旅人

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夏目家の糠みそ

2009-02-03 | 私の本棚
「夏目家の糠みそ」  半藤 末利子著  PHP研究所刊

夏目家と言えば 夏目漱石です。 著者末利子さんは 漱石の孫に当たります。

母は漱石・鏡子の長女 筆子・・父は 文筆家で 漱石門下生 松岡譲

夫は 編集者・作家・漱石研究家の 半藤一利です。

血脈を見ても見るからに書けそうですのに、
60歳すぎて やっと何か書きたい気分に成ったようです。

と言うのは母筆子(91歳)を長年看病し、看取った後、このままでいいのか?
何か残したいと思いが、この本になりました。

夏目家の、表に出ない いろいろな事や、 
母筆子をめぐり、父松岡と 久米正雄の相克等
楽しい事実が、あからさまになり 一息で読み終えました。

著者はあとがきに づぶの素人だの、老婆の独り言、 
いえ 老婆の欲求不満の捌け口だのと、謙遜して書かれていましたが、
充分読み応えがありました。

読後 家族は勿論、周囲に向ける著者のまなざしの暖かさに 
心は春になっていました。

末利子さんが引き継いだ 夏目家の糠床は、曾祖母 江戸時代以来のもので、
かの 道場六三郎氏も、お味に 感激しています。

表紙は 父松岡譲の画 文字は夫一利の版画文字を使っています。
末利子曰く 父の絵で表紙を飾れて無上の喜びです。家内工業で本になりました。

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