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窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

17安打、13得点、7者連続奪三振、5安打2名!-日本プロ野球2023 横浜vs広島9回戦

2023年05月28日 | スポーツ観戦記


 投稿が遅くなってしまいましたが、5月18日、横浜スタジアムへ横浜vs広島9回戦に行ってきました。前回5月2日時点では首位だったベイスターズ。翌週の9日に2020年サイヤング賞投手で話題のバウアー投手がメッタ打ちに遭ったのを皮切りに6連敗。首位も陥落して前日ようやく連敗を止めました。4月で貯金10としながら5月に7勝18敗で貯金を使い果たし、結局5位に終わった1996年シーズンを思い起こさせる展開。このままズルズルいかないためにも絶対に落とせない一戦となりました。



 横浜の先発は、ここまで1完投を含む2勝1敗の東投手、計算できる先発の一角を担っています。その東投手ですが、一番不安定だったのが2四球を出した初回。その後は9安打を打たれながらも大量援護に助けられ、8回3失点と試合を作りました。ただ、打たれる場面はちょっと簡単に打たれ過ぎているなという印象があります。



 試合が動いたのは2回裏。一死から桑原選手がレフトライン際に入る二塁打で出塁。



 続く京田選手はセカンドへの高いバウンドでしたが、気迫のヘッドスライディングを見せ内野安打。これで一死三塁・一塁。



 さて8番山本選手。次が投手かつ三塁走者が桑原選手なのでスクイズも考えられますが、まだ2回裏。浅い回から仕掛けてくるかな、という疑問はありました。ラミレス監督時代今までの横浜であれば100%打たせてきたと思います。恐らく広島バッテリーもそう思ったのでしょう、スクイズを警戒して1球外してくる様子もありませんでした。その初球は真ん中のツーシーム。これを山本選手が見事にバントを決め、スクイズ成功。横浜が鮮やかに先制します。これがその後の猛攻の流れを呼び寄せたと言っても過言ではありません。



 動揺したのか、広島の先発コロニエル投手は続く東投手にフルカウントから四球を与えてしまいます。これで二死二塁・一塁。



 そして打順1番に返り、5月に入って本塁打を量産している佐野選手。そこに内角高め、佐野選手にとってはおあつらえ向きのツーシーム。これを逃すはずもなく、バックスクリーン右に打った瞬間それと分かる8号スリーランホームラン。これで0vs4。



 三回裏。横浜は先頭のソト選手がフルカウントからの四球で出塁します。



 続く桑原選手もフルカウントから、今度はレフトフェンス直撃の二打席連続二塁打。これで無死三塁・二塁。



 続く京田選手はセカンドゴロに倒れ、走者動けず。しかし、先ほどスクイズを決めた山本選手を今度は警戒し過ぎたのか四球を与えてしまいます。これで一死満塁。東投手見逃し三振で二死となるものの、佐野選手には四連続ボールで押し出し。さらに1点追加、0vs5



 一方の東投手は、4回表に先頭の秋山選手を三振に切って取ります。これで2回の先頭打者から

堂林選手
磯村選手
韮澤選手
コロニエル投手
菊池選手
上本選手
秋山選手

とセ・リーグ記録にあと1と迫る7者連続奪三振(因みに、プロ野球記録は昨年佐々木朗希投手が記録した13)。



 広島の反撃は5回表。先頭の磯村選手がレフトライン際の二塁打で出塁。



 続く韮澤選手はサードフライに倒れますが、コロニエル投手に替わる代打会澤選手。会澤選手にはよくやられている印象があるのですが、その会澤選手の三遊間への当たり。途中でバウンドが変わったのか、三塁手の宮崎選手が後逸し、二塁走者磯村選手が生還。これで1vs5.



 6回裏。広島は5回から登板した二番手大道投手が回跨ぎで登板。横浜はその大道投手から先頭の佐野選手がまずライト前ヒットで出塁。これが大量得点の始まり。



 続く関根選手は一塁へのゴロでしたが、一塁手マグブルーム選手が送球できず内野安打。関根選手は早くも三安打の猛打賞。無死二塁・一塁。



 宮崎選手には死球で無死満塁。



 そして牧選手が真ん中低めのストレートをセンター前に弾き返し、2点追加。1vs7。



 大道投手はソト選手にも死球を与えてしまい、再び無死満塁。



 さらに桑原選手には平行カウントから打って下さいと言わんばかりのど真ん中のストレート。これをセンター前に弾き返した桑原選手に至ってはこれで四打席連続安打。1vs9。



 広島はここで大道投手から三番手塹江投手に交替。



 ところがその塹江投手も京田選手に四球を与え、三度無死満塁。



 それでも塹江投手は8番山本選手、9番東投手を連続三振にとり、二死までこぎつけます。しかし、打者一巡となり佐野選手にまた四球を与えてしまい、ソト選手の代走神里選手が生還。ついに1vs10。



 そして関根選手が投手強襲でセンター前に抜けるタイムリー。1vs11。関根選手も4安打目。



 とどめはここまで打率4割3分7厘と驚異的な成績を残している宮崎選手がレフト前ヒット。これでこのイニング8得点、1vs13。



 東投手は大量援護に守られた中ではありましたが、7回表は二安打を浴び、二死・三塁一塁から上本選手にレフト前に打たれ、2vs13。



 さらに8回表にはマクブルーム選手にバックスクリーンへホームランを浴びます。マクブルーム選手は4本塁打中、2本が横浜戦。



 9回表。横浜高校出身、昨年支配下登録された石川投手が登板。今シーズンは主に点差の開いている場面での登板ですが、安定した成績を残しています。この日も1四球こそ出しましたが、2三振無失点と大量得点の試合の中で目立たなかったものの、中継ぎ・抑え投手の負担軽減に貢献する投球をしてくれました。

 17安打、13得点、7者連続奪三振、5安打2名(関根選手、桑原選手)、東投手8回3失点4勝目と非の打ち所のない試合でした。首位阪神タイガースが絶好調、気が付けば後ろに広島・巨人が迫ってきていますが、何とか堪えて交流戦を迎えて欲しいものです。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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憧れの甲子園初観戦!ー日本プロ野球2023 阪神vs中日6回戦

2023年05月05日 | スポーツ観戦記


 5月4日、阪神vs中日6回戦の観戦に阪神甲子園球場へ行ってきました。来年開場100周年を迎え、当時「東洋一の球場」と謳われた甲子園球場。高校野球の聖地であり、プロ野球発足前から日本の球史を刻んできた伝統ある野球場に、かねてから一度は行ってみたいと思っていました。



 しかもこの日は、球場9階にあるロイヤル・スイートにお招きいただくという幸運にも恵まれました。ちょうどバックネット裏だったので、フィールド全体が見渡せたばかりでなく、バッテリー間の球筋もとてもよく見え、最高の観戦場所でした。ご招待いただき、本当に感謝申し上げます。ロイヤル・スイートの様子は上のフォトチャンネルにまとめましたので、ご覧ください。



 さて、我らが横浜と3ゲーム差で首位を争う阪神。一方、現在最下位の中日は、先制はするのですが勝ちきれない試合が続いています。この日はこどもの日を前にした主催試合ということもあってか、スコアボードの選手名を全て平仮名で表記していました。



 阪神の先発は横浜高校出身、甲子園での連勝記録11を継続中の伊藤(将)投手。立ち上がりは上位打線をわずか10球、三者凡退に退け、上々でした。



 一方、中日の先発も横浜高校出身、好投を続けながら未だ勝ち星に恵まれない柳投手。こちらもやや球数は擁したものの、三者凡退の立ち上がり。

 

 ということで1回の攻防だけ見れば伊藤、柳両投手の投げ合いということもあり、投手戦を予想していたのですが、2回からは中日が一方的に攻め立てる展開となります。まず2回表、一死からビシエド選手、福永選手の連続ヒットで二塁・一塁。しかし、後続が倒れ無得点。



 3回表は何と先頭の柳投手がセンター前ヒットで出塁。



しかし、1番の岡林選手がバント失敗。



 それでも続く大島選手は流石のレフト前ヒットでまた一死二塁・一塁。しかし、またしても後続が倒れ無得点。



 試合が動いたのは4回表。一死から福永選手が早くも2本目のヒットを放ち出塁。



 続く木下選手もレフト前ヒットで一死二塁・一塁。



 村松選手はショートゴロで走者が入れ替わり、二死三塁・一塁となりますが、ここで柳投手が二打席連続、それもタイムリーとなるヒットで先制。自らを助けます。



 5回表。先頭の大島選手が二打席連続となるヒットで出塁。



 細川選手倒れ、一死一塁となりますが、続く石川選手が左中間を破る二塁打。これで2点目。



 6回表。先頭の木下選手が倒れた後、村松選手がピッチャー強襲のヒットで出塁。



 さらに柳投手はここでも送りバントを決め、役割を果たします。そして二死二塁から岡林選手がライト前に弾き返し、二死三塁・一塁。しかし、期待の大島選手がピッチャーゴロに倒れ、無得点。



 先に先発を降ろしたのは阪神。7回表から二番手鍛冶屋投手が登板します。先発の伊藤投手は6回を投げ、11安打2失点。一方、阪神は6回終了時点で柳投手にわずか2安打、1四球、6三振に抑えられていました。柳投手が投打に活躍し、ここまではどう見ても中日優位の展開。伊藤投手の甲子園連続勝利記録もこれで途絶えるかに思われました。強いて言うなら、中日も11安打を放ちながら2点止まり。2日に観戦した横浜打線のような効率の悪さは引っかかりました。



 ところが7回裏、ようやく阪神の反攻が始まります。まず、先頭の大山選手がセンターに豪快な二塁打。しかし、続く佐藤選手、小野寺選手が倒れ、二死三塁。



 球場は溜息でしたが、ここで2三振に討ち取られていた坂本選手が柳投手の101球目を値千金のタイムリーヒット。阪神が1点を返します。



 これまでも先制しながら勝ち切れない中日。潮目が変わったのは8回表でした。阪神は三番手及川投手が登板。ここで一死走者なしから、既に107球を投じていた柳投手が打席に入ったのです。恐らく観戦していて「えっ、まだ投げさせるの?」と思った方は多かったはず。

 確かに、中日は過去7試合で実にのべ26名の中継ぎ投手を投入しており、祖父江投手に至っては内5試合に登板、マルティネス投手、砂田投手、田島投手、勝野投手が4試合と、さらに翌日から三連戦があることを考えれば、少しでも中継ぎ投手を休ませたいという考えがあったのだと思います。ただ、この判断が結果的に逆転の引き金となってしまったのは恐らく間違いないでしょう。



 8回裏、一死からこの日抑えられてきた近本選手が四球で出塁。



 続く中野選手はピッチャーゴロ。ところが当然左からセカンドに入ってくるショート村松選手への柳投手の送球が右に逸れ、ボールを取りに行きながらの動作となったために一塁走者を刺すのが精いっぱい。ここで併殺がとれていれば、8回裏の逆転はなかったのです。ここぞというところで出た綻びが命取りとなってしまいました。逆に、一瞬の隙を見逃さなかった阪神は見事でした。

 そして、二死一塁からノイジー選手がレフト前へ。また、これをレフトの大島選手が弾いてしまったために、一塁走者が三塁に。これで二死三塁・一塁。



 続く大山選手が初球をレフト前へ。これでついに同点。伊藤投手の敗戦はなくなり、甲子園連続勝利記録が復活しました。



 とどめは佐藤選手が内角低めの球をライト前へ。129球力投の柳投手、ついに力尽く。あまりにも気の毒ではありました。



 結局試合は2vs3と阪神の見事な逆転勝ち。



 大阪の皆さんには最高の展開となりました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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シーズン初観戦は拙攻12残塁!-日本プロ野球2023 横浜vs広島4回戦

2023年05月03日 | スポーツ観戦記

 

 

 5月2日、2023年シーズン初の野球観戦となる横浜vs広島4回戦に行ってきました。3シーズン続いたコロナによる規制が撤廃され、この日も33,129人と収容力を増した横浜スタジアムに盛り上がる声援が戻ってきました!

 

 

 ビールのお供は、マリナード地下街にある「うまかつ堂」さんの揚げたて熊本式唐揚げ。実は前日から2年ぶりにダイエットを始めたのですが、早くもチートデーということで。

 

【引用:Sportsnavi】

 

 さて、今シーズンのベイスターズ。開幕4連敗と躓きながらも、その後立て直し、何と4月は球団新記録となる16勝7敗(貯金9)で、2位阪神に3ゲーム差をつけて首位という夢のような成績。2年前までと比べ1発の破壊力はないものの、力強く打ち返す打撃であったり、隙あらば次の累を狙う走塁であったり、ファウルで粘るといった攻撃面での意識変化が見られます。そして打撃陣以上に投手陣の頑張りが顕著。先発が7回ぐらいまで試合を作れるようになった結果、充実した中継ぎ陣を休ませながら使うことができています。45年応援してきましたが、これほどまでに投手力が充実したことはなかったと思います。そしてこの試合の前までベイスターズは23日(土)から負けなしの7連勝中!しかし、正直この先連勝を伸ばすには、この試合が一つの山になると思っていました。

 

 

 というのも、この日の先発はガゼルマン投手。4月すでに3勝を挙げ、勝利数だけで言えばリーグトップ。しかし、観戦してきた印象からいうと、結果的に勝利投手とはなっているものの、投球内容が良いとは言い難いものがありました。それは数字にも表れており、今シーズンのガゼルマン投手は、

 

防御率

2.73

9位

WHIP

1.25

12位

XFIP

3.44

14位

RSAA

1.4

9位

*2023年5月2日時点

* WHIP…イニングあたり何人の出塁を許したかを表す指標

* XFIP…被本塁打の影響を排除し、与四死球、奪三振、被外野フライで投手の実力を評価する指標

* RSAA…平均的な投手に比べて、どれだけ失点を防いだかを表す指標

 

と、勝利数トップという割には良いとはいえません。

 

 

 一方、広島の先発はここまで2勝を挙げている床田投手。床田投手には抑えられている印象がありましたが、対ベースターズの対戦成績は通算5勝6敗なのですね。

 

 

 さて、この試合のリズムは1回に早くも現れてしまっていました。1回裏、横浜は2安打1四球で1死満塁の好機を作りながら、桑原選手の併殺打で無得点。

 

 

 すると2回表。広島は四球と二塁打で無死三塁・二塁の好機を作ると、すかさずこの日の攻撃面の主役、坂倉選手が犠牲フライ。1点を先制します。

 

 しかし、3回以降ガゼルマン投手は立ち直ります。結局6回を投げ、わずか2安打、2四球、1失点。勝ち星こそつきませんでしたが、これまでで一番良い投球だったのではないかと思います。

 

 

 さらに言えば、二番手のウェンデルケン投手も非常に良かったです。7回の1イニングを投げ、15球、1安打、2奪三振、無失点でした。

 

 

 問題は攻撃。2回、3回は三者凡退に終わり、4回裏。先頭の宮崎選手が三遊間を破るヒットで出塁。つづく牧選手が四球で歩き、無死二塁・一塁のチャンスを作ります。しかし、桑原選手が今度は送りバント失敗。関根選手は併殺崩れ。大和選手キャッチャーフライで好機を逸してしまいます。

 

 

 5回裏もせっかく床田投手が一死からガゼルマン投手に四球を出してくれたのに、一、二番が凡退。

 

 

 唯一打線がつながったのは6回裏。一死から牧選手がライト前に落ちるポテンヒット。

 

 

 つづく桑原選手はレフト前ヒット。

 

 

 そして今シーズン攻走守に覚醒した感のある関根選手がセンター前に弾き返し三連打。横浜がようやく試合を振り出しに戻します。

 

 

 さらに二死から伊藤選手が四球で出塁し、満塁。横浜は打撃好調の戸柱選手を代打で送りますが、あえなく一塁ゴロ。勝ち越すことはできませんでしたが、ガゼルマン投手の好投と相俟って、試合の流れは横浜に傾いたかに思われました。

 

 

 前述のとおり、ウェンデルケン投手好投の後の7回裏。横浜は先頭の佐野選手がヒットで出塁します。

 

 

 そして昨年ロッテから育成選手として獲得し、4月27日に支配下登録が発表され、28日に一軍登録されたばかりの西巻選手が大田選手の代打で登場。バントを決めるためだけに登場し、初球できっちりと決め、一死二塁。この日の数少ない収穫の一つでした。

 

 

 広島は床田投手に代え、島内投手が登板。

 

 

 代わり端、宮崎選手が7球粘って四球で出塁。これで一死二塁・一塁、しかも4番というチャンス。しかし、牧選手、代打楠本選手と連続三振に倒れ、勝ち越しならず。併せて傾きかけた流れも止まってしまいました。

 

 

 投手陣は変わらず奮闘。8回表、今シーズンはやや疲労感の見える伊勢投手ですが、1安打を許すものの無失点で切り抜けます。

 

 

 8回裏、広島はターリー投手が登板。

 

 

 そのターリー投手を横浜は攻め立てます。まず先頭の関根選手がセンター前ヒットで出塁。

 

 

 つづく大和選手は何と11球粘って四球を選び、無死二塁・一塁。ところが、です。

 

 

 伊藤光選手、バント失敗のキャッチャーフライ。

 

 

 代打神里選手、センターフライ。

 

 

 ターリー投手のワイルドピッチで二死三塁・二塁となりましたが、期待の佐野選手、8球粘るも三振。

 

 

 これだけ再三チャンスを潰せば、勝てるものも勝てなくなってしまいます。9回表、山崎投手が登板しますが、コロナが明け声援が可能となった満員のスタジアムにも拘らず、恒例の「ヤスアキ・ジャンプ」にイマイチ迫力を感じなかったのは、同点だったこともあるでしょうが、横浜が試合の流れを自ら手放し、広島に渡してしまったことを告げる予兆のように思われました。そして、山崎投手の投球練習が高めに浮いていたのも気になりました。

 

 

 その結果、

 

①菊池選手、二塁打(無死二塁)。

②野間選手、犠打(一死三塁)。

③秋山選手、安打(1点、一死一塁)。

④マクブルーム選手、安打(一死二塁・一塁)。

⑤西川選手、安打(一死満塁)。

⑥坂倉選手、本塁打(4点)。

 

 試合の流れとはこういうものだと思います、ひとり山崎投手の責ではありません。1回、4回、5回、7回、8回、横浜が手放したチャンスの数だけ、勝利の女神が広島に点を与えたのではないでしょうか?

 

 

 9回裏、矢崎投手の前に反撃の余力は残っていませんでした。翌日の2020年サイヤング賞、トレバー・バウワー投手初登板を前に、連勝によって潜在化していた攻撃面の課題がここで顕在化したことをポジティブに捉えたいですし、明日以降の糧になればと思います。

 

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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最少得点を投手力で守り切る-CS1stステージ 横浜vs阪神 第2戦

2022年10月10日 | スポーツ観戦記


 10月9日、セリーグ・クライマックスシリーズ1stステージ、第2戦の観戦に行ってきました。



 今回は一塁側ベンチ上の席を確保していただいたので、選手を非常に近くで観ることができました。前日の第1戦を3vs0で落とし、後がないベイスターズ。球場には44年の歴史で最多を記録した昨日をさらに4人上回る33,037人が詰めかけ、立ち見も出る超満員。



 横浜は絶対に負けられない1戦を、地元横浜出身、チーム最多となる11勝を挙げた大貫投手に託します。しかし、直近の2戦では前回5回1失点(勝敗つかず)、前々回2回1/3、4失点(敗戦投手)と結果が思わしくありませんでした。



 その立ち上がり。先頭の中野選手を三振、つづく糸原選手をレフトフライに討ち取りますが、3番、対ベイスターズ.289の打率(シーズン打率.293)を残している近本選手に打たれます。センターの桑原選手が良く前進して飛びつきましたが、捕球できず。しかし、二塁を狙ったシーズン30盗塁を誇る俊足近本選手を二塁で刺し、ピンチを切り抜けます。この桑原選手の好プレーは大きかったと思います。



 一方、阪神の先発はこちらも地元横浜高校出身の伊藤(将)投手。対ベイスターズ戦は2勝2敗ながら、2完投、防御率1.58。この数字が示す通り、我々見ている側からしても厄介な相手です。



 横浜はこの日、1番に大田選手、2番に桑原選手という積極的な選手二人を頭に配置するという布陣。その大田選手はわずか3球でショートゴロ、桑原選手も2球で1塁ファウルフライに終わってしまいましたが、彼らの持ち味なのでこれは仕方ないかと。3番佐野選手は7球粘りましたが、最後は三振。



 2回表。先頭の大山選手の強烈なライナーを一塁ソト選手がジャンプして好捕。これも阪神打線を目覚めさせない上で非常に大きなプレーだったと思います。上位に俊足好打の打者、後ろには大砲を配置した阪神打線は、結構見ていて怖いものです。ここから大貫投手が調子を上げていきます。

 大貫投手はその後6回まで一人の走者も許さず、最終的には6回1/3で2安打10奪三振という圧巻の投球。二桁奪三振は大貫投手、プロ入り後初だそうです。この大一番で大したものです。



 さて、一方の横浜打線も伊藤投手の前に4回までソト選手の内野安打1本に抑えられていたのですが、5回裏、ついに試合が動きます。先頭の宮崎選手が三遊間を抜く待望のヒットで出塁。



 そして続くソト選手が、右翼手を抜く二塁打。ソト選手は塁上でガッツポーズを見せ、チームを鼓舞します。今回、一塁側ベンチ上の席にいたのですが、ベイスターズの一体感、士気の高さがよく感じられました。



 ようやく伊藤投手を捉えた無死三塁・二塁のチャンス。ここで得点圏打率.290という数字以上に頼れる印象のある大和選手に打席が回ってきます。ただし、ここまで3打数無安打。その大和選手、フルカウントまで粘っての6球目でした。低めのストレートをセンター前へ弾き返し、宮崎選手が生還。ほぼベイスターズファンで埋め尽くされた球場の期待を一身に背負った中で、大仕事をしてくれました。



 ただ、二塁から本塁を狙ったソト選手は、中堅手近本選手の好返球でタッチアウト。本塁を空けなければならないコリジョン・ルールに抵触するのではないかということでリプレイ検証となりましたが、判定は覆らず(上の写真の通り、きちんと空いています)。無死だったことを考えると、無理しなくてもよかったのかなとは思います。いずれにせよ、これで均衡が破れ、0vs1。



 7回表。阪神は先頭の中野選手が、初回の近本選手以来となる2安打目を放ち、出塁。すかさず盗塁を決め、無死二塁のチャンスを作ります。さらに糸原選手の犠打で、三塁に。犠飛でも同点に追いつける場面で3番以降の中軸に打順が回ります。



 終盤で追いつかれれば、阪神の強力な中継ぎ投手陣が待っています。この絶体絶命の場面で火消しができる男と言えば、9月22日の対巨人戦で無死満塁の場面で登板、無失点に抑えた伊勢投手をおいて他にありません。また、好投を続けていた大貫投手も97球、シーズン中も6回、7回あたりで急変する印象もあるので、まさにこれしかないという判断だったでしょう。

 その伊勢投手、近本選手を三塁ファウルフライ、大山選手をセンターフライに討ち取り、見事にピンチを切り抜けます。そして回跨ぎとなった8回表には、原口選手、佐藤(輝)選手、ロハス・ジュニア選手という居並ぶ強打者を三者連続三振に切って取るという圧巻の投球。息詰まる投手戦にあって、試合の流れをついに横浜側に引き寄せました。



 そして9回、球場全体が一つとなって抑えの山崎投手を送り出します。



 近くだったので、山崎投手の気合の雄叫びがよく聞こえてきました。阪神も下位打線のため代打攻勢をかけてきましたが、マルテ選手三塁ゴロ、島田選手三振、そして中野選手も二塁ゴロに討ち取り、ゲームセット。



 第1戦、第2戦とも、王者への挑戦権を賭けた戦いにふさわしい内容でした。そして勝敗の行方は、いよいよこれから3時間後に行われる第3戦へと持ち越されます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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2位確定も…-日本プロ野球2022 横浜vs中日22回戦

2022年10月09日 | スポーツ観戦記


 投稿が遅くなってしまいましたが9月27日、横浜スタジアムに横浜vs阪神17回戦の観戦に行ってきました。やはり前回観戦の8月30日が勢いのピークであり、そこへ追い打ちをかけるように僅か2日しか休みがないという9月の過密日程へと突入したベイスターズ。恐らく疲労の極みにある中、それでもその9月をこの試合が始まる前まで10勝13敗で持ちこたえたのは立派だったと思います。

 実は前の試合、25日のヤクルト戦で横浜は敗れ、二年連続でヤクルトの優勝に立ち会うことになりました。しかし、まだ2位となり、CS第1ステージを本拠地で行うという大事な目標が残っています。



 その重要な試合の先発を託されたのは、今季3勝6敗と不本意な成績に終わった2018年ドラフト1位上茶谷投手。先発の枚数が足りない現状において、ローテーションの一角を担ってもらわなければ困る投手です。来期以前に、ポストシーズンに繋がる復活の投球を期待したいところです。

 その上茶谷投手ですが、立ち上がりの2回は見違えるような投球を見せます。初回などわずか5球でした。2回も中日打線の中軸相手に2三振を含む13球で終了(三振を二つとるには最低でも6球必要です)



 ところが3回表。一死から8番の土田選手に死球を与え出塁を許すと、



 勝野投手の犠打で二死二塁となったところで、1番の岡林選手にレフト線ギリギリ、先制の二塁打を浴びてしまいます。



 続く首位打者を争う大島選手にも低めの球を上手くセンター前に持っていかれ2点目。



 3回裏。横浜は先頭の7番伊藤選手がセンターヒットで出塁。



 8番、9番が倒れ二死となりますが、何とそこから桑原選手、楠本選手、佐野選手と三者連続四球で押し出しの1点。ただ、この回はその1点止まり。得点を許した後、すぐに返せたのは良かったですが、このような相手が自滅している状況に付け込んで攻めきれないところが、実は勢いのあった8月から下降気味だった現在の横浜打線を象徴しているように思えました。



 さらにいけないのが上茶谷投手。二死とはいえ満塁で四番の場面で攻めきれなかったところに、直後の4回表、先頭のビシエド選手にホームランを浴びます。真ん中高めのストレート、そりゃ打ちますよという球。失点はこれだけでしたが、その後も下位打線に2安打を許し、次回はまた1番からという巡りあわせ。



 この嫌な流れを救ったのが4回裏の宮崎選手。ど真ん中のストレートを捕らえた打球は高々と舞い上がり、放物線を描いてレフトスタンドへ。



 さらに続くソト選手までもが初球、これもほぼど真ん中のストレートを弾丸ライナーでレフトスタンドへ。これで3vs3の同点。上茶谷投手以上に、一体何を考えているのかという投球でした。勝野投手はこの後の伊藤選手にも四球を与え、3回79球で降板。



 上茶谷投手は、その後も3安打許しながら無失点で切り抜け、6回81球3失点と試合を作り(ただ、現状の横浜打線では3点は結構重いです)、ある程度役割を果たしました。しかし、5回以降の打たれた場面を見ていると、何となく単調というか、投げたらリズムよく弾き返されているというか、シート打撃を見ているかのようでした。これだとポストシーズンには正直不安です。2回までのような見事な投球を最低6回までできるようになればエース格、そのポテンシャルはあると思うので、ぜひ僕のネガティブ評を裏切ってもらいたいなと思います。



 中盤の膠着状態の中、中日は山本投手、藤嶋投手、祖父江投手、ロドリゲス投手と勝ちバターンの継投で8回裏は清水投手が登板。一方、横浜も伊勢投手、入江投手をつぎ込み必勝の構えを見せます。ただ、結果的にこの日は清水投手が大誤算でした。



 まず先頭の神里選手は討ち取ったのですが、つづく代打関根選手にセンターへの二塁打。



 森選手、四球。



 戸柱選手、ショートのフィールダーズ・チョイスで一死満塁。



 そして桑原選手が、桑原選手らしい積極的な初球打ち。ど真ん中に甘く入ってしまったフォークボールをレフトオーバーの二塁打。これで3vs5と勝ち越し。



 中日は清水投手から森投手に交替しますが、楠本選手がライト前ヒットで再び満塁。



 そして佐野選手がこの試合二度目となる押し出しの四球。3vs6。



 さらに牧選手の三塁側に叩きつけた打球は、バウンドが高く三塁手の頭を超えレフト前へ。これが2点タイムリーとなって試合が決まりました。3vs8。

 9回は点差もあって、ロメロ投手が2三振を含む三者凡退で締め。この日、追う阪神も勝ったのですが、横浜が勝利したことにより2位が確定。2022年のレギュラーシーズン、僕の観戦成績は3勝4敗。シーズン中盤から本拠地17連勝もあり、横浜はこの試合終了時点で本拠地38勝27敗1分でした。

 さて、この記事を書いている前日から、クライマックスシリーズ第1ステージが始まり、横浜は阪神に0vs2で敗れ初戦を落としました。あまりにも過酷だったシーズン終盤。2位確定後も7連戦が続き、しかも主力をあまり休ませることなく最後まで全力で臨んだ様子が伺えました。これには賛否あると思いますが、モチベーションも含め現場が判断してのことですから、それが正しいのだと思います。しかし、昨日の1戦を見る限り、つながりのない打線は相変わらずで、得点力を欠いたままCSに突入してしまったようでした。投手陣はそれなりに堪えているので、勝ち抜けるか否かは偏に打線にかかっていると思います。

 これから、その第2戦を観に横浜スタジアムへ馳せ参じます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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王者の王者たる所以(大敗を目の当たりにして)-日本プロ野球2022 横浜vsヤクルト18回戦

2022年08月30日 | スポーツ観戦記


 前回観戦の8月9日以降も横浜は快進撃を続け、首位ヤクルトとの直接対決を迎えるまでで8月16勝3敗。通算58勝47敗で貯金11(前回観戦時が貯金1)、4ゲーム差まで接近しました。既に巷でも言われていることですが、やはり思い出すのが1997年のシーズンです。この年の横浜は8月に球団記録となる20勝6敗を挙げ、僕が24歳の誕生日を迎えた前後に当時も首位のヤクルトに2.5ゲーム差まで肉薄しました。しかし、9月頭の首位攻防戦でノーヒットノーランを含む3連敗を喫し、そこで力尽きてしまいました。


【引用:Sportsnavi】

 そのような状況で前日に行われた直接対決の初戦は、ヤクルトが横浜の右の柱である大貫投手を6回に攻略し、6vs3で勝ちました。得点差以上に力でねじ伏せられた印象です。そう、首位ヤクルトがここでやるべきことは勢いに乗り、かつ消化試合数が5試合少ない横浜を完膚なきまでに叩き、挑戦する意欲を挫くことです。当然それが分かっているので、この日もヤクルトは目下3冠王へ邁進する村上選手に復調の兆しを見せる山田選手に加え、外国人を3人配置するという攻撃型オーダーで臨んできました。

 横浜スタジアムは観衆32,426人の満員御礼。ファンもこの一戦をいかに重く見ていたかが分かります。



 両チームの先発は横浜が石田投手、ヤクルトが小川投手。横浜勝利の条件として、石田投手が最低6回まで試合を作ることと、立ち上がりに不安のある小川投手に対し、序盤早打ちで助けないことが欠かせないと戦前考えていました。



 その石田投手の立ち上がり。無失点で切り抜けはしたものの、山田選手、村上選手に連続ヒットを許し、球数も22球を要する不安な船出。



 この流れでますます横浜打線がいかに小川投手の立ち上がりを揺さぶれるかが重要になってきたわけですが、その横浜はまず先頭の桑原選手が幸先よくヒットで出塁。



 つづく楠本選手の3球三振はいただけませんでしたが、三番佐野選手の時に桑原選手が盗塁を決めると、



佐野選手がセンター前にヒットを放ち、鮮やかに1点を先制。



 牧選手はセンターフライに倒れるも6球投げさせ、つづく宮崎選手は5球投げさせて四球。さらにソト選手も6球投げさせて四球と、ここまでは良い展開。返す返すも悔やまれるのはここで小川投手を攻めきれなかったことです。結局、初回の横浜は1点止まり。



 2回表。ヤクルトは一死から内山選手が7球目をセカンドゴロ。ところがこの遊撃手真正面のゴロを守備に定評のある柴田選手がまさかのトンネル。これさえなければ、8番で終えることができていただけにもったいなかったです。結果的に、1点で終わった横浜の攻撃に続き、これもヤクルトに完全に流れを引き渡す要因になったと思います。蟻の一穴、小さなミスから大きな流れが変わることがあります。

 さらに良くなかったのが2回裏の横浜の攻撃。8番からの下位打線だったとはいえ、わずか5球で終わってしまったのです。これが制球に苦労していた小川投手を立ち直らせてしまいました。



 そして3回表。先頭塩見選手の強烈な打球を三塁手宮崎選手がジャンピングキャッチ。ここまでは何とか横浜も堪えていたのですが、つづく途中加入でまだ本塁打のないギブレハン選手に来日第1号となる本塁打を浴びてしまいます。ギブレハン選手はこの日、5打数4安打(うち3本塁打)+死球と、5打数5安打(うち2本塁打)+1敬遠の村上選手と並び、信じられないような大活躍でした。



 つづく山田選手の打球は詰まったのですが、レフト前に落ちるヒット。さらに盗塁を決め、一死二塁。村上選手は申告敬遠で一死二塁一塁。サンタナ選手は打ち取ったのですが、オスナ選手に四球を与え、二死満塁。



 そして内山選手にセンター前へ弾き返され、走者2人が生還。3vs0。これだけも十分でしたが、さらに悪いのは8番長岡選手に四球を与え、結局次の回もまた先頭打者からという局面を作り出してしまったことです。しかも石田選手はわずか3回で72球。これだけ悪いリズムを作り出せば、後の回に起こったことはおまけのようなもので、これ以降横浜は総崩れとなります。ヤクルトのスコアボードには3回以降、3、4、2、0、5、0と数字が並び、まるで電話番号。村上選手の史上最年少150号到達のメモリアルを含む7本塁打、23安打、16得点。横浜投手陣が雪崩のように崩壊したこともありますが、最後まで手を緩めなかったヤクルトもさすが王者の王者たる所以です。最近はデータ重視の風潮から「試合に『流れ』は存在しない」という意見もあるようですが、僕は必ずあると信じていますし、軽視してはならない要素だとさえ思っています。「善く人を戦わしむるの勢い、円石を千仞の山に転ずるが如き者は、勢なり」です。



 4回表、横浜は二番手としてガゼルマン投手が来日初登板。2軍でも打ち込まれる試合が続いていたのでどうかと思いましたが、結果は1本塁打を含む4安打3失点。しかし、安打は不運なものもありましたし、思っていたより球は走っているようでした。制球も来日前に言われていたほど悪くはないようです。お世辞にも良いとは言えませんが、ビハインドの場面で投げさせられる目途はついたのではないかと思います。というより、9月に28試合という過密日程が待ち受けており、投げてもらわなければ困る台所事情があるのですが。

 なお余談になりますが、マンガ「キン肉マン」にガゼルマンという超人が登場することから、登板時はアニメ版のOPテーマ「キン肉マン GO FIGHT!」にのっての登場でした。残念ながら初登板は「見事に転ん」でしまいましたが、次回期待しています。



 5回表は、中川虎大投手。8月に入ってからの登板はいずれも無失点とビハインドの場面ながら好投を見せてくれていました。ただ、三試合連続登板だったのが仇となったのか、二死満塁から村上選手にタイムリーを浴び二失点。しかし、つづく6回はオスナ選手にヒットこそ許したものの、下位打線ながら後続を断ちました。



 初回以降、横浜ファン唯一の盛り上がりは6回裏出た牧選手の2ラン。しかしすでに9vs3。



 7回表になると、今度は、同じく三連投の宮國投手がメッタ打ちに遭います。



 まず一死からギブレハン選手にこの日2本目となるホームラン。



 続く山田選手は二塁打。



 村上選手、タイムリー。



 サンタナ選手、2ラン。



 挙句は今シーズンまだ1本塁打の内山選手にまで、二者連続となる本塁打。



 なおも止まらず、長岡選手にヒット。



 小川投手の代打、2021年ドラフト2位の新人丸山選手にもヒットを浴び、1イニング打者10人に対して7安打5失点、3本塁打とまるで打撃投手のような内容に終わりました。もはや数えても仕方ありませんが、14vs3。横浜スタジアムに通って44年、初めて途中で帰ろうかと思いました。



 7回裏、横浜は桑原選手のタイムリーで1点を返します。8回表は8月25日に中継ぎに回ってから好投を見せてきた坂本投手。ただし、彼も三連投。



 その坂本投手、ギブレハン選手にこの試合3本目第3号、村上選手にもこの試合2本目の第48号を浴びます。これでヤクルトは7本塁打(日本記録は9本塁打)。村上選手は本塁打2位の丸選手に24本差、すなわち二倍の差をつけました。2013年にヤクルトのバレンティン選手がシーズン60本の日本記録を樹立した時でさえ、2位のブランコ選手とは19本差でした。いかに村上選手が群を抜いているかが分かります。因みにこの時点でヤクルトは残り28試合を残していますので、このペースを最後まで持続できればバレンティン選手の記録を抜くことになります。



 横浜の救いは、9回表に平田投手がヤクルト打線をこの試合初めて三者凡退に討ち取ったことです。



 追い上げる2位チームを16vs4という圧倒的大差で退ける、まさに横綱相撲のヤクルト。一方の横浜はこの翌日の試合も5vs4で敗れ、3タテ4連敗という最悪の結果。しかし、28日の内容を見る限りまだ立て直せる可能性はあると感じました。今日(8月30日)からの中日戦、応援しています!

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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不沈艦攻略!―日本プロ野球2022 横浜vs阪神17回戦

2022年08月11日 | スポーツ観戦記


 8月9日、横浜スタジアムに横浜vs阪神17回戦の観戦に行ってきました。



 前回の観戦は6月24日でした。この時点で横浜は借金7、その後今シーズン苦手としている広島に連敗し、借金は最大の9まで膨らんだ時期でした。ところが、その後チームは徐々に勝てるようになり、この日の試合の3試合前の中日戦でついに借金を完済。その後1勝1敗で、恐らく首位独走のヤクルトを除いた団子状態の5球団の中では投打の戦力が最も整っていると思われる阪神戦を迎えました。



 横浜としては今シーズン掲げている「横浜反撃」のためにチームは波に乗れるか否かを占う重要な一戦。しかも、この日の阪神先発は地元神奈川県出身、ここまで何と12勝1敗というほぼ無敵のエース青柳投手。さらに横浜は特にこの青柳投手を苦手としており、昨年から何と0勝8敗という成績です。チームとしても対阪神戦はここ数年ほどではないにせよ、ここまで8勝8敗。チーム浮上の条件としては非常に高い壁と言えました。



 対する横浜の先発は今永投手。ここまで5勝3敗ですが、何しろ立ち上がりが不安定なのと、丁寧な投球にこだわり過ぎているのか、非常に球数を要する結果、6回位までしか持たない(結果として、中継ぎ投手に負担がかかる)投球が続いています。個人的な話ですが、僕が観戦する時今永投手が登板することは結構多く、今永投手が入団した2016年以降観戦した横浜戦26試合(他球団同士の試合2試合を除く)のうち、6試合が今永投手の先発でした。そしてその成績は2勝4敗、イメージ通りあまり相性が良くありません。

 しかし、この日の立ち上がりは、先頭打者の近本選手を初球で片づけると、つづく島田選手には8球粘られはしたもののショートゴロ。3番ロドリゲス選手もショートライナーと、三者凡退。課題の立ち上がりでしたが、14球で上々の滑り出しを見せます。



 因みに、ショートはこの試合1番でスタメン出場の森敬斗選手。躍動感があり、守備機会のたびに観客の注目を集める華のある選手です。



 さて、一方横浜の初回。一死から二番桑原選手が4球続けての四球で出塁します。ところがその桑原選手、青柳選手の投球間隔が空いた隙を突いて盗塁を試みますが失敗。牽制(というより一塁への送球)が苦手とされている青柳投手を揺さぶる上で、アイデアとして悪くなかったと思いますが、結果的に余裕のアウトでした。ただ、この日宮崎選手を外してまで左打者をずらりと並べてきたように、やられっ放しの青柳投手を何とか攻略しようという意欲は伝わってきました。



 そしてありがちなことですが、走者がいなくなった直後に佐野選手がセンター前にきれいに弾き返し、出塁。さらに牧選手も5球で四球を選び、二死二塁・一塁のチャンスを作ります。しかし、続く楠本選手がファーストライナーに倒れ、無得点。



 2回表。序盤不振に苦しんだとはいえ、このところ徐々に調子を取り戻しつつある強打者佐藤選手をまず三球で討ち取り、一死。ところが、続く糸原選手の何でもないレフトフライを宮本選手が目測を誤り落球。記録上はヒットでしたが、背走とはいえ決して取れない打球ではなかったので事実上のエラーですね。これで二死走者なしとなるところが、一死二塁のピンチに。



 惜しむらくは、続く陽川選手をカウント1-2と追い込みながら、外角ど真ん中に甘く入ってしまったこと。これがセンター前に落ち、1vs0。



 (カメラの電池が切れてしまい、以降スマホ撮影のため写真が小さくなります。申し訳ありません)さらに、二死二塁から木浪選手にカウント2-2から真ん中低めに落ちるボールを見事にすくわれ、これもセンター前に。これは打った木浪選手を褒めるしかありません。2vs0。また序盤大量失点のパターンかと思いましたが、2点で食い止めたこと(それでも相手が青柳投手では限界の失点ですが)、今永投手のテンポが3回以降非常に良くなってきたことが救いでした。しかし、強力な上位打線をしっかり抑え、下位打線に向かってからの失点だったのがもったいない。



 4回裏。横浜は一死から牧選手がセンター前に弾き返し出塁。



 楠本選手もレフトへ運んで続きます。これで一死二塁・一塁。続く戸柱選手はキャッチャーフライで二死二塁・一塁。



 ここで宮本選手はボテボテのセカンドゴロ。ところがこれを糸原選手が一塁に悪送球。思わぬ敵失で1点を返します。2vs1。



 地味な貢献としては、柴田選手。結果としてサードゴロに倒れたものの、ファウルで粘って青柳投手に8球投げさせました。青柳投手は4回終了時点で77球。このように、淡白なイメージのある横浜打線ですが、この日は何とか青柳投手に球数を投げさせようという意欲が見られました。結果的に、青柳投手は6回までで116球を要することになったのです。因みに、柴田選手は4回表にも三塁手として非常に好プレーがありました。



 5回表。阪神は木浪選手が一死から再びヒットで出塁します。続く青柳投手はバントの構えから2球目でヒッティングに切り替え。これがセカンドゴロとなり、まず二塁手牧選手が遊撃手森選手に送球し、一塁走者の木浪選手がアウト。しかし、青柳投手がバントの構えを見せていたため一塁手の佐野選手と今永投手が前に突っ込んでおり、一塁が誰もいません。すると、二塁手の牧選手が自ら一塁に入り、森選手からの送球を受け、併殺プレーが完成。4-6-4という珍しいプレーでした。牧選手が一塁に入るまで待っての森選手の強肩ぶりも素晴らしいものでした。

 今永投手は尻上がりに調子を上げ、6回終了時点で77球。結果的には9回を投げ切り、113球、被安打4、奪三振5、無四球、失点2という素晴らしい内容でした。試合前の「(後ろの投手を休ませるため)長いイニングを投げる」という宣言通りでした。



 6回裏、ついに青柳投手攻略の時が。すでに100球に達した青柳投手に対し、先頭の牧選手がレフトへの二塁打で出塁します。続く楠本選手が送って一死三塁。



 外野フライでもという局面で、とっておきの代打オースティン選手が登場します。そのオースティン選手、期待された外野への大飛球ではなくセカンドゴロでしたが、打球が青柳投手のグラブをはじいた結果、打球方向が変わり二塁手糸原選手がバランスを崩したため、打球処理がワンテンポ遅れました。その結果、本塁送球ができず、牧選手が生還。ついに同点に追いつきます。



 そして9回裏。阪神は7回浜地投手、8回湯浅投手とつなぎ、9回は加治屋投手が登板。こうしてみると阪神は本当に中継ぎ陣が充実していると思います。



 しかし、横浜は先頭の楠本選手が9球粘って四球で出塁。代走で蛯名選手が一塁に立ちます。ところが、続く嶺井選手がバント失敗。幸い併殺崩れで嶺井選手は何とか生き残ります。このプレーは阪神矢野監督からのリクエストによりリプレイ検証となりますが、肉眼で見ても二塁はアウトでしたし、一塁はセーフでした。これで一死一塁。さらに、宮本選手が送って二死二塁とします。

 ここで横浜は柴田選手に代えて宮崎選手を送りますが、当然申告敬遠となります。



 さらに三浦監督は今永投手の代打に地元東海大相模出身、大田選手を指名。沸き立つ観衆。その大田選手に投じた初球が暴投となり、走者がそれぞれ進塁。二死三塁・一塁となります。1点目の時もそうでしたが、この試合、小さなミスが結果的に命取りとなりました。恐らく二塁・一塁のままであれば、嶺井選手は生還できなかったかもしれません。



 そして二球目。暴投の影響もあったのか、カットボールが真ん中やや外寄りに甘く入りました。これを大田選手が逃さずレフト前へ。サヨナラ打となり、横浜はついに天敵青柳投手登板の試合をモノにしました。今永投手の投球、柴田選手、牧選手、森選手等の好守備、そして青柳投手攻略のためあの手この手で仕掛けた打線。今後上位を狙う上で最も難敵となるだろう阪神相手に三連戦の頭を取ることができました。

 横浜は47勝46敗で二位阪神に0.5ゲーム差と肉薄。今後の結果次第では、この試合は大きなターニングポイントだったと言える試合になるかもしれません。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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野球は表の回しかないのか?-日本プロ野球2022 横浜vs広島10回戦

2022年06月25日 | スポーツ観戦記


 6月24日、横浜スタジアムに横浜vs広島10回戦の観戦に行ってきました。今シーズン、横浜は何とここまで対広島1勝8敗。セリーグはヤクルトが2位巨人に9ゲーム差をつけ独走。2位から最下位まではわずか4.5ゲーム差でしたので、両チームにとって今後のAクラス入りをかけた重要な一戦と言えました。



 横浜の先発は前々回の日本ハム戦でノーヒットノーランを達成した今永投手。しかし、前回登板の阪神戦では初回に4点を失い、6回6失点、球数92球という内容でした。今シーズンは怪我で出遅れ、復帰登板が5月17日だったのですが、怪我の前から三振こそ数多くとるものの球数が多く6回くらいまでしか持たないといったところに課題がありました。個人的にですが、質の高い投球をしようと考えすぎるあまり、かえって球のキレや躍動感が失われているように思えます。



 結果から言ってしまうと、この日の今永投手は前回阪神戦と全く同じ轍を踏んでしまいました。まず、先頭の上本選手はサードゴロだったものの8球粘られ、



 宇草選手もセカンドゴロに討ち取ったものの、ボール先行。



 2アウトまでこぎ着けまずが、三番菊池選手にファウルで粘られ5球目の内角甘めに入ったストレートをレフトに弾き返されます。この試合、広島の打者の投げてから打つタイミングを見ていますと、ストレートを狙われていた気がします。



 四番マクブルーム選手はカウント1‐2と追い込みますが、やはりストレートをセンター前へ運ばれます。これで二死二塁・一塁。



 そして五番坂倉選手には2球目のカットボールがほぼど真ん中に入ってしまいました。これがセンターフェンス直撃のタイムリー二塁打。広島があっという間に2点先制。今永投手、初回に要した球数なんと27球。



 一方、広島の先発はエースの大瀬良投手。少しでも球数を投げさせてリズムを崩してくれればと思っていたのですが、横浜打線は何と先頭打者からわずか5球で三者凡退。正直、これでこの試合は決まってしまっていたように思います。せいぜい、「2点ならまだイニングがあるから…」という程度。球数からも明らかなように、それ位両先発の差は歴然としていました。



 2回裏。横浜は二死から六番楠本選手がレフト前ヒット。



 続く嶺井選手もショート内野安打で二塁・一塁。下位打線でチャンスを作りましたが、森選手が三球三振。森選手、まだ大瀬良投手には手も足も出ない雰囲気でした。因みに2回終了時点で今永投手42球に対し、大瀬良投手24球。



 3回表。先頭の上本選手にカウント2‐1から真ん中やや低めの甘いストレートをセンター前に。やはり、カウントを悪くしてからのストレートを狙われているようでした。肉眼で見ている限り、球速こそ150㎞前後でているのですが、置きに行ったようなストレートで球が走っているようには見えませんでした。ですから、いずれもきれいに弾き返されているのです。



 そして一死一塁から菊池選手に真ん中高めのストレートをレフトスタンドに運ばれてしまいます。ファウルかなという当たりではあったのですが、この球場独特のレフト側の風で球は切れず。この試合横浜にはツキもありませんでしたが、そうは言っても甘い球ではありました。これで4vs0。前回の阪神戦(初回4失点、3回1失点)の再現を見ているかのようでした。



 さらに4回表。先頭のルーキー中村選手に3球目のこれもストレートをレフトスタンド上段に運ばれます。申し訳ないですが、ほぼど真ん中の打って下さいと言わんばかりの球でした。



 4回裏、横浜は一死から交流戦後調子を落としている牧選手がライト線に落ちる二塁打で出塁しますが、後が続かず。



 今永投手はもはや5回を投げ切るというのが唯一の使命。結局、5回8安打5失点93球という内容でした。6回表からは二番手入江投手が登板。入江投手は力のあるストレートで6回を1安打打者4人で抑えます。



 回跨ぎとなった7回表、宇草選手、菊池選手を討ち取り二死としますが、菊池選手には6球粘られました。たとえアウトになっても、こういう何かリズムを崩す仕掛けが大事だと思うんですよね。この試合、横浜の打者でそれらしき様子が伺えたのは桑原選手だけでした。

 そして、続くマクブルーム選手が四球で出塁。



 坂倉選手がセンター前ヒット。



 さらに堂林選手がレフトの頭上を越えるタイムリー二塁打で6vs0。ただ、二死だったので坂倉選手生還できなかったのかな?というのはありました。



 7回裏、横浜は一死から宮崎選手がレフト線付近に落ちる長打コースのヒットを放ちます。クッションボールが内側に跳ね返った不運は確かにありましたが、ふと内野方向を見ると宮崎選手がまだ走っています。いくら何でもこれは…。DBスターマンが走っているのかと思いました。レフトからの返球で宮崎選手は二塁タッチアウト。リプレイ検証のリクエストが出ますが、判定通りアウト。ひょっとすると今シーズン宮崎選手は肉離れで一時離脱していましたので、脚の具合が思わしくないのかもしれません。



 8回表。横浜は三番手三上投手が登板。



 回跨ぎとなった9回表、二死から坂倉選手にライトへの一発を浴びます。これで7vs0。



 9回裏、横浜は先頭の蝦名選手がヒットで出塁しましたが、続く中軸打線が悉く討ち取られ万事休す。大瀬良投手は結局、104球6安打8奪三振の完封。7点も入った試合だというのに、まだ8時41分。いかに広島が効率よく得点を重ね、一方の横浜が淡白だったかということです。このブログの写真の赤青比率を見ても分かる通り、横浜にはチャンスらしいチャンスも反撃の様子もほとんど見られず、野球には表の回しかないのかと思われたほどでした。波に乗れそうで乗れない、苦難の戦いが続きます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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反撃の烽火となるか-日本プロ野球2022 横浜vs楽天1回戦

2022年06月05日 | スポーツ観戦記


 6月3日、横浜スタジアムに横浜vs楽天1回戦の観戦に行ってきました。心配された雨も午後の一時的なもので済み、試合開始前には晴れ間も見えるようになりました。横浜は交流戦、ソフトバンクに2勝1敗で勝ち越したものの、西武とオリックスに1勝2敗、ここまで4勝5敗です。一方、対戦相手の楽天はシーズン序盤で圧倒的な強さを見せ、首位を独走していましたが、現在パリーグ2位です。

 このところの横浜は先発投手陣が炎上続きで軒並み2軍落ち。仮にそこそこの失点で抑えていたとしても、四球が多いなどリズムを作れず、そんな時は打線が沈黙するという悪循環が続いているように思えます。目下頼れるのは今永投手、大貫投手ぐらいで、あとは投げてみなければ分からない。一方、序盤苦しんだ中継ぎから抑え陣は少し安定しつつあります。この日、怪我で戦列を離れていた大田選手、森選手が待望の一軍登録。ぜひこの二人に出場機会のあるような展開を期待したいところです。



 さて、横浜の先発は何とか頼れる二人の一人、大貫投手。ここまで3勝2敗ですが、これでもチームの勝ち頭というところに現状の苦しさがあります。



 その立ち上がり。不振に苦しむ西川選手にファウルで粘られ、結果三振でしたが、討ち取るのに9球を要しました。



 続く小深田選手は2‐1と追い込んでから4球目でレフトフライ。



 しかし、3番浅村選手にはフルカウントからの8球目をセンター前に、それもきれいにライナーで弾き返されます。



 さらに島内選手もフルカウントからの8球目をレフト前へ。単打ではありましたが、いずれも強い当たりでこの先が思いやられる内容でした。



 案の定、マルモレホス選手は初球レフトフライでしたが、フェンスギリギリ。何とか無失点で切り抜けたものの、ボールが先行し、打者3人にフルカウント。初回だけで30球を要するという不安な立ち上がりでした。



 1回裏、楽天の先発は昨年2年目で二桁勝利を挙げたものの、今季はまだ1勝と振るわない瀧中投手。



 その瀧中投手の立ち上がり。横浜は一死から二番柴田選手がセンター前ヒットで出塁。



 すると続く宮崎選手が、外角から真ん中よりの低めに入ったストレートをレフトへホームラン。立ち上がりに苦しむ大貫投手に大きな2点をプレゼントします。



 2点を貰って落ち着きを取り戻してほしい大貫投手でしたが、2回表もピリッとしません。先頭の辰巳選手を不運といえば不運なセカンドへのボテボテのあたりで出塁させると、



 続く鈴木選手もセンター前へ。あっという間に無死二塁・一塁。その後は下位打線に向かう中で抑えましたが、2回で52球。このペースでは4回途中で100球に達してしまいます。



 2回裏、二死から8番関根選手が四球を選び、この回を9番で終わらせます。次の回に投手を残して簡単に3人で終わらないこと。地味な貢献ですが、大事なことだと思います。



 3回表。この回も先頭の小深田選手をボテボテのピッチャーゴロに討ち取りながら、送球が走者に当たるというプレーで出塁を許すという嫌な展開。しかし、中軸打線を迎え、ここから大貫投手が粘りました。3番浅村選手を4球で三振、4番島内選手はまたしてもボール先行で3‐1となりましたがライトフライ、そしてマルモレホス選手も4球で三振。立ち直りの兆しを見せます。



 3回裏、一死から柴田選手が四球で出塁。



 続く宮崎選手も四球。現在三冠王に最も近い男、牧選手の前にランナーを貯めるという理想の形が出来上がります。



 そうなれば横浜ファンの期待は牧選手のホームランに集中します。何とその初球、よりによってチェンジアップがど真ん中に甘く入りました。これを牧選手が逃すはずもなく、打った瞬間それと分かるレフトスタンド上段への3ラン。これで0vs5。あとは不振に喘ぐソト選手が復調してくれば、オースティン選手の復帰を待たずとも相当破壊力のある打線になります。



 4回まで持つかと心配された大貫投手でしたが、4回表を下位打線とは言え三者凡退に抑えます。結果、先に先発に見切りをつけたのは楽天の方でした。楽天は4回裏から酒居投手が登板。酒居投手は嶺井選手にヒットを許しますが、下位打線のこの回を無失点で抑えます。



 5回表の大貫投手。酒居投手の代打渡邊選手にまたしてもフルカウント。結果的にファーストゴロで、続く西川選手はピッチャーゴロに討ち取りますが、そこから小深田選手、浅村選手に連続四球。最後、島内選手を三振に切って取り、この回無失点。悪いなりにゲームを作ったとは言えますが、5点のリードを貰いながら最後までフラフラした感じが拭えませんでした。ただ、全体的には制球が定まらなかったというより慎重になりすぎた印象です。



 横浜は6回、7回と入江投手が登板。この入江投手が素晴らしい投球でした。150㎞超の力強いストレートと140㎞前後のフォークボールが冴え、打者6人を完璧に抑えました。特に圧巻だったのは7回表、炭谷選手、山崎選手、西川選手と三者連続三振。2回4三振という素晴らしい内容でした。入江投手が試合を締めてくれたことにより、流れは完全に横浜に傾いたと感じましたし、安心して見ていることができました。



 さらに球場の雰囲気を盛り上げたのが、7回裏。一死二塁から代打大田選手が登場。良い時と悪い時のムラがある大田選手ですが、この選手には雰囲気を変えるオーラがあります。結果は死球でしたが、



 ここでもう一人。お待ちかねの森選手が代走で登場します。球場の横浜ファンは大喜び。



 その7回表をも上回ったのが、8回表、牧選手と森選手2つのファインプレー!特に森選手、絶好調のオープン戦で好調故の怪我で離脱し、その鬱憤を晴らすかのように躍動していました。明らかにセンター前に抜けるかという当たりに追いついただけでも凄いのに、そこからの送球動作の早さ、さらには送球も投手やれるんじゃないかと思わせるほどの肩の強さ。目の前で見て度肝を抜かれました。



 古い話ですが、往年のオジー・スミス選手を彷彿とさせます。まさに次代のスーパースターに駆け上がる素質十分です。



 8回裏、横浜は一死一塁から、こちらも復調が待たれる桑原選手の二塁打でさらに1点追加。これで0vs7。



 最後は宮國投手がやや不安定ながらも無失点で締めました。もちろん課題がなかったわけではありませんが、見どころ満載の完勝だったと言えるでしょう。選手の顔つきにも集中の様子が見て取れますし、大田選手や森選手が復帰してきたことによって、横浜反撃の機運を感じました。

 横浜ファンは1回勝っただけで「横浜優勝!」とか大はしゃぎするとよく言われます。それは一つには、ここ最近のオリックス戦、西武戦を見ても分かるように、せっかく良い内容で勝っても後が続かない。こうした傾向も一因としてあると思います。今度こそ、この試合が反撃の烽火となりますように!

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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しのぎ切った守備陣に感謝!-日本プロ野球2022 横浜vsソフトバンク3回戦

2022年05月28日 | スポーツ観戦記


 5月26日、交流戦最初のカードの3戦目横浜vsソフトバンクを観戦してきました。1戦目は今永が初回に2点を許しながらもその後粘って4vs3の逆転勝ち。2戦目はロメロが5回に6失点し、2vs8と大敗。1勝1敗で迎えた3戦目、天気も暑すぎず寒すぎず、野球観戦にはもってこいでした。



 さて、今年の交流戦は全ての主催試合で横浜OBのコーチと対戦チームOBとの対決が企画されています。この日は元ヤクルトでチームメイトだった、五十嵐亮太氏と田中浩康氏。現役時代剛腕で鳴らした五十嵐氏は136㎞、137㎞と徐々に急速を挙げ、3球目は140㎞に達しました。その3球目を田中氏が見事センター前に弾き返し、現役さながらの対決で球場を沸かせました。



 始球式は地元横浜出身のシンガーソングライター、瑛人さん。名前にちなんで背番号8で登場。中学生まで野球をやられていたそうですが、なかなか良い球を投げていました。



 さて、横浜の先発は復帰登板となる濱口投手。濱口投手といえばルーキー時代の2017年日本シリーズでソフトバンク相手に見せた快投(8回一死までノーヒットノーラン)が強く印象に残っていますが、何しろ投げてみなければ分からないといった側面もあります。



 その立ち上がり。先頭の三森選手を4球で三振に討ち取り上々かと思われたのですが、二番の野村(勇)選手に2球目をレフトスタンドに運ばれてしまいます。あっという間にソフトバンクが先制。



 さらに柳田選手にはレフト前ヒット、グラシアル選手、中村選手には連続四球を与え、一死満塁。しかし、その後松田選手をファーストファウルフライ、柳町選手をセカンドゴロに討ち取り、何とか最少失点で切り抜けましたが、不安な立ち上がりでした。



 一方、ソフトバンクの先発は、身長193㎝、速球が持ち味の杉山投手。好調の先頭打者佐野選手を初球でファーストゴロ、続く柴田選手はカウント3‐1としますが、サードファウルフライ。



 しかし、二死から宮崎選手がセカンドへの内野安打。前日の途中交替でコンディションが心配されていましたが、この日宮崎選手がスタメン出場できたことが、チームを救うことになったと言っても過言ではありません。ただ、この回は期待の牧選手がサードゴロに倒れ、無得点。



 2回表の濱口投手。下位打線で立ち直りのきっかけを掴んでほしいところです。甲斐選手を三振、杉山投手は1球でライトフライでしたが、DH制を採用するパリーグの投手としては非常に良い当たりでヒヤッとしました。さらに1番三森選手にはファウルで粘られ、カウント3-2。結果的にはセカンドゴロでしたが、討ち取るまで8球を要し、立ち直れたとは言い難い内容でした。



 一方の杉山投手も球は速いですが制球に難があり、必ずしも良い内容とは言えませんでした。2回裏の横浜は先頭のソト選手がセンター前ヒットで出塁しますが、続く蝦名選手が併殺打であっという間に二死走者なし。



 ありがちなことですが、そこから関根選手がライト線際に二塁打。ボールがセカンド方向に跳ね返ってきたので少しヒヤッとしました。ただ、嶺井選手がサードゴロに倒れ、この回も無得点。



 3回表。ソフトバンクは野村選手がショートの深いところへヒット。



 続く不振の柳田選手を四球で歩かせ、またも無死二塁・一塁のピンチ。しかし、グラシアル選手を併殺打に討ち取り、二死三塁。ここから次の中村選手に対しては、見事な制球で三振。



 3回裏も横浜は無得点で終わりますが、二死から柴田選手が四球で出塁します。前の打席も倒れこそしましたが、3‐2まで粘り、ここでは四球。実は第三打席も四球、第四打席は死球。第五打席も犠打と目立ちこそしませんが、二番打者として大きな貢献をしていたと思います。



 4回表も濱口投手はピリッとしません。6番からの下位打線で二死までこぎ着けますが、8番甲斐選手を四球で出してしまいます。ここは8番で切っておきたいところでした。ただ、この回の先頭打者、松田選手のサードへの強烈な当たりを宮崎選手が見事なジャンピングキャッチ。こうしたバックの盛り立てが崩れそうな試合を何とか押しとどめていたと思います。



 ここまではずっとソフトバンクが押し気味。濱口投手も4回で早くも73球だったので、この調子では次の回まででしょうし、その後どう継投して凌ぐのかという不安がありました。しかし、そんな時に一発でムードを変えてくれるのが四番の牧選手。恐らくストレートを狙っていたでしょう、この球場のライト方向に吹く風にも乗り、12号ホームラン。この試合終了時点で、牧選手は打率トップ、打点と本塁打数で3位となりました。みなさん異口同音に言われることですが、とても二年目の選手とは思えません。

 

 さらにソト選手がセンターに二塁打。流れが変わり始めます。蝦名選手セカンドゴロの間にソト選手は三塁に。



 ここで関根選手が初球をきっちりライトに運び、犠牲フライで勝ち越し。関根選手、いい仕事をしてくれました。



 しかし、5回表の濱口投手、この流れの変わり目に水を差してしまいます。先頭の俊足三森選手をわざわざ四球で出してしまいます。三森選手、一塁に行く機敏な動きからして足が速そうと分かります。



 野村選手サードゴロの間に二塁に進塁した三森選手は、その後三盗を決め、一死三塁。



 なおも柳田選手に、6つめの四球を与え、一死三塁・一塁。さらに続くグラシアル選手には暴投で、一死三塁・二塁。



 そのグラシアル選手はセカンドゴロ。牧選手からの素早い送球は本塁クロスプレーとなり、判定はアウト。当然藤本監督からのリクエストでリプレイ検証となります。見る角度により非常に微妙でしたが、判定通りアウト。もしこれがセーフだったら、恐らくこの試合はソフトバンクのものになっていたでしょう。



 何しろ濱口投手はその後も中村選手に四球を与え、二死満塁としてしまう有様。結果的には松田選手の不調に助けられましたが、5回被安打3、1失点とはいえ、99球、7四球は一歩間違えば大敗していてもおかしくない内容でした。



 5回裏、横浜は濱口投手に代えて代打宮本選手。この交替は先ほど述べたことから妥当だったと言えるでしょう。しかし、その宮本選手は4球で三振。蝦名選手も宮本選手も二軍戦では良い活躍をしているだけに、チャンスを掴んでほしかったのですが、この試合は残念ながら結果を残せませんでした(蝦名選手は一四球)。



 しかし、続く佐野選手。初球の真ん中やや内側に入った甘いストレートを見逃しませんでした。ライトスタンドに飛び込む4号ホームラン。これで2点差。まだまだ安心はできませんが、流れはようやく横浜に傾いたように思えました。

 

 6回表。7番からの下位打線でしたが、横浜は平田投手、田中投手と二人の投手をつぎ込み、得点を挙げた後の回をゼロで凌ぎます。



 6回裏、ソフトバンクも杉山投手から2019年新人王、アンダーハンドの高橋投手に交替します。



 その高橋投手。先頭のソト選手は三振で仕留めますが、続く蝦名選手には4球続けての四球。



 さらに関根選手は4球ファウルで粘ってのセンターへの二塁打。これで一死三塁・二塁のチャンス。



 嶺井選手はボテボテのサードゴロでしたが、松田選手のフィールダースチョイスで蝦名選手が生還。松田選手の選択、これは仕方ないですね。蝦名選手もよく突っ込みました。



 さらに代打藤田選手が四球で出塁し、一死満塁。



 ソフトバンクは三番手笠谷投手に交替。



 佐野選手はマウンドとショートの間辺りに転がるセカンドゴロでしたが、その間に関根選手が生還。これで5vs1。



 7回表の横浜はエスコバー投手が登板。このところ制球が定まらず乱調が続いていましたが、この日は打者3人でピシャリと抑えました。



 8回は伊勢投手、そして9回は山崎投手と繋ぎ、このまま5vs1でベイスターズの勝利。ハラハラの前半と違い、6回以降は安心して見ていられました。そして、僕も今シーズン3戦目の観戦にしてようやく勝ち試合でした。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
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