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11年ぶりの中国です。雨煙る寒空の中、蘇州の有名な山、穹窿山へ行ってきました。「穹窿」には天空という意味があるそうです。さほど高い山ではありませんが、何となく良い気が流れている気がする、気持ちの良いところでした。
さて、最初に訪れたのは「上真観」という道教寺院。記録によると創建されたのは1800年ほど前、後漢の時代。最も繁栄したのは清の最盛期で、6代皇帝乾隆帝はこの寺院へ6度も行幸し、毎回山頂にあるこの寺院まで登ってきたそうです。その後、文化大革命などもあり荒廃、現在の建物は1990年に再建されたものです。
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山門をくぐると、石段に沿って9匹の龍の彫刻が現れます。道教のことは良く分かりませんが、陰陽で九は陽を表し、龍は陽の象徴です。9匹のうち、一番上の龍が皇帝を表しています。
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「道(タオ)」の書。「しんにょう」が三点しんにょうで書かれているのは、道教で万物を表す「天・地・人」の意味を込めているのだそうです。
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余談ですが、当社の行動指針、思考の起点を表す「Ecosophy」のシンボルマークも意味の一つとして、青は「天」、緑は「地」、白は「人」を表しています。当社の新物流センター「エコムナ」の外壁もこの色です。
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三清閣。内部の写真を撮るのは遠慮しましたが、「玉皇宝殿」、「彌羅上宮」、「三清閣」の三層からなり、「玉皇宝殿」には道教の最高神である玉皇大帝、「彌羅上宮」には六十甲子と呼ばれる、十干十二支を象徴する60体の神像、最上階の三清閣には玉清元始天尊、上清霊宝天尊、太清道徳天尊の三清が祀られています。
三清は儒教の天神が道教で神格化したもの。元始天尊は、万物より前に誕生した常住不滅の存在。霊宝天尊は宇宙自然の普遍的法則や根元的実在を意味する「道」を神格化したもの。道徳天尊は「老子」を神格化したものです。
参拝の際は、左手親指を右手でつかみ、左手で右手の甲を覆うと、ちょうど親指の部分が「太極図」の形になります。その状態で三拝。印象的だったのは、観光ガイドは信仰上の理由で三清閣への入殿を拒否し、中を案内した道士までが三層目に上がることを拒否したということです。そこまで神聖な場所なのに、異教徒である外国人観光客が遠慮なく入れるとは不思議です。
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鐘楼の鐘。1回から10回まで、撞く回数ごとにご利益が変わるのだとか。そうとは知らず、1回で遠慮してしまいました。
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乾隆行宮。乾隆帝がここを訪れた際、宿舎としたところだそうです。
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望湖亭。生憎、雨に霞んで太湖は全く見えず。尤も開発が進んだため、晴れていても太湖は見えなかったかもしれません。
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しかし、雨に霞む景色も悪くないものです。
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望湖亭に建つ石碑、湖側は乾隆帝が1757年(丁丑)に詠んだ「穹窿山望湖亭望湖」という五言絶句。
震沢天連水
洞庭西渡東
双眸望無尽
諸慮対宜空
三万六千頃
春風秋月中
五車稟精気
誰詔陸亀蒙
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裏面は1762年(壬午)のもの。
見説古由鐘
乗閑陟碧峰
上真厳祀帝
四輔切其農
奚必逢茅固
無労学赤松
具区眼底近
可以暢心胸
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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