駅前不動産屋今日も回りは敵だらけ

株式会社 ハウスショップ 東京都町田市

難しさの根源は唯一性

2018年05月08日 | 不動産業界

先日あるお客様と食事をしましたが 
 
話していて 
 
改めて事業者と顧客 
 
この立場の違いを強く感じました。 
 
私たちは不動産の取引を業としてる訳ですから 
 
たくさんの契約を経験します。 
 
たくさん経験するって事はお客様よりたくさんの情報が入り 
 
物件の知識も豊富になる 
 
って事です。 
 
であれば 
 
我々事業者は顧客に対してはその利益を最大限に確保出来る 
 
って事になりそうですが 
 
残念ながらそうとは限りません。 
 
我々はプロでありながら 
 
顧客には情報量も知識もはるかに及ばないし 
 
購入の判断や売却の判断 
 
これにおいては 
 
顧客の方が正しい判断をする可能性が高い 
 
今回お客様とじっくり話してそれを感じた訳です、 
 
どうしてそんな逆転現象が起るかと言うと 
 
不動産の唯一性 
 
これに行き着きます。 
 
つまり 
 
私たちはお客様から売却依頼される物件は 
 
たくさんの不動産の中の一つですが 
 
お客様にとってはその物件が全てですから 
 
当然その思いには大きな差がある訳です。 
 
思いに差があるって事は 
 
その物件に関して言えば 
 
情報も知識も顧客の方が上 
 
そんな事が起りうるのです。 
 
具体的には 
 
私たちは物件の価格を査定する時に 
 
近隣で取引された事例を参考に 
 
この物件がいくらだからお客様の物件もこの位です 
 
なんて事を良く言いますが 
 
お客様は同じ地域ですから 
 
その参考物件については 
 
私たちよりはるかに詳しい情報が入っていて 
 
“その物件は参考になりませんよ” 
 
なんて言ったりします。 
 
そしてそう語る理由が 
 
“実はその物件は売れてないのです、ご主人が警察に捕まり中止になりました” 
 
って話しになる事もあります。 
 
そんな感じで 
 
不動産の唯一性は 
 
時にはプロより素人が上になる 
 
そんな事がよく起るのです。 
 
今回のお客様に関して言えば 
 
地価公示等の基礎情報はもちろん 
 
近隣の事例は全て頭に入っていますし 
 
更に自らの経済予測 
 
これも私が唸るような話しをしてくれました。 
 
そんな訳で 
 
 
不動産の仕事とは 
 
実は顧客から学ぶ 
 
こんな事も多いんだって事です。 
 
にも関わらず 
 
プロである事のプライドが邪魔して 
 
その事を認めないと 
 
結局顧客に 
 
考えの浅さ 
 
これを見透かされ 
 
逃げられてしまう 
 
こんな事が良く起るのです。 
 
ビジネスは 
 
顧客を利益に繋げる 
 
これがその基本構造です。 
 
しかしその意識が強いと 
 
顧客に不利益を与えても自社の利益に走る 
 
この可能性が高くなります。 
 
そうなれば 
 
一時期儲かっても 
 
長続きはしません。 
 
不動産の唯一性故に 
 
顧客が我々と同じかそれ以上の知識を持つのであれば 
 
この世界で生きるには 
 
顧客の利益と同じ方向を向く 
 
これしかないと私は会社創業以来考えてる訳です。 
 
ですから 
 
私は社員が顧客の利益より自分の利益 
 
これを優先してると感じれば 
 
この歳でも時々大声を出すのです。 
 
 

コメント
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