窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

16年ぶりの謝甜記-中華粥(横浜中華街)

2019年11月13日 | 食べ歩きデータベース


  10月27日、横浜中華街では香港路の安記(昭和7年)に次ぐ中華粥の老舗、謝甜記(昭和26年)へ行ってきました。お粥を食べるために中華街へ行くという機会はなかなかなく、実に16年振りのことになります。子供の頃に読んだ本には、中華街で働く料理人たちが朝食のために鍋を持って謝甜記に列を作ると書いてあった記憶があります。

  訪れたのは、本店から少し離れた弐号店の方。地元では有名ですが、トレードマークは入口に置かれたサンタクロースで、創業時に近所のバーから譲りけたものと聞いています。確か、「サンタクロースのように、世界中に知られる店になりたい」という思いがあったとも、単純に目立つからという説もあります。

  お店のHPによれば、お粥は、生米を乾燥牡蠣、乾燥貝柱、丸鶏と共に約4時間も煮込むそうです。塩もセルマランドゲランドという、フランス北西部、ゲランド地方の塩田で作られた塩を使っているそうです。この塩は、フランス有機農業推進団体、ナチュール・エ・プログレが定める伝統的製法に基づいて収穫され、精製せずに出荷しているとのこと。

  お粥は土鍋に入ってくる普通サイズと、その半分ほどのどんぶりの中椀サイズとがあり、今回は色々味見しようということで中椀にしました。結果的にはあまりにもすんなり入ってしまったので、普通サイズでも良かったのですが…。

  まず冒頭写真のお粥は、牛肉、豚肉、鶏肉、豚すね肉、ピータンの入った、五味(うい)粥。一つで色々な味が楽しめる欲張りなお粥です。お粥はどれも具が底に入って出てきたので、混ぜないと表面的な見た目が同じになってしまいます。中華風揚げパンである油条に出汁の効いたお粥をたっぷりしみ込ませて食べると一層美味しいです。



  その他のお粥は、海鮮風味の効いた海老粥と、海老、白身魚、イカ、野菜の入った優しい五目粥。4時間も煮込んであるだけあり、ほぼあんかけに近い程とろみのついたお粥は、胃に優しく、かつ思いの外味わい深いです。16年の時を経て、僕もこういうのが嬉しい歳になったのかもしれません。

  お店のメニューに紹介してあったことですが、曹洞宗の開祖、道元の著書『赴粥飯法(ふしゅくはんぽう)』に、「粥有十利」(しゅうゆうじり)という、お粥の10の効能が挙げられているそうです。その効能とは、

1. 色 (肌つや・顔色を良くする) 
2. 力 (体力をつける)
3. 寿 (寿命を延ばす)
4. 楽 (胃に優しく、体調が楽になる)
5. 詞清辯 (頭の働きが向上、言葉もなめらかに)
6. 宿食除 (胸のつかえが治る)
7. 風除 (風邪を引かない)
8. 飢消 (空腹を癒す)
9. 渇消 (喉の渇きを癒す)
10.大小便調適 (おなかの調子を整える)



  さて、お粥以外の人気メニューを。まずは一番人気という、梅みそ付鶏の唐揚げ。梅みそといっても酸っぱくはなく、むしろ甘いみそをチューリップの唐揚げにつけて食します。



  海老とマヨネーズの春巻き。表面がサクサクの網目春巻きです。マヨネーズは甘みを添える程度であまり感じません。

  子供の頃、正直お粥は熱いだけで物足りなく思っていました。しかし今や、お粥の優しさがしみじみ美味しいと思える46歳です。

謝甜記弐号店



神奈川県横浜市中区山下町189-9



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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