窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

大不況こそ日本のチャンス

2009年02月27日 | その他
  先日「大不況こそ日本のチャンス」と題した堺屋太一さんの講演を拝聴する機会がありました。

  前半は今日の経済状況に至るまでの経緯を60年代からおさらいしました。この辺は以前ご紹介した三橋貴明さんの御著書『ドル崩壊』に詳しいので割愛します(http://blog.goo.ne.jp/hardworkisfun/e/21b34ca33dfce82a324a4b838dcfa532)。

  後半は現在の状況と日本へのこれからの処方箋についてでした。以下にそれを簡単にまとめます。

*アメリカにおける金融危機自体はアメリカが日本が10年前に実施したのと同じ施 策、すなわち①公的資金の注入、②不良債権の買い上げ、③借手保証によりほぼ 収まった。ただし②については金融工学があまりに発達しすぎた結果、不良債権 の価格算定が難しく、思うように進んでいない。ただし、世界大不況はこれから。

*アメリカ:ローンによる過剰消費体質は今後も変わらない。

*中国:中国の不況は先進国と違い近代工業化過程における設備投資過剰による初 期不況。政府がかなり強引な手法で内需拡大に舵を切っている。中国が大消費社 会に向かう中で製品に対する信頼、ブランド力のある日本の製造業はチャンス。

*日本:取り組みによっては1年後にはかなりの景気回復をみせる。その鍵となるのは円高と高齢化。継続的な円高は内需産業に利益をもたらし、輸出企業のリストラによる労働力を吸収できる余力をもつ可能性がある(労働流動性が課題)。一方、高齢化については団塊の世代の定年退職が完了。しかしそれは市場からの退出を意味するのではなく、経験豊富な労働力を市場価格に見合ったコストで活用できるということ(年金併用型労働者)。2010年代の日本は高齢労働力をいかに活用できるか、また人口比で多数を占める高齢消費者に合った商品、サービスをいかに供給できるかが重要。その経験の蓄積は、消費社会に転じた中国市場が後を追って高齢化社会を迎えたとき(1979年生まれ以降は一人っ子)、日本にとって大きなチャンスとなるだろう。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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