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窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第8回筆跡アドバイザーマスターズ研究会に参加しました

2018年11月05日 | 筆跡心理関係


  11月3日、日本筆跡心理学協会の「第8回筆跡アドバイザーマスターズ研究会」に参加してきました。昨年の再開以降、年に1度の筆跡アドバイザーマスターによる勉強会です。全国各地からマスターが集い、それぞれどのように筆跡診断を活用し、また普及のためにどのような工夫をされているのかが共有できる大変貴重な機会であり、ずっと楽しみにしていました。

  初めに、同協会会長の根本先生より近況のお話がありました。一つの興味深い事例として、黒板に板書する時の音と筆跡との関係について、地方の高校生から問い合わせがあったということです。これについて確かな研究結果があるわけではありませんが、そうした素朴な疑問についても関連の有無にかかわらずまず受けてみることが大事。それによって自分にとっても新しい視点が加わることがあるというお話でした。

  続いて筆跡・印影鑑定人の柳谷さんからは、筆跡鑑定(このブログに掲載されている「筆跡診断」とは異なります)の現場についてのお話がありました。筆跡診断以上に、鑑定は人の人生を左右してしまう可能性があり、責任の重い仕事だと思いました。



  マスターによる事例発表。一人目は静岡県から笹川俱充さん。静岡県で筆跡アドバイザーはまだ少なく、普及のためご活躍されています。キャリアカウンセラーとしてのお立場から、藤枝市の労働衛生講習会でお話しされた事例としては、「一日一筆のメンタルヘルス」ということで、「書く」=「今に集中すること」と捉え、過去にとらわれたり未来に恐怖したりするのではなく、今を生きる一助として筆跡を捉えられている視点が勉強になりました。職場で問題を起こしがちだったある女性の字を診たところ、大学ノートの罫線3行ぐらいの字を書いている。これを1行に収めて書くようにアドバイスしたところ、練習の結果周囲が見られるようになり、職場内の人間関係が改善したというフィードバックが得られたというお話は、「書く」という行為が及ぼす影響を示す興味深いものでした。

  筆跡診断に関心を持ってもらう入口としては、歴史上の偉人の筆跡を取り上げ、皆さんに誰の筆跡かを考えてもらったり、代表的な「口」という字で心理的側面の一端に触れていただくなどの工夫をされているそうです。また、採用支援では経験上「ハネ」を重視されているそうですが、これは僕自身の経験とも合致していました。



  二人目は、大阪府から本山裕子さん。ご自身だけでなく、今年発足した近畿で活躍されているマスターの集まりで共有された事例も併せてお話しいただきました。特に印象に残ったのは、笹川さんと同様、筆跡が及ぼす心身への影響についてです。家庭環境の影響で子供の頃から自殺願望を持っていたという、ある女性。その字を診たところ、まさに押しつぶされそうな、心の悲鳴が聞こえてきそうな字だったそうです。そこで、文字を変えるアドバイスをした結果、それを実践したご本人の努力もあって、自殺を思いとどまったばかりでなく、気持ちが明るくなり、今では自家農園での収穫祭を主催するまでに行動が変容したとのこと。その他にも、書道家でもある本山さんは、書を通じた企業へのアドバイスなどを通じて、看板の文字を変えることでお店の客層を変化させたり、メニューの書き方によって客単価が変化したりという経験をされています。そう考えると、筆跡心理はもっと真面目に研究されてしかるべきなのではないかという気がします。



  事例発表の後は、グループディスカッションで様々な情報共有、意見交換が行われました。個人的には、この日のお話を伺い、人の字を診る以前に自分の筆跡をなおざりにしていて良いのだろうかという気がしてきました。文字の癖を変える練習は個人差があるものの、皆さんの体験談をうかがうと概ね3ヵ月要するようです。海外で行われている「グラフォセラピー」も3ヵ月の継続と言われていますので、恐らく妥当な目安になるかと思います。



  今回も大変勉強になり、半日の時間があっという間に過ぎてしまいました。また来年も楽しみにしております!(来年は事例発表者なので、頑張ります)

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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ギリシャ料理の老舗、スパルター横浜・吉田町

2018年11月03日 | 食べ歩きデータベース


  関内駅近く、吉田町にあるギリシャ料理の老舗、スパルタにお邪魔してきました。スパルタは創業60年で三代目、かつてはギリシャ人船員が多く集まった曙町にありました。その曙町には現在でも有名な老舗Bar「アポロ」があり、その名残を留めています。

  スパルタは日本人向けにアレンジしていない本場のギリシャ料理。ギリシャは三方をイオニア海、地中海、エーゲ海に囲まれ、海の幸が豊富なので、日本人の口によく合う料理だと思いました。しかし、昔は日本人がオリーブオイルに馴染みがなく、少し抵抗があったようです。

  現在の「スパルタ」は元々喫茶店だった店を改装。黒壁だった店内を白壁と水色の柱を基調とした色に塗り直し、手作り感のある地中海風(ギリシャの国旗風?)の内装になっています。細長い店の造りが、元々喫茶店であったことを窺わせます。



  ギリシャと言えばワイン。以前ご紹介したジョージアと並ぶ世界最古のワイン生産国の一つであり、300以上もの固有のブドウ品種があると言われます。ただ、残念ながらこの日は車だったために飲むことができず、代わりに「マスティクア」という炭酸水を頼みました。マスティクアは、キオス島に自生するマスティハの樹液入りの炭酸水。マスティハの爽やかな香りのする軟水の飲みやすい炭酸水です。マスティハには様々な効能があることが知られていますが、この水に効能があるのかについては不明です。



  一緒にお邪魔した友人は、「フィックス」という1864年発売開始のギリシャ最古のビールを。フィックスはかつて国際コンテストでも高い評価を得、高い人気を誇りましたが、外国産ビールに押され1983年に製造中止。その後、他社に売却され、2010年にフィックス・ブランドとして復活したそうです。友人曰く、しっかりとしたラガービールだったとのこと。



  さて、料理に移りましょう。まずはタコのマリネ。ギリシャのマリネは酢の代わりに白ワインとレモン汁で作るのだそうです。厚みのあるゆでたタコは食べ応えあり。



  野菜たっぷりのギリシャ・サラダもドレッシングは使わず、野菜から出る汁とオリーブオイルで仕上げているのだそう。Sサイズを頼みましたが、かなりボリュームがあります。



  ハルミチーズ。山羊乳と羊乳から作られる、キプロス島の非熟成塩漬けチーズを焼いたもの。ハルミは溶けにくいので焼いてもとろけず、チーズの塩味と旨味に焼いた香ばしい香りが加わり、肉を食べているかのような食感です。白ワインにとても良く合いそうです。



  メリジャノサラダ。茄子のペースト、アラブ系料理の「フムス」のようなものです。東ローマ帝国滅亡後、ギリシャは19世紀までオスマン帝国の支配下にありましたから、当然トルコからの食文化の影響も受けています。バケットにつけてさっぱりと食べようと頼んだのですが、そのバケットも注文が入ってから焼くそうで、とても柔らかく、熱々で美味しかったです。



  ガリデス。予想外に大きな、大ぶりのむきエビの唐揚げは、シンプルですが食べ応えと、噛むほどに口の中に旨味(昔、国語の教科書でこういうのを岩手方言で「くるみ味」というと習ったような…)が広がります。これはお勧めです。



  コトプロ・コキニスト。コトプロは鶏肉、コキニストとは赤くしたもの、つまりチキンのトマト煮のことです。地中海料理に共通することですが、ギリシャでも新大陸から伝わったトマトを多用します。チキンはとても柔らかく、赤ワインで楽しめればさらに美味しさが増したことでしょう。こちらもとてもお勧めです。



  ムサカ。ジャガイモと茄子とひき肉の上にホワイトソースをのせ焼いたもの。東地中海に広く分布する伝統料理ですが、ラザニアのように層にするのは、ギリシャのムサカの特徴のようです。これも大きくてかなりの食べ応え。頼むならはじめの方が良いかもしれません。



 最後は濃いギリシャコーヒーとバクラバのデザート。バクラバは砕いたクルミやアーモンドの入ったパイに染み出すほどたっぷりの蜂蜜(シロップ?)をかけたもの。こちらもトルコを経由して伝わったものと思われます。見るからに甘そうで、覚悟して臨みましたが、意外にもあっさりとした甘さで、一気に食べられました。ギリシャコーヒーはトルコと同じく、コーヒーの粉ごと煮だしたもので、粉を沈めて上澄みだけを飲みます。濃いコーヒーが好きな僕としては嬉しいです。

  気がつけば、二人で随分と色々食べました。しかし、初めてのギリシャ料理は珍しく、それだけでも楽しかったです。今回はとある会の忘年会の下見としてお邪魔したのですが、次回はギリシャのワインもしっかりと楽しみたいと思います。

スパルタ



神奈川県横浜市中区吉田町3-7



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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2018年10月アクセスランキング

2018年11月01日 | 人気記事ランキング


  気がつけばもう11月、日は徐々に短く、朝晩少し冷え込むようになり秋の深まりが感じられます。空気も乾燥し始めましたので、風邪など召されぬようご自愛ください。11月4日はこのブログの開設日、丸11年を迎えます。

  さて、2018年10月にアクセスの多かった記事トップ10です。

  何と言っても今回圧倒的多数のアクセスを集めたのが、1位のYMS100回記念の記事です。当日は81名もの皆様にお集まりいただき、盛会のうちに終えることができました。改めて御礼申し上げます。2週間後の11月14日には第101回YMSを開催いたしますので、ぜひお越しください。

  ブログの更新が少なかったこともありますが、カテゴリ別のアクセスが多かったのも10月の特徴です(4位「YMS情報」、7位「筆跡心理関係」、8位「リサイクル(しごと)の話)。筆跡診断に関しては、今週末にマスターズ研究会が開催されますし、また12月には横浜山手ロータリークラブの例会にてお話しさせていただく予定です。

  10位の第89回YMSの記事ですが、実は最近、最終的にランキングこそしないものの、月の途中までは常にトップ10に入っています。この時の講師、宮川哲幸さんに注目が集まっているのかもしれません。

  9位「樽座敷 紀子」、良いところでした。いわきに行った際はまたお邪魔したいと思います。

1 8年間のご縁とご支援に感謝!-第100回YMS
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8 カテゴリー毎の記事一覧(リサイクル(しごと)の話)
9 樽が背もたれにちょうどいい…-樽座敷紀子(いわき市小名浜)
10 日本経済が抱える課題の縮図-第89回YMS

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