、8月21日は午前2時から午前5時にかけて気温が低下し、このため大気が地面に向けて下向きに流れていたと指摘、多くの市民の避難先となっていた建物の低層階にガスがとどまり、被害者の数が膨らんだと分析した。
潘事務総長は安保理に対し、調査団が採取した血液サンプルの85%からサリンの陽性反応が出たほか、生物医学的サンプルのほぼすべてでサリンの痕跡を検出したと説明した。
<米英仏、「攻撃はアサド政権側によるもの」>
国連調査団の任務は事実調査に限定されており、化学兵器攻撃を行ったのがアサド政権側か反対派かを示唆する情報が報告書の詳細に含まれているかどうかは現時点で不明だ。
ただ、米英両国の国連大使は16日、シリアの化学兵器使用に関する国連調査報告書について、神経ガスのサリンを使った8月21日の攻撃が反体制派ではなくアサド政権側によるものだったことを確認する情報が含まれているとの見方を示した。
フランスのファビウス外相も、アサド政権による化学兵器使用に疑いの余地がないことを国連報告書は示していると述べた。
英国のグラント国連大使は記者団に対し、攻撃の責任が政権側にあることに疑いの余地は残っていないと発言。米国のパワー国連大使も同様の見解を示した。
また一部の西側外交筋はこれまでに、兵器の種類など調査団が入手しているかもしれない情報の詳細には、政府に攻撃の責任があることを示すものが含まれる可能性があると述べている。
ロシアの国連大使は、サリン攻撃を行ったのが政権側だという科学的な証拠はないと主張。シリアの国連大使のコメントはとれていない。
<米国務長官、「順守しない場合は報いを受ける」>
ケリー米国務長官は16日、シリアが化学兵器の引き渡しに関する国連決議を完全に順守しない場合、同国はその責任を取る必要があるとの見解で米英仏、ロシアは一致していると明らかにした。
長官は、英仏外相との共同記者会見で「(シリアの)アサド大統領が期限までに国連決議の枠組みに従わない場合、同国は間違いなく報いを受けるという考えで誰もが一致している。これにはロシアも含まれる」と述べた。
一方、 ロシアのラブロフ外相は同日、シリアの反体制派に和平協議への参加を単に促すのではなく、参加を強いる措置を検討すべき時が来ている可能性があるとの見解を示した。
また、シリアの化学兵器廃棄と米国による軍事行動回避に関し米ロが週末に合意した内容を欧州諸国は解釈し直そうとしているとして非難した。
外相の発言は、シリアのアサド政権が合意内容を実行しなかった場合の武力行使を警告する西側諸国の動きをけん制するとともに、米ロ合意がシリア内戦の終結に向けたより幅広い取り組みにつながらなかった場合、反体制派と西側諸国を非難する構えであることを示唆している。
また、国連憲章7章に基づき米ロ合意を支持する安保理決議を早急に採択するよう求めた欧州の要請について、合意内容を「理解していない」と批判した。同7章では武力行使を決議に盛り込むことも可能となる。
外相は「(欧州諸国は)またしてもわれわれが米国と合意した内容を一方的に見直そうとしている」とし、「欧州からのこうした発言にかかわらず、米国が合意を厳格に守ることを確信している」と述べた。
ラブロフ外相は、米国との合意によると国連憲章7章に基づく武力行使などの措置を盛り込むことができるのはシリアの化学兵器使用やその他の合意違反があった場合に採択し得る第2段階の安保理決議であり、米ロ合意を支持する第1段階の安保理決議に盛り込むことはできないと強調。
シリアが化学兵器廃棄に向けた合意に違反した場合は「米国側と合意したとおり国連安保理が7章に基づく決議を採択することが可能となる」とした一方、決議に武力行使が含まれない可能性もあると強調し、「(決議が)どのような内容になるかは誰にも分からない」と述べた。
原文は「Report on the Alleged Use of Chemical Weapons in the Ghouta Area of Damascus on 21 August 2013」となっており、よく その分析をよめばアサド政権が攻撃したと読める
1.使用されたサリンは、地対地ミサイルに搭載され、そのミサイルにはキリル語(ロシア語)でミサイルと記載されている。ロシアはアサドにシリアの武器の半分を供与してきた歴史的事実をみれば、そのミサイルもロシア製でありアサドが利用した可能性が高い、その内部に残っていたサリンは純度が高く、ヨルダンの避難民キャンプでアルカイダが保有していてトルコ軍に押収された純度の低いサリンとは違い相当高度の製造工場と研究施設が必要である
2。反体制派の拠点Ghoutaを攻撃した化学兵器の弾道測定から、その発射地はアサド精鋭部隊の大統領護衛隊の拠点Mount Qassiounであることが判明した
3.国境なき医師団の声明では、4000人近い被害者は急性の神経毒性中毒に犯されており、このような大量の被害は、毒性の低いサリンでは起こり得ない
ニューヨークタイムズは、この国連報告の解析から、ロケット弾道解析からしてシリア軍が攻撃したと断じており
http://www.nytimes.com/aponline/2013/09/18/world/middleeast/ap-ml-syria.html?ref=middleeast&pagewanted=all&pagewanted=print
又、司法的見地からも国連報告はアサドがサリンを使用したとしている
http://www.nytimes.com/2013/09/17/world/europe/syria-united-nations.html?smid=fb-share&pagewanted=all
guardianのSarah Margonは、以上の知見を元にしてアサドを國際司法裁判にかけるべきだとしている http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/sep/20/sarin-gas-syria-icc/print
又、ロンドンにベースをおくヒューマンライトウオッチは独自に調査した結果、やはりアサドの攻撃であると結論つけている Human Rights Watch's report (pdf)
ロシアの外相はまだ、反体制派が使用したとしているが、その証拠はアサド政権から提供されたものであるという。笑い話しである
最初の国連報告書は 誰が化学兵器を使ったかについては特定しないとしているが 詳しく読むと アサドが使用した証拠が書かれてある 最近の国連報告書は アサドが使用した可能性が高いと示唆している
ハーシュも落ちたものですね デモクラシー ナウも
最近はおとなしくなって ニューヨークタイムズの記事の追っかけばかり
それにサリンが使えなくなったら 今度はアサドは 塩素ガス使っているでしょう
アルカイダが持っていたサリンでは殺傷能力はない
最初の国連報告書は 誰が化学兵器を使ったかについては特定しないとしているが 詳しく読むと アサドが使用した証拠が書かれてある 最近の国連報告書は アサドが使用した可能性が高いと示唆している
ハーシュも落ちたものですね デモクラシー ナウも
最近はおとなしくなって ニューヨークタイムズの記事の追っかけばかり
それにサリンが使えなくなったら 今度はアサドは 塩素ガス使っているでしょう
アルカイダが持っていたサリンでは殺傷能力はない